ノカンゾウ
今回の台風8号、各地に被害を与えたが、大きな影響はなく何とかやり過ごした感。特に都心は、通過が深夜だったこともあり、雨風による被害を被ることはなかった。被害が大きかったのは、伊豆から関東の西部、それに房総から鹿島灘の沿岸あたりか。
この被害、台風の通過地点である東京の銀座・丸の内界隈は、全く平穏だった。辺りは台風通過の真下だったはず、なのにである。
こうした体験は、2019年の台風15号の時も同じである。この台風は房総半島に上陸、大きな被害を与え、千葉県一体は停電など大混乱だった。まだ、記憶に新しいことである。今回の台風も同じようなコースを辿ったが、前回同様、都心にはほとんど被害が出なかった。
これは一体、どういうことなのだろうか。
都内はインフラが整備されているから、雨風の被害が少ないのか。そうだとも思わない。以前は、地下鉄に雨水が流れ込んで大騒ぎをしたことがある。インフラの整備だけの問題ではないのは確かである。
では、何が問題なのか。気象の専門家に答えてもらいたいものだ。東京でも以前は、石神井川や神田川は台風が来るたび氾濫していたはずである。
私のおぼつかない知識によると、台風は海水や周囲の温度が高いため、大量に発生する水蒸気が雲に変えられ発達すること。つまり高い温度が水蒸気となって、その蒸気が冷やされ雲となるのだから、都心一帯はその条件に乏しいのではないかな、と思う。横浜から川崎一体は、工場地帯、住宅街、商店街のビルが乱立し、しかも都心にくると一層ビル街になり、道路やビル街による輻射熱は大幅に高まるが、それを水蒸気に変え放熱する水分がそれほど多くないのではないか、と言うこと。小さな河川はあるのだが、緑地が少なく、高温を放熱しも、それを吸収する自然環境がない。暑さが周囲に閉じ込まれたままの状態なのでないだろうか。
専門家ではないから、想像するだけなのだが、都心の台風被害は明らかに押さえ込まれている。都心には、気象上の特異現象があるのではないか、と言う問題提起である。【彬】