まずは。
真彩希帆さま、ご結婚おめでとうございます
なんと、生田先生と結婚とは!
あんなオタクっぽかお・・・失礼。
大事にしてよ。われが真彩希帆様を。泣かせたら許さないからね
日曜日に見に行きました。
本当に久しぶりの劇場で、もうあまり来ることもないのかなと思ったり。
今のチケット難は異常だもんね。
鴛鴦歌合戦
映画版について
やっと見ることが出来ました。
この映画は1939年に制作されたそうです。
和風オペレッタ映画で、「狸御殿」とか、そういう・・ファンタジーで陽気な歌や踊りがある映画が制作されていたんですね。
第二次世界大戦がはじまった年ですが、日本の国内はまだいくぶん呑気。
マキノ監督は日本の映画の屈指の人で、宝塚とも縁のあるかた。
この映画の主役は礼三郎ですけど映画の中では出番が少ないんです。
というのも、怪我をしたらしくて、出番を減らし、その分丹波守が歌っていたんですよね。
ミュージカルという概念がない時代に、時代劇とか歌舞伎などから出て来た役者がいきなり歌えというのはむちゃなんじゃ?って思うけど、何でもできちゃったんだなと。
戦前の俳優さんは正統派に綺麗な人が多いし、芝居もロマンチック、話もロマンチックで私は好きですね。
さて、お話は至ってシンプル。
お春さんのお父さんは長屋暮らしのご浪人で傘を作って生計を立ててます。
時代劇好きな人はわかるけど傘の仕事は浪人さんの代表的な内職なんです。
「麦こがし」って何だろうと思ったら「はったい粉」の事で、今や立派な栄養食。
でも、関西の方でしか食べられてなかったと思いますね。
(あ、でも松竹とかこの映画に関わった人ってみんな関西人だった)
それと「僕は若い殿様」が「シャン」といいますが、この「シャン」は「美人でいけてる」の意。
この当時の流行り言葉。モボとかモガ時代ですね。
で、お春さんのお父さんはめちゃ骨董好き。お殿様も骨董好き。これがご縁で、お春を見初め、ぜひ「側室に」となった所、礼三郎さんがラストに助けに来るという話。
お富さんはお金持ちの家ですが、お父さんは長屋暮らし。
映画には麗姫も、秀千代も母上も出てきませんし、香合も出てきません。
だから映画では礼三郎の過去や背景は描かれてないし、何で浪人なのに叔父さんは立派な人なんだ?とかね。色々疑問がわきました。
でもね、映画にあって舞台になかったもの。それは礼三郎さんの「お春ちゃんが好きだよ」ってセリフですね。
こういうこと、さらりと言えてしまう俳優さんってかっこいいなと思います。
また、タイトルの「鴛鴦歌合戦」と中身は全然関係ないってことがわかりました。
「鴛鴦」というのは、中国史劇を見てればわかるけど、好きな人に夫婦が末永く一緒にいる事の象徴で、手巾や巾着に「鴛鴦」を刺繍して送ったりします。
とても目出度い。ゆえに「鴛鴦」という言葉を聞いただけで当時の人は「ああ、恋物語でハッピーエンドなのね」とわかったと思います。
花組版について
まるっきり肉付けされてない礼三郎さんが実は殿の兄で、鴛鴦の香合を持っている事がその証拠になり、実の母と再会。弟も「藩主の象徴である鴛鴦の香合」がないが為にコンプレックスから骨董に手を出している設定。
それを語るのは正室の麗姫。
また、藤尾さんに相手をつける為に秀千代さん、お富さんにはさんちゃんが付きまして、3組同時カップルの誕生で、めでたしというわけです。
全体的にごちゃごちゃしているのは、小柳先生らしいけど、ハッピーエンドで素晴らしく楽しい作品になっていました。
しかし、残念だったのは礼三郎の存在感があまりなかった事です。
そりゃあ、原作がそもそもそうだし、個性的なキャラが多い中で、一人霞を食べているような性格では目立たないのもしょうがない。
ただ、立ち回りと、親子の名乗りの所は素敵だったし泣けましたね。
「歌合戦」やら「お祭り」が出てきますが、言葉だけで実際は「中止」になって、それより目出度い祝言になったと言う事ですが、結構無理あるかなと。
礼三郎さんとお春さんはこの先も、長屋で貧乏暮らしをしてそれを楽しむ生活なのかなと思うと、それこそが日本的な結末ともいえるし、「節約」が奨励された世の中への忖度とも言えますけどね。
我が娘は、祝言で出て来た礼三郎の着物が「七五三のよう」と大不評でした。
「お兄ちゃんや弟が来てた七五三の衣装の方が綺麗だし立派」というわけです。
うーん・・確かに言われて見れば。あの衣装っていわゆる庶民の格好ですよね。
曲がりなりにも礼三郎さんは武士なわけだし、袴くらいは履くべきだったかなと。
誰も悪役にならない物語でした。
出演者について
柚香光・・・礼三郎。なんだろ、前回も思いましたがコロナ期の必死さがなくなったっていうか、芝居を流しているような気がしてちょっと不満。何が彼女をここまでおいやったかと思うけど。完全にあさっての方向を向いてますよね。
