米国大統領選の世論調査では、トランプ大統領が劣勢で、黄色信号が点滅しています。
しかし、トランプのオウンゴールでもバイデン勝利にならないとその理由を明示しておられるのは、ジャーナリストの堀田佳男氏。
総得票数でトランプ氏に勝っても選挙人数で負けたヒラリークリントン氏と同じ運命をたどる可能性や、更に、他にも理由が。
現時点でトランプ大統領の支持率は低迷しており、再選への黄信号が灯っている理由は、新型コロナウイルス感染症の猛威と、白人警察官によるジョージ・フロイドさん殺害事件での反人種差別デモへの、トランプ大統領の国軍出動発言。
それでも、簡単に「バイデン勝利」という流れが11月まで続くかどうかは不透明だと堀田氏。
その理由のひとつ目は、バイデン氏が、次期大統領に当選する揺るぎない候補であるかと問われれば、疑問符をつけざるを得ない。
いまの民主党を一つにまとめ上げて次世代を形成していくだけの強い気概があるとは思われていないと。
選挙では候補の資質、政策、選挙対策本部の組織力、集金力、選挙年の経済状況、国民の願意など、総合的な判断が大切になる。
ふたつ目の理由は、資金力。政治資金の集金力が弱く、 6月12日現在の選挙資金総額は、連邦選挙委員会(FEC)によると、トランプ氏の選対が2億6270万ドル(約281億円)を集金したのに対し、バイデン側は1億7480万ドル(約187億円)にとどまっている事。
みっつ目の理由で、大きいのは、総得票数では勝ちながらも敗れたヒラリークリントン氏が経験した、選挙制度の綾。
大統領選は、得票数ではなく、州毎に獲得する選挙人の数で決まること。
現実的には共和・民主両党の政治勢力が拮抗している6州が重要になると。バイデン氏が現在、数字上ではリードを保っていても、6州で全敗するとトランプ氏に勝てないと堀田氏。
四つ目の理由は年齢。老齢化によるエピソードが聞こえますが、有権者は年齢問題をどう判断するのか。米史上最高齢の大統領を誕生させるのか、それとも無理があると考えるのか。
コロナ問題と黒人差別問題で暴言が目立つトランプ氏が今後、支持率をさらに落としてバイデン氏にホワイトハウスを受け渡すことになるのか。
11月まで、闘いが展開されます。
# 冒頭の画像は、6月11日、テキサス州ダラスにて、宗教指導者や企業経営者、法執行当局者を含む支持者グループとの円卓会議に出席したトランプ大統領
全米をデモ覆うも「物言わぬ多数派」はトランプ支持 白人を「トランプ再選」に走らせる恐怖と不安(1/3) | JBpress(Japan Business Press)
この花の名前は、ヒメカンゾウ
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しかし、トランプのオウンゴールでもバイデン勝利にならないとその理由を明示しておられるのは、ジャーナリストの堀田佳男氏。
総得票数でトランプ氏に勝っても選挙人数で負けたヒラリークリントン氏と同じ運命をたどる可能性や、更に、他にも理由が。
米民主党員の脳裏にちらつき始めた4年前の悪夢 トランプのオウンゴールでもバイデン勝利にならない理由 | JBpress(Japan Business Press) 2020.6.15(月) 堀田 佳男
米国内の主要ニュースはいま、新型コロナウイルス感染症の猛威と白人警察官によるジョージ・フロイドさん殺害事件をきっかけにした黒人差別の抗議運動の2つに集約されている。
そのため、本来であれば大統領選が大きく報道されている時節だが、影に隠れている。
当初の予定では、6月5日に全州で予備選は終了していたはずだが、まだ終わっていない。コロナの影響で延期された州が複数あるため、最後のコネチカット州の予備選(8月11日)まで続く。
それでもすでに共和党ではドナルド・トランプ大統領が、また民主党ではジョー・バイデン候補が夏の党大会で代表に指名されるだけの代議員数を獲得している。
現時点でトランプ大統領の支持率は低迷しており、再選への黄信号が灯っている。
直近の各種世論調査の数字は軒並み50%を下回る。ラスムッセン・リポートとエコノミスト誌は43%、ロイターは42%、ギャラップは39%など、50%に手が届いていない。
さらに「トランプ対バイデン」の調査結果でも、トランプ氏は不利な立場にある。
CNNは55%対41%でバイデン氏有利。NBCニュースとウォールストリート・ジャーナルの共同調査でも49%対42%でバイデン氏がリード。その他の調査でもほぼバイデン氏が優位に立っている。
