夢見るババアの雑談室

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ほぼ身辺雑記です

天野節子著「他言せず」〈幻冬舎文庫〉

2025-01-30 13:27:31 | 本と雑誌

 

 

十代で地方から他家で女中として働く為に出てきた娘・よし江

彼女は素直な性質〈たち〉で 年上の人間の言う事も従順に聞き 真面目に働き 数年後 仲立つ人あり 縁あって嫁いだ

働くお屋敷内のことは たとえ仕事を辞めても よそで話してはいけない

この縛めも堅く長年守り続け・・・・・

倉元家 この家の主人は建設業の社長

亡くなった妻ののこした子供が二人

後妻となったのは元伯爵の家柄の絶世の美女

家の主人の妹夫婦が暮らしている

 

昭和30年代の倉元家の様子と 時代は異なる篠田よし江の暮しぶりが描かれていく

織り込まれる不穏な要素

二人の消えた御用聞きの青年

倉元家の住人の謎の行動

よし江が嫁ぎ 倉元の家を離れてから事件は起きた

倉元家の当主が死んだのだ

事故か殺人か

消えた御用聞きの青年二人

この行方についても倉元家を疑っていた警官は ある人物に対する容疑を深める

それからー

 

時代は昭和から令和に移り 遂に発見された死体と自転車

〈昭和の頃 御用聞きは自転車に乗り 顧客の家をまわり 配達もしていた〉

 

高齢者施設で暮らす友人を訪ねたよし江は ある人物の姿に記憶を呼び覚まされる

ある夜 よし江が聞いた物音

それに対する話した相手の説明の言葉

半世紀ばかし・・・・・ずうっとずうっと昔の話

起きていた恐ろしいこと

 

御用聞きの青年 二人 その身に何が起きたのか作中では詳しく説明されない

読み手が行間から想像するばかりだ

ーこうでは 無かっただろうかと

 

 

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