夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

あれやこれや

2025-02-06 18:40:03 | 子供のこと身辺雑記

弱音は吐きたくないが もともとへたれ根性無しの私

 

退院して施設に戻った姑

けれど施設に来て下さるお医者様からも説明

だんだん弱って「死」が近づいてくるのは避けられない

そのための同意書のような書類にもサイン

自分の親のことなのに主人も主人の兄弟さんがたも 私に「任せた」

それだけ「任せられてしまった」責任は重い

姑は私にとって最後の親と呼べる人

元気な頃「死ぬのが怖い」と言ったこともある

私には その言葉が胸にずんと残っている

 

姑が食べられそうなものを届けてもいいことになっていて 毎日では施設の方にご迷惑になってもと 週に二度ほど食べやすそうなものを届けがてら 姑の顔を見に寄っている

 

その帰り道 主人から電話がかかり 運転中だったので かけ直すと

「風邪ひきで栄養剤や薬を買うと 結構お金がかかった

あほらしいなと病院に行った

薬もらってきた

コロナやったら思ったけど ただの風邪やった」

ーとひどく残念そうに言った

 

私は弱っている姑を見て それなりに落ち込んでの帰り道

そういう事情は分かるはずもなく 自分のことばっか話す主人

内心ね 私はいらっとした

君は そんなに厄介なコロナさんにかかりたかったのかーと

病気だって患者さん選ぶわ〈ひどい・爆〉

とは 思ったけれど

いちいち報告してこなくていいわ ねえ あなた暇なのーともね

口には出さないけど 思ったわ

私も優しく相手する気分じゃなかったけれどね

この時の私は 姑のことを考えて 半ば泣きそうな気持で運転していたから

自分のことだけ話したら 主人 電話を切ったし

愚痴るみたいで この時の気持ちを私にも主人に説明する気分では無かった

 

 

そして今日 姑がいる施設に 姑が食べそうな苺やメロンのゼリーにアイスなど届けると お世話して下さる担当の方をお話ができて 姑の様子など教えていただけた

 

食べる力はあって「食べよう」とする気持ちも意欲もある

きちんと口を開けてくれる

体の方も少しずつうごけるようになればと リハビリ担当の方とも相談して動いていますと

 

お世話して下さる方々には ただただ頭がさがる

呑み込む力も そこまで案じずとも大丈夫だと

 

次回はプリンやヨーグルトも買っていってみよう

まだ もう少し姑は生きていてくれる

そう願って・・・・・

 

このところ 施設から電話がかかるたびに おそろしかった

姑の命が危ないとか 息を引き取りましたーとか

そういう内容ではないかと

 

姑のベッドの横に貼ってある注意書き

 

お世話して下さる方が 色々気にかけて下さって 

病院に入院中 少し髪も伸びているから来週には カットのお手入れも予約して下さっているとか

 

先日 甘いカレーが食べたくなって作った

 

我が家のカレーはどちらかと言えば辛口で濃い

母がカレー粉や印度カレー SBなどのルウを使って作っていた

これに蜂蜜 りんごのすりおろしたの ウスターソースやとんかつソースなんかも加えてた

それで子供の頃の私は カレーはこういう味だと思っていた

 

ところが 母の妹である叔母の作るカレーは甘かった

バーモントカレーに蜂蜜たっっぷりで作っていたらしい

 

子供の頃のちょっとしたカルチャーショックだった

カレーライス その家によって味が違うんだと

だから どうした?!って話ではあるのだけれど

 

私の心のカレーは 亡き母が作ってくれたものだけれど 時々 叔母が作ってくれたカレーも食べたくなる

料理本によっても作り方も具材も異なるカレー

勿論 私なりの作り方のカレーもあるけれど

同じカレーライスではあるけれど 作る人間の自由で 

今は無いあの店風のカレーとか 色々遊びながら作っている

 

炊き込みご飯は 母が好きだったので仏壇にもお供えを

 

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アンソニー・ホロヴィッツ著「ナイフをひねれば」〈創元推理文庫〉

2025-02-05 14:09:36 | 本と雑誌

 

