シャインマスカット
私は東京都の新宿区に住んでいる。その新宿区では、今、自転車の路上駐車の摘発が進んでいる。路上の放置しておくと、すぐ撤去され、取り戻すのに3,000円の手数料がかかる。反面、路上の主要な箇所には駐輪設備が設置され、利用者はほぼ無料で利用することができる。そのせいか、道端に留め散らかっていた自転車はずいぶん少なくなった。
それでも放置自転車は後を絶たない。せっかく駐輪設備があるのに、その器具を利用せずに、その側に放置する。おそらくその器具の使い方を知らないか、あるいは車輪を器具の上に載せるのが面倒なのか。器具をコンパクトに詰めて設置しているために、利用しにくいのか。
都市の自転車問題は、時代の変化と関連している。私の住んでいるマンションは築40年と古いものだが、そのマンションには自転車置き場がなかった。その代わりに4台の駐車場があった。なぜそのような設計になったのか、と言うと、交通の利便な都市に生活する上で、自転車は不要なのではないか、との設計思想があったからである。ところが時代が進むにつれて、車を所有する人は皆無になって、駐車場の利用者がいない。反面、自転車置き場がないとの苦情が出ている。この20〜30年の間に、都内で生活する人のライフスタイルが変わったのである。服装を見ればはっきりする。背広やワンピースで自転車を乗る人はいない。
自転車が普及したのは、電動式になったことが大きい。この電動式がもっと進むと、おそらくボード式の乗り物に取り変わると思う。現に車と同様のナンバーをつけ公道を走るボードを見かける。これに買い物かごをつければ、年配者ばかりか利用者は増えよう。そこで問題になるのがやはり置き場である。
都市の変化は交通手段の変化によく現れるのだ。コロナのせいもあるが、電車や地下鉄は乗客が少なくなり、各社、減便に踏み切っているようだ。【彬】