のんびりぽつぽつ

日常のこと、本のこと、大好きなこと・・・
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「赤毛のアン」

2005年08月31日 22時57分18秒 | ☆本☆
L.M.モンゴメリ 著 掛川恭子 訳。講談社文庫。

完訳クラシックの文庫版1です。
実は、この夏、下の娘が実家に1週間ほど私たちより長く滞在したのですが、その時に、「ママ、お土産みつけたよ」といって買って帰ってきてくれた本なんです。
うーん、実家に全巻昔の文庫版でそろってるんだけどな、と頭の隅で思いつつ、「ありがとう」と受け取りました。
こんなことは初めてで、ほんっとうれしかったんですが、さあ、それからが大変。
「ママ、読んだ?」と毎日毎日聞かれまして。。その時読んでいた恩田さんをちょっと横にどけておいて読みましたよ。ええ!(笑)

いやー。本音は「いまさら読みたくないなあー」だったんですが、、、

読み始めたら、なんとも懐かしい。
アンの語り口、しゃべり始めるとそれこそ目が回る勢いでつむがれる空想の世界。くるくるとよく動く表情。しぐさ。
マシューとアンの不思議な温かい繋がり。
マリラとアンの親子のよう厳しくて優しい繋がり。
ダイアナとの深い友情と、ギルバートとの頑固な対決。

気が付いたら夢中で一気に読み干しました。一気に少女時代(あったのよー。私にも!)に引き戻されたみたいです。

少し前に、梨木香歩先生のエッセイ「春になったら苺を摘みに」のなかで、モンゴメリのひたすらPEIを賛美する態度、家系への執着、人種的偏見などが取り上げられていて、確かにそんな表現も持っているな、という『大人』としての私の視点もあるにはあったのですが、、そして、そういう表現をきっと訳者はオブラートで包んでいるんだろうな、と諸所で感じもしたのですが。

それでも、やっぱりこういうお話は少女時代の宝物です。
読み終わると、ほんわりと幸せな気分で昔に戻っておりました。

これを少女時代に読めた私にバンザイ!
そして、母親に贈ってくれた娘に感謝したい、と思います。