著者と同じ名前の作家が登場人物で・・・いささか的外れな推理も披露し 物語の語り手でもある

探偵役はホーソーン

まだまだ謎多き人物でもあるが 今回ホロヴィッツはホーソーンに救われる

 

ホロヴィッツの書いたものが上演された舞台

酷評した劇評家のハリエットが刺殺されて カーラ・グランショー警部は ホロヴィッツが容疑者とする

 

メキシコ湾より広大な悪意の持ち主であったハリエット

彼女によって傷つけられた人間は多い

生き直そうとしていた青年の過去を知っていたハリエット

悪意によって人生を破壊されることもある

でっちあげでも 事実をゆがめ変えても・・・・・書いた人間はそれで金儲け

事実とは全く違う「大嘘」を書かれた人間は・・・・・その荒唐無稽な大嘘すら背負って生きていかなくてはいけない

人生は続いていくのに

呪いをかけられたようなものだ

 

 

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汚れる前に♬

2025-02-03 19:30:49 | ペット

綺麗なうちに・・・・・

コユキ購入でお世話になったお店さんから「何か用事はありませんか 困っていることとかありませんか」と先日 連絡をもらった

購入時に「大きくなっても洗ってくれる」とは言われていたものの

やっぱり大丈夫かなーって遠慮があって

だけど尋ねてみた

「本当にシャンプーお願いしてもいいですか 半端なくデカくなっていますけれど」

笑い声と共に明るくお店の方

「ぜんぜん平気です」

そこであつかましくも予約を取ってお願いすることに

家の庭ではじっとしていることない

呼べば逃げる

背中を向ければ飛びついてくる

元気ありあまりコユキさん

 

お店の方は若いお嬢さんばかりなのですが

さすがでした

洗っている様子がガラス越しに見られるのですが

係の方がお二人で

洗っている間も 乾燥の時も 仕上げのブラシ掛け

爪切り・・・・・・

コユキ おとなしくしておりました

〈心配なので・・・ずうっとお店にいて見ていた私

やっぱり 店員さんを噛んだりとか コユキが危害を加えてはいけないので〉

心配は無用でした

若くても さすがはプロ

見事でした

連れて帰る時には ふわっふわの毛並みに

 

このまま 汚れずに居てくれたらいいのだけれど

穴掘り得意なやんちゃさん

じきにね 鼻の上を真っ黒 土まみれにしちゃうのでした

撮影状況

片手に携帯持つ私の肩辺りに前脚をついて後ろ脚で立っている

とても撮りにくい

凛々しく立つ姿を撮りたかった私

うまくは いきませぬ

 

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まずは節分

2025-02-02 19:34:34 | 子供のこと身辺雑記

今年は2月2日が節分でした

ずうっと3日が節分だったのに

でもまあ 節分 恵方巻 焼いた鰯 大根おろし

などとある程度決まっているのは 何作ろうかなと考えないでいいから有難い・笑

 

無事に豆まきも終えた

うん 節分 コンプリート〈^^:〉

 

次は バレンタインデー用の義理チョコを買っておかなきゃ

 

窓ガラス越しに撮ったら 似たような面白くも無いシロモノとなった

庭に出た長男を追いかけ甘えるコユキ

 

あと数日で生後八か月になります

 

 

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知念実希人著「機械仕掛けの太陽」 〈文春文庫〉

2025-02-02 09:53:25 | 本と雑誌

 

 

女手一つで育ててくれた母と幼い息子と暮らす医師の椎名梓

一緒に暮らす恋人の定岡彰と近々結婚するつもりでいた看護師の硲瑠璃子

地域医療に関わり地元の人々からの信頼も厚い長峰邦昭

70代の長峰は同じく医師の息子から引退を考えてはーと 言われもしていた

ごく平凡な生活を送っていた彼らは それぞれの立場でコロナ禍〈中国武漢発 世界中に迷惑をかけ 死をばらまいた病気〉と向き合い 奮戦する

その死闘は患者の命を救う為のみならず 世評とも闘うこととなる

 

小説という形はとっているが 医師でもある著者が・・・

その医師という立場で眺めた「世間」も描かれている

 

