中国・習近平主席は永久独裁政権の立場を確立し、軍事力と資金力を背景に、「一帯一路」構想や、米国との「G2」構想の進展での「中華の夢」の覇権拡大を推進しようとしています。
これに対し、アメリカファーストのトランプ政権は、昨年12月に発表した国家安全保障戦略では、「インド太平洋」を米中竸合の場と位置づけ、インド太平洋地域では、米中両国がそれぞれ主導する二つの秩序構想が地政学的競争を演じていると指摘するのは、白石隆熊本県立大学理事長。
そして、日本の安倍政権は、政経分離で習近平の「一帯一路」に接近。
米中がそれぞれのやり方でインド・太平洋地域へ臨む中、日本が地域の国々が広く平和と安定と繁栄を享受できる、「自由で開かれたインド太平洋」に向け、オーストラリア、インド、ASEAN各国と共に、この分野でイニシアチブを取ることが求められると。
「インド太平洋」に最初に着目したのは、2012年にこれを外交の中心理念としたオーストラリア。次いで、2016年8月にケニアで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD)で安倍首相は初めてこの言葉を用い、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を公表。
更に、昨年11月、トランプ大統領がアジア諸国歴訪時に、APEC首脳会議の関連会合で初めてこの言葉を使い、「多様な文化と様々な夢を持つ主権国家が、共に繁栄し、自由と平和を享受できる場」として「自由で開かれたインド太平洋」構想を提示。インド、オーストラリア等の諸国も賛同したのでした。
なぜ「インド太平洋」なのかとの答えは、アジアの経済成長とアフリカの潜在力とが、21世紀の世界で繁栄の中心となる可能性は大きいから。
習近平国家主席の中国は、軍事力を増強し、経済圏構想「一帯一路」の経済協力をもって、アジアの「盟主」たらんとし、更に「一帯一路」の沿線国への覇権拡大や、太平洋二分割での統治を米国に呼びかけています。
軍事力と札束外交で覇権拡大する中国に対し、米国は軍事力をアジア重視で再配置しこの地域における各国の主権や相互依存を重視する秩序の維持のため指導力を発揮しています。
ただ、経済ではアメリカファーストで、TPPを抜けて、二国間交渉で強権を背景に迫ってきつつあります。
日本は、「TPP11」を各国と連携し合意に漕ぎつけ、自由経済圏を構築しようとしています。
日米同盟の深化は進めていますが、経済では対立する部分を抱える日米。
中国と米国の関係も、対北朝鮮対応では接近したり、けん制したりの関係ですが、貿易に関しては、対立を深めています。
だからなのかどうか、日中が経済で接近に方向転換?
外務省では、「一帯一路を通じて中国の覇権主義が拡大される」との懸念が根強いのだそうです。
その昔、日中間では「政経分離」との掛け声で、相互の経済発展を進めました。結果、中国は日本を追い抜き、世界第2位のGDPを誇り、軍事力強化の資金も得て、経済でも軍事力でも、米国に追いつき追い越すかの勢いの今日に至っています。勿論、対日経済交流だけが要因ではなく、広く世界の工場となったことが起因ですが。
米国で、オバマ政権時代にアジア回帰をしながらも、2期目にはパンダハガー勢力が対中貿易重視で勢力を強め、南シナ海での中国の暴挙を許してしまいました。
トランプ政権でも、キッシンジャーの影響を受けているとされるクシュナー氏など、親中勢力は存在しています。
が、冒頭で触れましたが、昨年12月に発表した国家安全保障戦略では、「インド太平洋」を米中竸合の場と位置づけて警戒を強めているのが現状。
「一帯一路」の資金の支えとなる「AIIB」への参画も協調して(?)控えてきた日米。
政経分離で、「一帯一路」に条件付きとはいえ、協力する安倍政権。「ADB」でも相互協力路線を打ち出しています。
史上初の日中首脳電話会談も実施。
この日中接近への双方の方向転換は、なになのでしょう。日米中の関係の変化の兆しが注目されます。安倍首相には、どんな俯瞰外交政策が描かれているのでしょう。
# 冒頭の画像は、4月に行われた安倍首相とトランプ大統領の会談
日米首脳、新通商交渉開始で合意:識者はこうみる | ロイター
この花の名前は、リンドウ
↓よろしかったら、お願いします。