それはショーも同じで、手抜きしてばかりかな~~って思いました。
退団するからいいっかって思ってる?星組みたいに頑張りすぎて体壊したら嫌だしな~~なのかな。
星風まどか・・・お春。これは映画版のお春さんのセリフ回しをそっくり取り入れているんですね。でもまどかの方が可愛い。「お父さん嫌い」「ちぇっ」が魅力的でした。ショーにおいてはスタイルのよさと美しさが際立ってましたね。
永久輝せあ・・・若い殿様。まあ、よく頑張ったなと思います。明るくておバカで、でも憎めない役柄が似合っていました。もうちょっとアドリブなどで「遊び」が入ったら面白かったのにと思いますが。
ショーにおいては歌もダンスも完璧ながら、今一つオーラがなあと思ってしまうのは、やっぱり「見せ方」が今一つだからかなと。
聖乃あすか・・・秀千代。以前より随分男役らしくなって、骨太になってきました。ショーにおいても非常に目立つ。目立つけれど、やっぱり永久輝とかぶる部分があって、どうも個性が出てこないですね。
和海しょう・・・志村。この役が芝居の肝なんです。ほぼ主役といってもいいくらい。そういう意味ではすごい存在感と演技力で面白かったです。
綺城ひか理・・・姫に言わせると「一番何を言ってるのかわかった」人だそうで。言われてみればそうかな。滑舌悪いのよ。みんな。滑舌って基本だからね。
ショーでも見せ方がぴしっと決まってかっこよかったです。
帆純まひろの敦盛がとてもかっこよかった。
何で上に上がれないの?侑輝大弥も同様。上級生がひしめきすぎているのでしょうか。
次期娘役候補の、星空美咲VS春妃うららに決着はつくのか?って感じですね。
GRAND MIRAGE
岡田ロマンチックレビューは若い人は苦手と思う場合が多いです。
クラシックと、色味が上品。そして流れが結構ぶつぎりになってしまうので。
とはいえ、「モアーダンディズム」に比べたら非常に面白かったし、楽しかったですよ。
とはいえ、水美舞斗がいないのがこんなに寂しいとは・・・・
なんだかんだ言って見せてくれる人だったし、柚香とのダンスは毎回見ものでしたから。
しかし、岡田ロマンチックレビューというのの基本に
・ダンスの振付は技巧的でない
という特徴があります。つまり、振り自体は難しくないけど「見せる」事が難しいのです。
宝塚というのは、今回の芝居もショーも宝塚110年の「型」の集大成だったと思います。
そういう意味では、今までの花組作品は、トップの個性と自由闊達さ、そしてムードに押されて、真の型芝居を学んでこなかったのではないかと思います。
それを見せつけられたのは「シボネー・コンチェルト」で、つい先ごろ、スカステでみたなーーと。紫苑ゆうさんの。
あの方、あまりダンスが得意じゃないのか、振りが上半身で踊っているようなもので、あとは顔で踊っていた。ポーズで回りを熱くしてたと思うんです。
ところが、今回は下級生たちはみな必死に頑張って踊ってて、多少個性的な人もいたけど、なんだろ、ぱしっと決まっているのが綺城ひか理ぐらいしかいなかったって事ですかね。
柚香光は出来て当たり前。この人は技術と雰囲気で見せる人ですけど、ちょい気がぬけてばしばし決まらない。その横で綺城ひか理がやたら決めているというイメージです。
そういう意味ではシボネーってすごく見せ方が難しいシーンだったんだな。そもそもの振付が喜多先生ですから、古き良き時代の「宝塚の男役とは」っていう振りでしょう?
それこそ、ちゃんと一人ひとりの組子が「型」を身に着け、自分なりの見せ方を覚えないと二束三文、あら違った十把一絡げになってしまいます。
綺城ひか理が目立っていたのは、3年間の星組生活で身に着けた「決めポーズ」とか、シーンによって髪型を変えたりする融通性ですかね。そうしないと目立たないからです。
下級生が一人でも、「上級生より目立ってやる」(悪目立ちではなく)と思って、少し髪型を変えてみたり、立ち方、見せ方、キザり方を変えてみると違っているんじゃないかな。
優等生の多い雪組から、それこそ優等生の花組に移ってきた永久輝せあなどは、全くもって「言われたとおりきっちりやらなくちゃ」が多くて、なかなか自分の色を出す事が出来ないでいると思います。
専科の紫門ゆりやの方が、よほど貫禄があって華があるように見えちゃうのは問題かもしれませんよね。
男役もなあ。そんなに下級生を上に上げたくないなら、宙組にでも移動させたら?
もったいなくてもう。
組カラーはあっていいでしょう。
都会的でスタイリッシュな花組を維持しつつ、それゆえに技術にばかり頼らないで表情で見せて欲しいと素直に思いました。