いつかはそんな気がしていたんですけど、本当に悲しいし辛いです。
「グイン・サーガ」の作家、
栗本薫さん死去
作家の栗本薫さんが膵臓がんの為、26日死去。享年56歳。
中島梓の別名で活躍もしていた。
心ひそかにお祈りしていました。何とかよくなって下さいって。
だって「グイン・サーガ」はまだまだ完結していない。
あのお話は栗本さん以外は書けないでしょう?100巻を目標に
書いてきた小説でしたけど、それでは収まりきらず、また新たな
話になって楽しみにしていたのに・・・
グインの記憶は?イシュトとリンダは?スーティは?ヨナは?
マリウスは?一体どうなっちゃうの?
栗本作品との出会いは高校2年生くらいの時です。
友人が彼女の処女作「僕らの時代」にいたく感動して、愛読書に
していたんですけど、「グイン・サーガ」の文庫が出ると
1冊プレゼントしてくれて「絶対に面白いから読んで」って。
で、結局、25年も読み続けて来たということなんです。
SFには全く興味のない私にとってはこれはすごい事だったんですよ。
その後、「伊集院大介シリーズ」とか「魔界水滸伝」とか、とにかく
彼女は書いて書いて書きまくり。ここ数年は月1ペースで出版して
いました。その他にもライブだ舞台だってすごいエネルギーをつぎ込んで
生きていた人だと思います。
とても真似出来ないや・・・っていつも思ってました。
いわゆる「JUNE」「やおい」の世界に導いてくれたのも彼女です。
「真夜中の天使」衝撃的だったなあ・・・「朝日のあたる家」
「終わりのないラブソング」「翼あるもの」
そして私にはちょっと難しかった「レダ」
若いころに一度乳がんを患っていて・・・でも、その当時は
早期発見で大事に至らず、私もあまり心配したり関心を持ったりした
事はないのですが。
去年、「グイン・サーガ」のあとがきに「膵臓がん」という言葉をみつけた
時はショックでした。
膵臓がんは発見するのが難しく治癒率も高くないからです。
でも、あとがきには手術するって書いてあって・・・だから手術の成功を
祈ってました。
でも、その後まもなく再発して転移・・・・あとがきやHPでも体調が悪い
のがよくわかって本当に心配してました。
最後の更新は4月28日。
旦那さんも入院して病・病介護だーーとか、抗がん剤の影響で食べられず
体重も減ってとにかく具合が悪くて・・・というような事が書いてありました。
今年は色々な作家さんが亡くなる中で、そういうニュースを聞く
度に、彼女の中にもさまざまなものがよぎった事だろうと思います。
月に何本連載を抱えていたでしょう?文庫本をまいつき出して
舞台の脚本に演出にライブ活動に・・・・とあまりにも精力的に
生き急いだという印象です。
とにかく頭の中に沢山浮かんで、楽しくてしょうがなかったんでしょうね。
でもやっぱりまだ若かったし、もっと生きて欲しかったです。
「グイン・サーガ」は126巻まで出ています。
でももしかしたら、彼女の中でグインの次くらいに思い入れのあった
アルド・ナリスの死を書いたところで終わっていたのかもしれません。
天国でナリス様とカラム水を飲みながら沢山お話しているかも。
眠る時には黒蓮の粉でいい夢を見て・・・・・
ご冥福をお祈りします。黙祷。