医療に携わる方々は患者から感染し 命を落とされた方々も

この病気が出現しなければ 消えなくて喪われなくてよかった命

 

必要なマスクの医療機器の不足

感染を予防しなくてはいけないのに

完全に防ぐことができない

 

夏の暑い盛りにも 宇宙服のような姿で治療しなくてはいけない

従弟の一人が内科医で 往診にも出向いていた

どれほど多忙でも 持病ある私のことを気遣ってくれる優しく明るく冗談も得意な人間だ

その従弟は自分の大変さを自分からは言わない

従弟の父である叔父から その奮闘ぶり生活の大変さを聞くばかりだ

 

コロナと呼ばれるこの病気は まだ死滅したわけではない

罹患する人も多い

他の親戚にも「入院していた」という声は まだ聞く

 

医療に関わる方々が貶められてはならないーと思う

 

物語に話を戻そう

梓は家族と離れて暮らすことを選択

家庭に病気を持ち込んで 持病ある母やまだ幼い息子が感染することを防ぐためにも

自身が感染し死ぬこともありうる

それでも医師として 目の前の患者を見捨て逃亡することはできない

使命感持ち看護師としての職に向きあっていた瑠璃子も厳しい生活の中で心がすり減っていき 遂には自身も感染

結婚を考えていた恋人との生活も壊れてしまう

瑠璃子の心を救ったのは 母であり父の言葉

そして母の手料理

病気の後遺症で 失われていた味覚

彼女は医療の現場に立つ「心」を取り戻すことができた

そして以前の自分と同じように心がぼろぼろになっている同僚に気づく

 

クラスターを出した病院を責めるマスコミ

我慢できずに瑠璃子の放つ言葉は 実際の現場の医師たちも言いたい言葉なのではないだろうか

 

はっきりした治療方法が見つからず 混乱する現場

ワクチンに見出される希望

そのワクチンを否定するデマを流す一派

そのデマに躍らされネットで暴れる「自分こそ正しい」と思い込む人間

そのデマを信じ込みさらに拡散する「自分は賢い」と「思いあがる」人間もいる

 

外出から帰宅したら手を洗う

うがいする

なんてのは昭和の子供なら 家庭でも学校でも教わった「常識」であったはずなのだが

風邪を引いたら 人に移さない為にもマスクをする

 

自分を守り他人にも迷惑をかけないように生きる

 

他人に迷惑かけても それを考えず「自分の自由のみ」主張するのは ただの我儘だと思う

自己中心的でみっともないと

 

あなたにはあなたの権利があるかもしれないが その権利は他の人の「権利」を侵害してはいまいか

 

 

作中には様々な人が登場する

どう思って 読むかは 読む人一人一人により異なるし 感想もまた異なるだろう

 

ただ「あの時代」は 確かにこうであった

そういうこともあったね

そう振り返り 読むこともできる小説です

 

 

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明日からは二月

2025-01-31 20:42:07 | 子供のこと身辺雑記

姑が退院した

先日 姑が入院している病院の看護師さんから連絡あり 姑が入所している施設の方とも話し合って退院の日が決まりましたーと連絡あり

退院に必要な品を持ち 施設の方が姑を迎えに行って下さる手はずになっていると教えて下さった

それでその退院の日が 私が面会を予約していた日であったので 姑への面会を退院前日に変更して 

入院する前よりは血色も良くなり〈生きている人間の皮膚の色〉

でも はい退院嬉しいねーと喜べるほど元気になれているわけではない

それでも小さな声で言葉を発した

話しかければ 声がする方へ眼を向けてくれる

少なくとも 今にも死にそうな雰囲気はおさまっている

病院には 退院の日も来ること その時に入院費を支払いたいので 精算をお願いできますかーとか 色々お話させていただいて帰宅

31日は施設の方が迎えに来られる半時間前に病院へ行き まずは支払いを済ませた

お迎えに来てくださった施設の方も病室には上がれないので 退院の為の姑の着替え 荷物をまとめるのも全て看護師さんのお仕事となる

車椅子の姑を看護師さんお二人で一階まで送って下さって

それから姑が入所している施設へ

担当して下さる介護の方々 看護師さんとも姑のことでのお話

 