だが、11月の選挙まではまだ5か月ほどあり、現時点での数字はあくまで参考でしかない。
米国内ではいま、冒頭の2大ニュースの対応の悪さから反トランプの勢いが増しているが、簡単に「バイデン勝利」という流れが11月まで続くかどうかは不透明だ。その理由を記したい。
バイデン氏はライバル候補だったバーニー・サンダーズ氏やエリザベス・ウォーレン氏、マイケル・ブルームバーグ氏、ピート・ブダジェッジ氏を破ってきたが、次期大統領に当選する揺るぎない候補であるかと問われれば、疑問符をつけざるを得ない。
米政界に長く、バラク・オバマ政権の副大統領を8年間勤めたが、いまの民主党を一つにまとめ上げて次世代を形成していくだけの強い気概があるとは思われていない。
ビル・クリントン氏やオバマ氏が登場した時のような熱気がいまの民主党にはないのだ。リベラル派のコラムニスト、ポール・ウォルドマン氏も認めている。
「バイデン候補は有権者の心を熱くしない人だと言えます。それは民主党員が大変憂慮することの一つです」
「さらに若くもなければ、社会の変革者という人物でもない。また聴衆を熱狂させるだけの話し手でもない」
聴衆を熱くすることが政治家の使命ではないが、演説が巧みであるに越したことはない。ジョージ・W・ブッシュ大統領の上級顧問だったカール・ローブ氏も述べている。
「バイデン氏は民主党に『勢いの火』をつけられずにいます。それは同氏の支持者の24%だけがバイデン氏を熱烈に応援していると答えていることでも分かります」
筆者は今回を含めてこれまで大統領選挙を8回取材している。
選挙では候補の資質、政策、選挙対策本部の組織力、集金力、選挙年の経済状況、国民の願意など、総合的な判断が大切になる。
バイデン氏の別の弱点と言われているのは政治資金の集金である。
米国選挙では大統領選に限らず、「より多くのカネを集めた候補が勝つ」と言われるほど集金は重要だ。だがバイデン氏は進んで「献金してください」と声を大にできるタイプではない。
CNNのアナリスト、クリス・シリッザ氏は「バイデン氏は過去何十年も、多額の選挙資金を集めてくるタイプの政治家でないのです。集金は重要にもかかわらず、むしろ忌み嫌っています」と明かす。
6月12日現在の選挙資金総額は、連邦選挙委員会(FEC)によると、トランプ氏の選対が2億6270万ドル(約281億円)を集金したのに対し、バイデン側は1億7480万ドル(約187億円)にとどまっている。
現職大統領の方が多額の資金を集める傾向があるが、バイデン氏の集金力は心もとない。今後5か月間でどこまで差を詰められるのか。それともトランプ氏がさらに差を広げるのか。
もう一つの理由が、バイデン氏が2016年のヒラリー・クリントン氏と同じ運命を辿る可能性があることだ。
つまり、総得票数でトランプ氏に勝っても選挙人数で負けるということである。
前述したように、バイデン氏の全米での支持率はいまトランプ氏よりも上だ。だが大統領選の勝負は州ごとに割り当てられた選挙人(総数538)をいかに多く獲得するかで勝負が決まる。
総得票数が多くても確実な勝利につながるわけではない。ちなみに選挙人538人の過半数である270以上を奪った方が次期大統領となる。
選挙人は州の人口比で割り当てらえており、人口が最も多いカリフォルニア州が55人、逆にモンタナ州などは3人の選挙人しか割り当てられていない。
選挙人の多い州で勝てば有利になるが、現実的には共和・民主両党の政治勢力が拮抗している6州が重要になる。
6州というのはペンシルバニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州、アリゾナ州、フロリダ州、ノースカロライナ州だ。
それ以外の州でも接戦になることもあるが、ここでは6州を挙げておく。
バイデン氏が現在、数字上ではリードを保っていても、6州で全敗するとトランプ氏に勝てない。
全米レベルの世論調査ではいまトランプ氏が不利だが、6州を州ごとにみると接戦である。
ペンシルバニア州ではトランプ氏が4ポイントのリードを保つ。ノースカロライナ州は3ポイント、アリゾナ州では1ポイントのリードだ。
ミシガン州とフロリダ州ではバイデン氏がリードしているが、ウィスコンシン州では互角の勝負である。
さらにバイデン氏は77歳という年齢の問題も抱えている。
2019年9月、民主党候補による3回目の討論会が終了した直後、候補の1人、コーリー・ブッカー上院議員(民主・ニュージャージー州)が米人記者につぶやいている。
