高校に入学したら、長髪OKに。ただし、制帽は必ず着用の校則。
むくろっち(その2終わり)
他にもこれはあだ名だが「味噌玉」なんて呼ばれた子供もいた。今は「味噌玉」などと言っても分からない人が多いだろう。昔は田舎では味噌は自家用として、大豆の栽培から始めて味噌に仕立てていたものです。春先に庭先の釜土に大鍋を掛けて大豆を茹でる。茹で上がった大豆は大型の引きつぶす機械の大きな受け口に入れてハンドルを回す。すると、円筒状の口に沢山の穴が開いていて、そこからにょろにょろと出てきたのだ。
これを円錐状に丸めたのが味噌玉。熱々の味噌玉はムシロの上で熱を取るとともに、形を作って固まるのを待つ。固まったら、藁などで縛りあの頃だったら、囲炉裏の上に吊り下げて乾燥したものでした。そんな情緒たっぷりな味噌玉だが、こんなあだ名は付けられた本人は切なかったことだろう。
他に坊主頭で思い出す遊びがある。遊びというよりも悪ふざけと言った方が正確なのだが、刈ったばかりのイガグリ頭に、後ろから濡れ手ぬぐいを素早く乗せて引っ張る。驚くことに短い直毛の力は強くて、引っ張ると踏ん張る間もなくひっくり返るのでした。
一様にきれいに散髪された小学生たちの頭を見て、思わず自分たち昭和の時代の子供時代が脳裏によみがえったのでした。
(終わり)