姑は車椅子からベッドへと  移された

その姿はこじんまりと小さい

 

施設の方は「看取り」という言葉を使われる

看取りの状態であること

もう自然に・・・終わりを待つしかできない状態

 

静かに静かに

その覚悟をしなくてはいけない

できてなくては いけないのだ

 

ところで 確か母の最期の入院の時だったか

看護師さんに言われた

和装寝間着を用意していてほしいと

母が死んで20年近い

その頃は どの店でも和装寝間着は売られていた

だから父がいよいよ危ないという入院の時も 哀しいことだが用意しておいた

 

 

姑の退院が近いと教えられてから 私が捜したのは和装寝間着だった

しかしイオンも心あたりの店も 「売れないから扱っていない」

そういえば以前 私が肘を骨折 着替えが不便なので 自宅用に和装寝間着を購入したのは ネットで探してだった

 

施設の方が姑の足がむくんでいるから 足首が緩めの靴下があればーと言われて 施設からの帰り道 寄った「しまむら」

ここでダメもとでねまき売り場を覗いたら あんなにどこの店でも無かった和装寝間着がありました

Mサイズ

 

これが必要になるのは亡くなった時

それでも一応は用意しておかなくては・・・・・

 

姑の命の蠟燭があとどのくらい残されているのか わからないけれど

駄目ですねえ 

覚悟なんてできやしない

 

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誉田哲也著「アクトレス」 〈光文社文庫〉

2025-01-31 20:02:34 | 本と雑誌

 

 

ある事件で知り合った娘たち

事件は解決し それぞれの道を歩み生きている

けれどまた再び重なり合い旧交を温める時が来た

 

警察官になっていた奈緒は 母が病気となり 両親の暮しを見兼ねて退職

その後 無事に母が回復

就職口を捜そうする時 旧知の琴音に教えられ

これも旧知の芭留と同じ探偵事務所で働くことに

 

そして彼女たちの友人が行方不明になっていると・・・相談に来たミッキーは事故に遭う

希莉・・・・・彼女は自分が書いた小説と同じなことが起きて それを不気味に思い調べていた

 

希莉の小説を利用した女優が殺される

何故 誰が彼女を殺したのか

 

人はきらきら輝く部分だけでできているのではない

毒もある

 

犯人はその毒にあてられたのか

その毒は犯人の心の中に蓄積されていたのか

 

 

 

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天野節子著「他言せず」〈幻冬舎文庫〉

2025-01-30 13:27:31 | 本と雑誌

 

 

十代で地方から他家で女中として働く為に出てきた娘・よし江

彼女は素直な性質〈たち〉で 年上の人間の言う事も従順に聞き 真面目に働き 数年後 仲立つ人あり 縁あって嫁いだ

働くお屋敷内のことは たとえ仕事を辞めても よそで話してはいけない

この縛めも堅く長年守り続け・・・・・

倉元家 この家の主人は建設業の社長

亡くなった妻ののこした子供が二人

後妻となったのは元伯爵の家柄の絶世の美女

家の主人の妹夫婦が暮らしている

 

昭和30年代の倉元家の様子と 時代は異なる篠田よし江の暮しぶりが描かれていく

織り込まれる不穏な要素

二人の消えた御用聞きの青年

倉元家の住人の謎の行動

よし江が嫁ぎ 倉元の家を離れてから事件は起きた

倉元家の当主が死んだのだ

事故か殺人か

消えた御用聞きの青年二人

この行方についても倉元家を疑っていた警官は ある人物に対する容疑を深める

それからー

 

時代は昭和から令和に移り 遂に発見された死体と自転車

〈昭和の頃 御用聞きは自転車に乗り 顧客の家をまわり 配達もしていた〉

 

高齢者施設で暮らす友人を訪ねたよし江は ある人物の姿に記憶を呼び覚まされる

ある夜 よし江が聞いた物音

それに対する話した相手の説明の言葉

半世紀ばかし・・・・・ずうっとずうっと昔の話

起きていた恐ろしいこと

 