「バイデン氏は(高齢で)足がもたつき、ボールをそらさずに相手ゴールまで運べる(勝利する)とは思えない」
バイデン氏を揶揄した発言とも受け取れるが、有権者は年齢問題をどう判断するのか。米史上最高齢の大統領を誕生させるのか、それとも無理があると考えるのか。
コロナ問題と黒人差別問題で暴言が目立つトランプ氏が今後、支持率をさらに落としてバイデン氏にホワイトハウスを受け渡すことになるのか――。
投開票日は現地時間の11月3日である。
米国内の主要ニュースはいま、新型コロナウイルス感染症の猛威と白人警察官によるジョージ・フロイドさん殺害事件をきっかけにした黒人差別の抗議運動の2つに集約されている。
そのため、本来であれば大統領選が大きく報道されている時節だが、影に隠れている。
当初の予定では、6月5日に全州で予備選は終了していたはずだが、まだ終わっていない。コロナの影響で延期された州が複数あるため、最後のコネチカット州の予備選(8月11日)まで続く。
それでもすでに共和党ではドナルド・トランプ大統領が、また民主党ではジョー・バイデン候補が夏の党大会で代表に指名されるだけの代議員数を獲得している。
現時点でトランプ大統領の支持率は低迷しており、再選への黄信号が灯っている。
直近の各種世論調査の数字は軒並み50%を下回る。ラスムッセン・リポートとエコノミスト誌は43%、ロイターは42%、ギャラップは39%など、50%に手が届いていない。
さらに「トランプ対バイデン」の調査結果でも、トランプ氏は不利な立場にある。
CNNは55%対41%でバイデン氏有利。NBCニュースとウォールストリート・ジャーナルの共同調査でも49%対42%でバイデン氏がリード。その他の調査でもほぼバイデン氏が優位に立っている。
だが、11月の選挙まではまだ5か月ほどあり、現時点での数字はあくまで参考でしかない。
米国内ではいま、冒頭の2大ニュースの対応の悪さから反トランプの勢いが増しているが、簡単に「バイデン勝利」という流れが11月まで続くかどうかは不透明だ。その理由を記したい。
バイデン氏はライバル候補だったバーニー・サンダーズ氏やエリザベス・ウォーレン氏、マイケル・ブルームバーグ氏、ピート・ブダジェッジ氏を破ってきたが、次期大統領に当選する揺るぎない候補であるかと問われれば、疑問符をつけざるを得ない。
米政界に長く、バラク・オバマ政権の副大統領を8年間勤めたが、いまの民主党を一つにまとめ上げて次世代を形成していくだけの強い気概があるとは思われていない。
ビル・クリントン氏やオバマ氏が登場した時のような熱気がいまの民主党にはないのだ。リベラル派のコラムニスト、ポール・ウォルドマン氏も認めている。
「バイデン候補は有権者の心を熱くしない人だと言えます。それは民主党員が大変憂慮することの一つです」
「さらに若くもなければ、社会の変革者という人物でもない。また聴衆を熱狂させるだけの話し手でもない」
聴衆を熱くすることが政治家の使命ではないが、演説が巧みであるに越したことはない。ジョージ・W・ブッシュ大統領の上級顧問だったカール・ローブ氏も述べている。
「バイデン氏は民主党に『勢いの火』をつけられずにいます。それは同氏の支持者の24%だけがバイデン氏を熱烈に応援していると答えていることでも分かります」
筆者は今回を含めてこれまで大統領選挙を8回取材している。
選挙では候補の資質、政策、選挙対策本部の組織力、集金力、選挙年の経済状況、国民の願意など、総合的な判断が大切になる。
バイデン氏の別の弱点と言われているのは政治資金の集金である。
米国選挙では大統領選に限らず、「より多くのカネを集めた候補が勝つ」と言われるほど集金は重要だ。だがバイデン氏は進んで「献金してください」と声を大にできるタイプではない。
CNNのアナリスト、クリス・シリッザ氏は「バイデン氏は過去何十年も、多額の選挙資金を集めてくるタイプの政治家でないのです。集金は重要にもかかわらず、むしろ忌み嫌っています」と明かす。
6月12日現在の選挙資金総額は、連邦選挙委員会(FEC)によると、トランプ氏の選対が2億6270万ドル(約281億円)を集金したのに対し、バイデン側は1億7480万ドル(約187億円)にとどまっている。
現職大統領の方が多額の資金を集める傾向があるが、バイデン氏の集金力は心もとない。今後5か月間でどこまで差を詰められるのか。それともトランプ氏がさらに差を広げるのか。
もう一つの理由が、バイデン氏が2016年のヒラリー・クリントン氏と同じ運命を辿る可能性があることだ。
