木曜日に雪組を観劇してまいりました・・・・
この日が初観劇のお友達が見終わったあとにぼそっと
「水君の次は音月だねーー」
「それを私の前で言う」
「現実を見なきゃ。いいいじゃん、ゆみこちゃんは専科で。それとも
宙組で1作トップ?」
「やめてーー宙組だけは・・・」
なんて会話だ・・・・
で、今回、観劇してやっと気付きました。
「なーんだ。メンドーサはディエゴが好きだったんじゃないの」
結局、水&彩吹というのはどの作家から見てもBLの関係なのね。
という事で、メンドーサの思いを谷先生に代わって書いてみます。
これから観劇するからは頭に入れててね。
ああ・・・俺の命がさらさらと崩れ落ちていく。
おい、ディエゴ、お前はそれでもベルナルドを抱くんだな。
最後の最後まで。報われないなあ・・・でもいい。
俺は今幸せだよ。お前の剣にかかって死ぬのだから。
知ってたか?俺はお前を憎んでいたって事を。
俺の両親はインディアンに殺された。
そう、可哀想なのはベルナルドだけじゃない。インディアンに殺された
スペイン人だっているんだ。
今も頭の中にくっきりと残る光景。
土下座して頼んだ「お母さんを殺さないで。お父さんを殺さないで」
でも、あいつらは殺した・・・・平気で。
あの時、声を失っていたら俺も少しは同情されたのか?
でも俺はそんなやわな性格でもなかったし、同情される程可愛げも
なかったよ。
お前と来たら大農園のお坊ちゃまで、しかもスペイン人とインディアンの
ハーフで。それでいてどちらの民族の愛情もたっぷり受けていた。
俺からみたらまぶし過ぎて・・・・羨ましくて・・・・何でディエゴはいつも
誰にでも明るく、誰でも優しいのだろう。
どうしてあんなに誰からも愛され、誰をも愛せるのだろう。
俺には出来ない。そんなこと。
だから憎んだ。お前を。
憎いインディアンの血を引くお前をいつか殺してやりたい。
いつか見返してやりたい・・・その為だけに生きてきた。
誰からも愛されず誰も愛さずに・・・ただ一つ。考えていたのは
ディエゴ、お前の事だけ。
貧しかった俺は軍に入るしかなく、そこで出世していくしかお前に
近づく方法はなかった。
だから必死に軍務に明け暮れたさ。
スペインの圧政が何だ、搾取がなんだ、ロリータのつまらない正義感
なんかクソくらえだ。
スペイン人はインディアンを殺した・・そしてインディアンも俺の両親を
殺した。
所詮、強い者が勝つのだから。
お前が帰って来た時、正直、俺の心は熱くなったよ。
ずっとずっとお前と対等になることだけを夢見てきたお前が
俺に向って「その階級章なら大佐だな」って言ったろ?
そうだよ。大佐だよ。俺は昔の俺じゃない。スペイン軍の大佐なんだ。
でもその屈託のない笑顔を見た時、俺の心は燃え上がった。
炎が噴き出して体中が熱くなってどうしようもなかった。
誰かこのほてりをなんとかしてくれ。
水をいくら浴びても、酒を飲んでも癒されない・・・・心の中の炎。
もう限界だった。
お前の顔を見る度にどうしようもなく震える唇。
このままでは俺はこいつに殺されてしまう・・・ディエゴに。
だから俺は戦いを選んだんだ。
所詮、俺にはそれしかない。戦いを取ったら何も残らない俺。
どうせ薄っぺらさ。でもいい。それしかないならそれで闘ってやる。
ああ・・・剣を交えている時の光に充ちた幸せな気持ち、お前に
わかっただろうか。
戦いながら俺は心から笑ってたよ・・・こんなに喜びに充ちた気持に
なるのは初めてだ。
そして俺は心から泣いていたよ。悲しみの涙じゃない。
切なくて。お前の剣が鳴る度に切なくて・・そして嬉しくて。
ああ・・・だから今、俺は幸せなんだと思う。
ずっとずっとお前の手にかかる事だけを夢に見て生きて来たんだから。
そうでもしなきゃ、俺は死ぬに死ねなかった。
生まれてから一度も幸せだと感じた事はなかったけど、今は違う。
これはきっと神様が最後にくれたプレゼントなんだ。
背中合わせになったお前が・・実はゾロだと知った時、やっぱりと
思うと同時に嬉しかったなあ。俺は間違ってはいなかった。
俺は・・・俺は最高の男を敵に回して戦ったんだ。
これも愛なんだと思う。そう・・・憎しみは愛なんだよ。
俺はいくよ・・・もう・・・ダメみたいだ。
せめて、もう一度こっちをみてくれよ。ベルナルドじゃなく俺を。
俺を見て、そして抱きしめて泣いてくれよ。ベルナルドのように。
俺の方がずっとずっとお前を愛していたんだぜ。ディエゴ。
なのにお前はちっとも気づかない。
なんて鈍感。とんでもない奴を追いかけたものさ。
ゆえに最後まで報われない俺・・・・
でもいいんだ。お前の刺した剣には俺の血がついている。
そして俺の体にはお前の汗が飛び散っている。
それだけで満足しないとな。
あの世で会おうぜ・・・無理かな。俺はどうせ地獄行きだから。
でも最後に、せめてこっちをみてくれよ・・・ディエゴ。