御用聞きの青年 二人 その身に何が起きたのか作中では詳しく説明されない

読み手が行間から想像するばかりだ

ーこうでは 無かっただろうかと

 

 

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山田風太郎著「八犬伝」上下 〈角川文庫〉

2025-01-29 06:54:20 | 本と雑誌

 

 

 

 

 

 

 

「虚」では曲亭馬琴が作る「南総里見八犬伝」が そして「実」ではこれを書く馬琴について描かれる

「南総里見八犬伝」はたいそう長い物語だ

その一部に私が初めて触れたのは 世界少年少女文学全集の中の日本編だっただろうか

「南総里見八犬伝」の中でも面白い部分が抜粋されていた

それからNHKの人形劇

「我こそはたまずさが怨霊~~~~~~」

「さ~~~もしい浪人 左母二郎」

などというセリフが思い出される

 

里見家に祟る「たまずさ」が起こす怪異

人々の奇縁

犬 八房と伏姫

そしてそれぞれ珠を持つ八人の男たち

彼らが繰り広げる闘いと冒険と

儚く落命する佳人

悪女

化け物

 

長い長い物語には多くの人々が登場する

この物語の執筆途中で曲亭馬琴は遂に全盲となり この後の筆記は嫁が手掛ける

ところが 嫁は漢字の読み書きができない人間

目が見えない馬琴は まず一字一字 これを教えることから始めなくてはいけない

人に物を教えるのは 目が見えていても難しい

教える側も教えられ覚える側もなんという難事に挑戦し それを完遂できたのか

嫁のお路が これは実に粘り強く諦めない人間でもあったのだなと ただただ感嘆する

そして数百の登場人物が現れるこの物語をメモもなく全て頭に入っていたのかと 馬琴の頭脳にも感心するのみ

 

読み物として面白くなければ 本は売れない

実の部分で 馬琴が北斎に物語の展開を語り

北斎が姿を見せない折には 渡辺華山に また嫁のお路にも語る

実の部分では実在人物の名前も出てくる

そこで馬琴や取り巻く人間についても綴られる

 

 

山田風太郎さんの著作は 母が結構持っていて 結構「大人な」描写部分もあるので 母は私が中学を卒業するまでは 読んではだめだーと言っていた

まあ本きちがいの私に「読むな」というのは 逆に「読んじゃえ」とけしかけるようなものだ〈爆〉

活字中毒は そこに本があれば ただ読む とにかく読む

それが幾つもの書棚に本がある

天国じゃあないか

何処にもいかず 勉強もせず ただ読みふける

そして後年 母が所持していない本も買い集め読むようになる

まあ 私はとにかく読む子供だった

山田風太郎さんは 伝奇小説も得意としており 剣豪 忍者 

映画化もされた「魔界転生」も大いに有名

数多くの作品が出版されている

 

八犬士

犬塚信乃 孝の珠を持つ

犬川荘助 義の珠を持つ

犬山道節 忠の珠を持つ

犬飼現八 信の珠を持つ

犬田小文吾 悌の珠を持つ

犬村大角 礼の珠を持つ

犬坂毛野 智の珠を持つ

犬江親兵衛 仁の珠を持つ

解説は中島河太郎さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漫画で読むのも楽しいかも

 

「南総里見八犬伝」については さすがWikipedia ↓とても詳しいです

南総里見八犬伝 - Wikipedia

 

映画化もされた「八犬伝」

2024年作品の情報も↓

八犬伝 (山田風太郎) - Wikipedia

 

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堂場瞬一著「聖刻  警視庁総合支援課0」 〈講談社文庫〉

2025-01-27 16:44:56 | 本と雑誌

 

 

柿谷晶〈かきや あきら〉 相手が上司でも自分の思ったことは言う強さを持つ捜査一課の女性刑事

若い女性を殺した犯人が自首してくる

彼は有名な司会者の長男で自身も芸能活動していたことがある

動機となると話さない 黙秘を貫く彼

真面目で妹思いでもあり 将来の夢もある青年である彼が 何故二年前に別れた相手に会いに行って 殺してしまったのか

モデルをしている妹の由依の見せる翳りも柿谷は気になりながら

 