つまり、総得票数でトランプ氏に勝っても選挙人数で負けるということである。
前述したように、バイデン氏の全米での支持率はいまトランプ氏よりも上だ。だが大統領選の勝負は州ごとに割り当てられた選挙人(総数538)をいかに多く獲得するかで勝負が決まる。
総得票数が多くても確実な勝利につながるわけではない。ちなみに選挙人538人の過半数である270以上を奪った方が次期大統領となる。
選挙人は州の人口比で割り当てらえており、人口が最も多いカリフォルニア州が55人、逆にモンタナ州などは3人の選挙人しか割り当てられていない。
選挙人の多い州で勝てば有利になるが、現実的には共和・民主両党の政治勢力が拮抗している6州が重要になる。
6州というのはペンシルバニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州、アリゾナ州、フロリダ州、ノースカロライナ州だ。
それ以外の州でも接戦になることもあるが、ここでは6州を挙げておく。
バイデン氏が現在、数字上ではリードを保っていても、6州で全敗するとトランプ氏に勝てない。
全米レベルの世論調査ではいまトランプ氏が不利だが、6州を州ごとにみると接戦である。
ペンシルバニア州ではトランプ氏が4ポイントのリードを保つ。ノースカロライナ州は3ポイント、アリゾナ州では1ポイントのリードだ。
ミシガン州とフロリダ州ではバイデン氏がリードしているが、ウィスコンシン州では互角の勝負である。
さらにバイデン氏は77歳という年齢の問題も抱えている。
2019年9月、民主党候補による3回目の討論会が終了した直後、候補の1人、コーリー・ブッカー上院議員(民主・ニュージャージー州)が米人記者につぶやいている。
「バイデン氏は(高齢で)足がもたつき、ボールをそらさずに相手ゴールまで運べる(勝利する)とは思えない」
バイデン氏を揶揄した発言とも受け取れるが、有権者は年齢問題をどう判断するのか。米史上最高齢の大統領を誕生させるのか、それとも無理があると考えるのか。
コロナ問題と黒人差別問題で暴言が目立つトランプ氏が今後、支持率をさらに落としてバイデン氏にホワイトハウスを受け渡すことになるのか――。
投開票日は現地時間の11月3日である。
現時点でトランプ大統領の支持率は低迷しており、再選への黄信号が灯っている理由は、新型コロナウイルス感染症の猛威と、白人警察官によるジョージ・フロイドさん殺害事件での反人種差別デモへの、トランプ大統領の国軍出動発言。
それでも、簡単に「バイデン勝利」という流れが11月まで続くかどうかは不透明だと堀田氏。
その理由のひとつ目は、バイデン氏が、次期大統領に当選する揺るぎない候補であるかと問われれば、疑問符をつけざるを得ない。
いまの民主党を一つにまとめ上げて次世代を形成していくだけの強い気概があるとは思われていないと。
選挙では候補の資質、政策、選挙対策本部の組織力、集金力、選挙年の経済状況、国民の願意など、総合的な判断が大切になる。
ふたつ目の理由は、資金力。政治資金の集金力が弱く、 6月12日現在の選挙資金総額は、連邦選挙委員会(FEC)によると、トランプ氏の選対が2億6270万ドル(約281億円)を集金したのに対し、バイデン側は1億7480万ドル(約187億円)にとどまっている事。
みっつ目の理由で、大きいのは、総得票数では勝ちながらも敗れたヒラリークリントン氏が経験した、選挙制度の綾。
大統領選は、得票数ではなく、州毎に獲得する選挙人の数で決まること。
現実的には共和・民主両党の政治勢力が拮抗している6州が重要になると。バイデン氏が現在、数字上ではリードを保っていても、6州で全敗するとトランプ氏に勝てないと堀田氏。
四つ目の理由は年齢。老齢化によるエピソードが聞こえますが、有権者は年齢問題をどう判断するのか。米史上最高齢の大統領を誕生させるのか、それとも無理があると考えるのか。
コロナ問題と黒人差別問題で暴言が目立つトランプ氏が今後、支持率をさらに落としてバイデン氏にホワイトハウスを受け渡すことになるのか。
11月まで、闘いが展開されます。
# 冒頭の画像は、6月11日、テキサス州ダラスにて、宗教指導者や企業経営者、法執行当局者を含む支持者グループとの円卓会議に出席したトランプ大統領
全米をデモ覆うも「物言わぬ多数派」はトランプ支持 白人を「トランプ再選」に走らせる恐怖と不安(1/3) | JBpress(Japan Business Press)
この花の名前は、ヒメカンゾウ
↓よろしかったら、お願いします。