これに対し、アメリカファーストのトランプ政権は、昨年12月に発表した国家安全保障戦略では、「インド太平洋」を米中竸合の場と位置づけ、インド太平洋地域では、米中両国がそれぞれ主導する二つの秩序構想が地政学的競争を演じていると指摘するのは、白石隆熊本県立大学理事長。
そして、日本の安倍政権は、政経分離で習近平の「一帯一路」に接近。
米中がそれぞれのやり方でインド・太平洋地域へ臨む中、日本が地域の国々が広く平和と安定と繁栄を享受できる、「自由で開かれたインド太平洋」に向け、オーストラリア、インド、ASEAN各国と共に、この分野でイニシアチブを取ることが求められると。
インド太平洋 米、中国との対決に傾斜 白石隆 熊本県立大学理事長 (5/6 読売朝刊 地球を読む)
アジアの国際関係の地域枠組みは、その時代に何がリスクと認識されるかで決まってきた。
日本の経済規模が、その他のアジア諸国すべての経済を合わせたよりも大きかった1990年代には、東アジア諸国に米国やメキシコ、チリ、ペルーも入れた「アジア太平洋」が枠組みとなった。アジアを日本の裏庭としないためだった。
97~98年の東アジア経済危機の後には、「東アジア」が枠組みとなった。危機に陥ったタイ、韓国などの支援にあたり、厳しい構造改革を要求した米国がリスクと見なされたからである。
では、「インド太平洋」はどうか。オーストラリア政府は2012年にこれを外交の中心理念とした。安倍首相は16年8月にケニアで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD)で初めてこの言葉を用い、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を公表した。
「海の道」がアジアとアフリカを繋ぐ。これからの世界の安定と繁栄の鍵は「自由で開かれた二つの大洋、二つの大陸の結合が生む」ダイナミズムにある。太平洋とインド洋を「平和な、ルールの支配する海」とし、この二つの海で繋がる地域を「力や威圧と無縁で、自由と法の支配、市場経済を重んじる場」にしよう━━。これが趣旨である。
トランプ米大統領は、昨年11月にベトナムで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の関連会合で初めてこの言葉を使い、「多様な文化と様々な夢を持つ主権国家が、共に繁栄し、自由と平和を享受できる場」として「自由で開かれたインド太平洋」構想を提示した。
なぜ「インド太平洋」なのか。リスクは何なのか。
アジアの経済成長とアフリカの潜在力を考えれば、太平洋からインド洋に至る広大な地域が21世紀の世界で繁栄の中心となる可能性は大きい。しかし、習近平国家主席の中国は、軍事力を増強し、経済圏構想「一帯一路」の経済協力をもって、アジアの「盟主」たらんとしている。このリスクにどう対処するかが「インド太平洋」という地域枠組みの根本にある問いだ。
しかし、日米の対処法には大きな違いがある。
安倍首相は「自由で開かれたインド太平洋」実現のため、この地域でのインフラ整備や貿易・投資促進、人材育成などを提唱するとともに、米豪インドなどと安全保障面での連携強化に動いている。中国の強国化に対応して、力のバランスを維持すると同時に、この地域の経済成長を重視するからだ。この文脈で、今年3月に署名された、11か国による新しい環太平洋経済連携協定(TPP)は大きな意義を持つ。
平和と繁栄 日本が主導を
一方、トランプ米大統領は、多国間のTPPではなく、2国間の自由貿易協定(FTA)締結を重視する。また、昨年12月に発表した国家安全保障戦略では、「インド太平洋」を米中竸合の場と位置づけた。
インド太平洋地域では、米中両国がそれぞれ主導する二つの秩序構想が地政学的競争を演じている。中国は、インフラへの投資や軍事力による威嚇、南シナ海における人工島建設などにより、自国の意思を周辺諸国に押し付けて、その主権を制限し、地域の盟主になろうとしている。米国は、この地域における各国の主権や相互依存を重視する秩序の維持のため指導力を発揮する━━。
これが同戦略に見る米国の考え方である。こうして見れば、日米の違いは明らかだろう。
日本は、中国が力と威圧によってその意思をこの地域の国々に押し付けることに反対する。しかし、協力できる分野では協力する。その原則は「自由、法の支配、市場経済」にある。