それからネットでの炎上

父親が有名人

容疑者も芸能人だったことがある

母親もかつてはテレビに出ていた

父親に「説明責任」があるだろう

番組降板くらいで納得してやるものか

つまりは加害者家族なんだ 悪いんだ 叩くこちら側に正義はある

何をしてもいいんだ

ーなんてね論調です

説明されても その内容が理解できない

「ますます疑惑は深まった」「納得できません」

なんて言葉を現実生活でも よく耳にします

相手の「説明」や「言葉」を理解できない

逆に馬鹿あじゃないかと思う方々も多い

週刊誌などの記事を根拠にネチネチしつこく流す人も

よっぽど暇なのか 私生活が不幸すぎるのか

この作中でも こういうやりとりがあります

{「実は、ネットでかなり炎上しておりまして・・・・・ツィッターとかひどいものです。罵詈雑言の嵐といいますか。

あまりにもひどいので、ご家族には、見ないように忠告しています」

 

「そんなにひどいんですか?」

「弘大くんが芸能活動をしていたせいもあると思うんですが、あることいないこと書かれています。前尾さんも俎上に載せられています」

「前尾さんは、好感度が低いわけじゃないと思いますが」

「芸能人とかスポーツ選手・・・・・自分たちの手が届かない人が少しでもヘマをしたら叩こうと、手ぐすね引いて待っている人は多いんですよ。

それまでどんなに好感度が高かろうが、関係ありません。

ストレス解消なんでしょうが、まさに正義中毒ですね」

 

正義中毒・・・・・最近出てきた概念だ。

少しでも悪いーその「悪い」は受け取る側の勝手な感覚だーことをした相手を貶すことで自分の正義を確信し、他人に対して優位に立とうとする。

必ずしもネット社会に特有のものではないだろうが、情報が伝播しやすくなったせいもあって、やたらと「正義」をふりかざす人が増えてきたのは間違いない。

不倫がばれた芸能人を叩いたり、失言した政治家を稀代の大悪党のように非難したり・・・・・それで「いいね」が増えると、気分が上がるのだろうか。

晶には理解できない感覚だった。}

 

{井端も同じ記事を読んでいたようで、スマートフォンの画面を見せながら「これ、ひどくないか?」と言ってきた。

「前から不思議なんだけど、どうしてスポーツ紙って、こういう感じで芸能ニュースを扱うのかな」

「普段はテレビ番組や映画の宣伝で芸能人のヨイショ記事しか書かないのに、誰かがスキャンダルを起こすといきなり掌を返すんだよな」井端が話を合わせた。

「それを事務所が抑えられるかどうか・・・・・馬鹿みたいじゃない?

もちろん犯罪だったら報道する意味があるけど、今回の件、前尾さんには関係ないじゃない」

「それを喜んで読んで、ネットで無責任な噂を拡散する人がいるから、面倒なことになるわけか」

「馬鹿じゃない?」晶は鼻を鳴らした。「SNSで『いいね』をもらいたいだけなんだから。承認欲求を満たすために、適当な情報でも嘘でも発言してもいいと思っている」

「スポーツ紙やテレビのワイドショーなんかの報道姿勢にも問題があるんだよ。

SNSの内容を紹介するなんて、ニュースになっていないだろう」}

 

前尾の娘であることを隠してモデルをしていた由依は自殺する

この死に責任を感じ 自殺の理由を調べる柿谷

なんとなれば彼女も兄が誤って人を死なせてしまい その後 父親も亡くなり 家族はばらばらになった

なんとか警察官にはなれた柿谷

しかし周囲には自分が加害者家族であることはふせている

だけど自分が加害者家族でもあるだけに もっとできることがあったのではないかと

 

そして由依にストーカーがいたことがわかる

同じ大学の男

この男は自身もかつてネットで炎上した経験がある

芸能人一家である由依に狙いを定め近づき 家族の情報を得て弱みを握ろうとした

ゆがんだ思い

昏い望みの為に 男が使ったのは覚せい剤

前尾一家は逆に犠牲者だった

陥れられ 傷ついた家族

 

