コスモス
2022年、夏の甲子園野球が終わった。仙台育英高校が優勝し、初めて東北に優勝旗が渡った。
私は甲子園球場を借り切って、テレビが早朝から熱狂する様に異様さを感じるので、テレビ中継は全く見なかった。でもニュースなどで結果が伝えられるから、どんな状況なのか、およそ見当が付けられる。
気づいたことが一つある。
それは高校球児たちの体格が、随分とたくましくなったな、ということ。どの選手も体格がいい。痩せた選手はいない。胸まわりから腰回りが大きくなって、しかも動きも悪くない。栄養と訓練が十分に行きどどいている証拠である。私たちが高校生だった、今から50年前では、みんな痩せていた。太っていると練習不足なのではないか、と思われたものである。
このことは同時に練習環境が格段と良くなったことを暗示している。練習場のグランド状況、用具の整備と管理、指導者の育成、そして有望選手の発掘など。
スポーツをするには、資金が必要だ。特にチームスポーツの場合は、お金がかかる。甲子園に出場するような学校は、私立で、スポーツに特化している学校が多いから、相当な資金を提供しているはずである。個人負担だけでは、練習さえ出来ないであろう。例えばボール一個でさえ、5~600円する。そのボールもすぐに痛んで、縫い目が切れたり、する。練習試合をするにしても、会場費・移動費を含め、相当にお金がかかるものだ。
そうしたスポーツ環境ができていると思うので、提案が一つある。
高校野球の金属バットを禁止してほしい。金属バットだから、打つ時の衝撃が弱まり、つまりながらも、強引に飛ばす打球が目についた。木製バットだと、芯を外れるとバットが折れるというので、もう何十年前に金属に変えたのだが、今の野球環境から見れば、もはや不要だろう。
そして試合会場を分散し、もっと簡素な大会に出来ないのか、というのが以前からの私の考えである。さらに一県一代表である必要はないと思う。元々は、県代表ではなかったのである。今は、オリンピックでさえ、一国代表などというものはない。参加標準記録が必要なのである。ルールが一つのスポーツはインタナショナルなものだから、国や県などを基準にするというのは、おかしな話のである。【彬】