2010年代初めから、米国は軍事力をアジア重視で再配置している。日本はこの政策に呼応して、日米同盟を深化し、豪印両国との戦略的連携も強化した。南シナ海の領有権問題では中国の立場を批判し、この海域での人工島建設や軍事拠点化に反対する。
経済では、中国の一帯一路に是々非々の立場を取る。安倍首相が昨年6月、①インフラ整備の調達で透明性や公正性が確保される②借り入れ国の財政の健全性が損なわれない━━などの条件付きで、一帯一路を「多様な地域を結びつけるポテンシャル(潜在能力)を持った構想」と評価したことに見る通りである。
これに対し、トランプ政権は中国との対決に大きく傾斜している。国家安全保障戦略はロシアと並んで中国を、米国主導の国際秩序の変更を狙う「現状変更勢力」と位置づけた。具体的には、中国が「インド太平洋地域から米国を追い出し、その国家主導経済モデルを拡張し、自国に都合が良いように、地域の秩序を再編しようとしている」と批判した。
一方、経済では、圧倒的な力をテコに自国に有利に交渉を進められる2国間のFTAを推進する。最近の米韓FTA見直し交渉に見るように、そのためには恫喝も辞さない。つまり、地域の諸国からすれば、中国と同様、「現状変更勢力」のような振る舞いが目に付く結果を招いた。
しかし、これでは「自由で開かれたインド太平洋」は実現できない。「インド太平洋」は、南北アメリカの西岸からアフリカの東岸に至る、広大な、一つのまとまりのある地域である。ここでは、日本からフィリピン、インドネシアを経由してインドに到達する東西のラインと、マレーシアからオーストラリアに至る南北のラインが地域の背骨を形成する。「自由で開かれたインド太平洋」実現のためには、これら諸国の支持が決定的に重要である。
これらの国が求めるのは、自国の主権と安全を確保し、経済成長によって国民の生活水準を向上させることだ。地域の平和と安定は、米国が主導する地域的な安全保障の仕組みに支えられている。従って、米国がこの枠組みを強化することは大いに歓迎される。
しかし、トランプ政権のインド太平洋戦略は、通商面で「米国第一主義」にあまりに傾斜している。
今、必要なのは、自国の利益ばかりを主張するのではなく、地域の国々が広く平和と安定と繁栄を享受できるよう、協力することである。日本には、オーストラリア、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国と共に、この分野でイニシアチブを取ることが求められる。
アジアの国際関係の地域枠組みは、その時代に何がリスクと認識されるかで決まってきた。
日本の経済規模が、その他のアジア諸国すべての経済を合わせたよりも大きかった1990年代には、東アジア諸国に米国やメキシコ、チリ、ペルーも入れた「アジア太平洋」が枠組みとなった。アジアを日本の裏庭としないためだった。
97~98年の東アジア経済危機の後には、「東アジア」が枠組みとなった。危機に陥ったタイ、韓国などの支援にあたり、厳しい構造改革を要求した米国がリスクと見なされたからである。
では、「インド太平洋」はどうか。オーストラリア政府は2012年にこれを外交の中心理念とした。安倍首相は16年8月にケニアで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD)で初めてこの言葉を用い、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を公表した。
「海の道」がアジアとアフリカを繋ぐ。これからの世界の安定と繁栄の鍵は「自由で開かれた二つの大洋、二つの大陸の結合が生む」ダイナミズムにある。太平洋とインド洋を「平和な、ルールの支配する海」とし、この二つの海で繋がる地域を「力や威圧と無縁で、自由と法の支配、市場経済を重んじる場」にしよう━━。これが趣旨である。
トランプ米大統領は、昨年11月にベトナムで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の関連会合で初めてこの言葉を使い、「多様な文化と様々な夢を持つ主権国家が、共に繁栄し、自由と平和を享受できる場」として「自由で開かれたインド太平洋」構想を提示した。
なぜ「インド太平洋」なのか。リスクは何なのか。