被害者家族だけでなく加害者家族にも支援 なにがしかのサポート必要なのだ

マニュアルなんてないけれど

そこを柿谷は期待されている

 

 

著者である堂場氏のあとがきの言葉があります

そこには私が堂場氏の著作を読むきかけとなった刑事・鳴沢了の名前が出てきました

坂口憲二さん主演でドラマ化もされております

シリーズ物で初めて女性を主役に持ってきた著者

柿谷晶 この女性刑事を「令和の一匹狼」として かつての鳴沢了を思い起こしたのだと

刑事・鳴沢了シリーズのファンだった私は いつかなんらかの形で刑事・鳴沢了メインの物語が書かれることを待っています

 

そして柿谷晶のシリーズは始まったばかり

いつか彼女が 刑事・鳴沢了と同じ物語に登場することもあるのでしょうか

 

 

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中山七里著「境界線」 〈宝島社文庫〉

2025-01-27 16:22:57 | 本と雑誌

 

映画化もされた「護られなかった者たちへ」に登場した笘篠誠一郎が再び事件を追う

遺体が発見され 笘篠に連絡がくる

震災から7年も経って 

女性の遺体は震災の時に行方不明となったままの笘篠の妻の名前の運転免許を所持していた

だが 遺体は妻とは別人

しかも運転免許証は偽造されたものだった

パニック映画のような大津波のニュース映像

この未曾有の災害で家族を喪った人間は多い

その心の傷口を抉るような事件

そして次に酷い姿で殺された男

顔は半分砕かれ 指は十本とも切り取られている

その男も 震災で行方不明のままとなっている人間の運転免許証を所持して 別人として生きていた

 

身内に犯罪者がいてそのままの名前では生活がしにくい

前科者ゆえ就職できない

ろくな仕事にありつけない

様々な事情で「違う名前で生きることができたら」そう思う人間がいて

震災で行方不明〈おそらく亡くなっている〉の家族の死亡届を出せない人間がいる

その名簿を入手した人間により・・・・・

 

目のあたりにした多くの犠牲者

天災をまざまざ体験

心の何処かが壊れてしまった人間がいる

それでも生きていこうとする人間

生活を立て直し 新しい基盤を築き上げようと

まともに生きていく困難さ

もしも震災が無ければ

家族を喪うことが無ければ

 

哀しい「if」

 

事件は解決し

笘篠は 妻子の死亡届を出すことを決心

彼は一歩進めたのだろうか

 

解説は作家の葉真中顕さん

 

 


黒川博行著「熔果」〈新潮文庫〉

2025-01-25 07:46:33 | 本と雑誌

 

 

今や元刑事となった伊達誠一と堀内信也

このコンビが儲かりそうなネタを追い動き続けるシリーズ四作目

シリーズの始まりには一応警察にいた

しかし色々あって警察を追われ 伊達はヒラヤマ総業の調査員

仕事があれば伊達は堀内に声をかけ バディとして動く

今回は 会社が落札して物件に不当に居座る人間を追い出すこと

これが・・・・金塊強奪事件とその裏へつながることを嗅ぎつけてしまう伊達

金の匂い

彼らはこの金と消えた男を追って まずは大阪から九州は福岡へ

行く先々でいずれ海千山千な人間たちと言葉と暴力で渡り合い 負傷しつつ

淡路島 大分県の別府

ヤクザさん 半グレ 元刑事

事件は転がる

溢れる関西弁 関西弁ゆえに生まれるユーモア

そして地方の言葉〈これもガラは良くない 使う人間のせいで・笑〉

作中溢れる暴力に疲れなければ・・・

殆どの登場人物は暴力に屈するまでウソをつく

最初から本当のことを話す登場人物はごくごく稀だ

いずれ厄介極まる方々ばかり

対処しながら伊達は妻についての愚痴〈惚気のようでもあるが〉を 堀内に言う

妻の言い分も聞いてみたいものだけれど♬

 

 

 

 

 

解説は市田隆さん

このシリーズが続くことを楽しみにしていると 結ばれている

 

太く短くがあてはまるようでもある伊達と堀内

斬られたり 刺されたり 撃たれたり

作中でどんどん傷が増えていく

読む側は冷や冷やしながら 読み続ける

今度こそ危ないのではないかと

脇をかためる面々も個性豊か

 

綺麗ごとでは やっていけない世界は確かにある

残念で悔しくもあるが 綺麗ごとで護れないものも

 

 

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土橋章宏著「号外!幕末かわら版」 〈ハルキ文庫〉

2025-01-22 20:04:09 | 本と雑誌

 

 

かわら版売りは昔の時代劇などでは 主役を支える脇の一人

情報屋などの役割を持つことも多かった

 

今回は庶民に情報を届ける意義に目覚めるようになる銀次が主役

気のいい かわら版を売る為にネタ集めに奔走し 売れるかわら版を作ることで生きてきた男

絵師の芳徳を相棒として 無鉄砲に黒船にさえ乗り込んでいく

コロリの流行

江戸を襲う大地震 そして火事

揺れる徳川の世の仕組み

桜田門外の変

 

世の推移を見定め これをかわら版にするために 銀次と芳徳は江戸を離れ京へ向かう

 

佐久間象山

勝海舟

西郷隆盛

吉田松陰

土方歳三

関鉄之介

坂本龍馬

実在する歴史上の人物との交流は銀次に大きな影響を与えた

 

芳徳が銀次に言う言葉

「一番上に立つ人が私情に溺れると、国は大変なことになるんだね」

国を率いろう 治めようという人間が私欲に溺れると

その国はどれだけ酷いことになるか

人々は苦しむことになるか

 

 

解説は文芸評論家の縄田一男さん

 

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垣根涼介著「室町無頼」上下巻〈新潮文庫〉

2025-01-22 12:43:55 | 本と雑誌

 

 

 

 

室町時代・・・

父親の生前から半ば孤児のように生きてきた才蔵

その腕を見込まれ用心棒としての暮し

だがーその場所も襲われて

襲ってきたのはこともあろうに京の護りも仕事とする骨皮道賢一味

道賢は才蔵の中に何を見出だしたか 彼を殺さず 因縁ある男ー

蓮田兵衛に預けた

道賢と兵衛 二人は同じ女を愛した男たちでもあった

芳王子 その身と才覚にて生きる女

兵衛は己の計画の駒として才蔵を育てようと 彼を苛酷すぎる修業に向かわせる

この世の狂い 歪 ゆがみをどうにかしなくては

人々は苦しみ続けるばかり

世を創り変える為に この仕組みを壊し

兵衛は計画し

自分の後に続く者たちの出現をも信じて

 

どんどんおかしくなっていく世の中

それは現在の令和にも似てはいやしまいかとも思います

世の中がどんどん悪い方へ流れていくようで

 

映画化されて2025年1月17日から公開

兵衛を演じるのは大泉洋さん

 

解説は 時代考証もされた早島大祐さん

 

 

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幡大介著「大富豪同心 漂着 うつろ舟」 〈双葉文庫〉

2025-01-19 06:34:15 | 本と雑誌

 

 

大富豪同心シリーズ第30巻

 

NHKBSなどでドラマ化され主演は中村隼人さん

お正月には歌舞伎化も

主役の八巻卯之吉役にはドラマと同じ中村隼人さん

この一部が NHKEテレにて放送も

 

豪商三国屋ののほほん若旦那にして同心・・・・・

将軍の弟の幸千代と瓜二つの容姿

でもって・・・剣をとっての・・・刃を交わす闘いの場になるや その剣を見るなり立ったまま気絶する特技の持ち主

時代小説シリーズの主役だけれどね 

決して強くはありませぬ

でもいつもどうにか事件を解決できて 世間は好意的に誤解してくれて

それは卯之吉の人間力なのかもしれません

 

今回はお正月にドラマ化された原作と言っていいかな

小説ドラマでは異なる展開もありましたが

アメリカの黒船

京都公家さんの暗躍

幕府転覆させたいお方の無謀な野望

家業ゆえ 商家の出だからこそ見抜ける不自然さ

更に事件は次巻へと続いていきますが

 

 

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