アジアの経済成長とアフリカの潜在力を考えれば、太平洋からインド洋に至る広大な地域が21世紀の世界で繁栄の中心となる可能性は大きい。しかし、習近平国家主席の中国は、軍事力を増強し、経済圏構想「一帯一路」の経済協力をもって、アジアの「盟主」たらんとしている。このリスクにどう対処するかが「インド太平洋」という地域枠組みの根本にある問いだ。
しかし、日米の対処法には大きな違いがある。
安倍首相は「自由で開かれたインド太平洋」実現のため、この地域でのインフラ整備や貿易・投資促進、人材育成などを提唱するとともに、米豪インドなどと安全保障面での連携強化に動いている。中国の強国化に対応して、力のバランスを維持すると同時に、この地域の経済成長を重視するからだ。この文脈で、今年3月に署名された、11か国による新しい環太平洋経済連携協定(TPP)は大きな意義を持つ。
平和と繁栄 日本が主導を
一方、トランプ米大統領は、多国間のTPPではなく、2国間の自由貿易協定(FTA)締結を重視する。また、昨年12月に発表した国家安全保障戦略では、「インド太平洋」を米中竸合の場と位置づけた。
インド太平洋地域では、米中両国がそれぞれ主導する二つの秩序構想が地政学的競争を演じている。中国は、インフラへの投資や軍事力による威嚇、南シナ海における人工島建設などにより、自国の意思を周辺諸国に押し付けて、その主権を制限し、地域の盟主になろうとしている。米国は、この地域における各国の主権や相互依存を重視する秩序の維持のため指導力を発揮する━━。
これが同戦略に見る米国の考え方である。こうして見れば、日米の違いは明らかだろう。
日本は、中国が力と威圧によってその意思をこの地域の国々に押し付けることに反対する。しかし、協力できる分野では協力する。その原則は「自由、法の支配、市場経済」にある。
2010年代初めから、米国は軍事力をアジア重視で再配置している。日本はこの政策に呼応して、日米同盟を深化し、豪印両国との戦略的連携も強化した。南シナ海の領有権問題では中国の立場を批判し、この海域での人工島建設や軍事拠点化に反対する。
経済では、中国の一帯一路に是々非々の立場を取る。安倍首相が昨年6月、①インフラ整備の調達で透明性や公正性が確保される②借り入れ国の財政の健全性が損なわれない━━などの条件付きで、一帯一路を「多様な地域を結びつけるポテンシャル(潜在能力)を持った構想」と評価したことに見る通りである。
これに対し、トランプ政権は中国との対決に大きく傾斜している。国家安全保障戦略はロシアと並んで中国を、米国主導の国際秩序の変更を狙う「現状変更勢力」と位置づけた。具体的には、中国が「インド太平洋地域から米国を追い出し、その国家主導経済モデルを拡張し、自国に都合が良いように、地域の秩序を再編しようとしている」と批判した。
一方、経済では、圧倒的な力をテコに自国に有利に交渉を進められる2国間のFTAを推進する。最近の米韓FTA見直し交渉に見るように、そのためには恫喝も辞さない。つまり、地域の諸国からすれば、中国と同様、「現状変更勢力」のような振る舞いが目に付く結果を招いた。
しかし、これでは「自由で開かれたインド太平洋」は実現できない。「インド太平洋」は、南北アメリカの西岸からアフリカの東岸に至る、広大な、一つのまとまりのある地域である。ここでは、日本からフィリピン、インドネシアを経由してインドに到達する東西のラインと、マレーシアからオーストラリアに至る南北のラインが地域の背骨を形成する。「自由で開かれたインド太平洋」実現のためには、これら諸国の支持が決定的に重要である。
これらの国が求めるのは、自国の主権と安全を確保し、経済成長によって国民の生活水準を向上させることだ。地域の平和と安定は、米国が主導する地域的な安全保障の仕組みに支えられている。従って、米国がこの枠組みを強化することは大いに歓迎される。
しかし、トランプ政権のインド太平洋戦略は、通商面で「米国第一主義」にあまりに傾斜している。
今、必要なのは、自国の利益ばかりを主張するのではなく、地域の国々が広く平和と安定と繁栄を享受できるよう、協力することである。日本には、オーストラリア、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国と共に、この分野でイニシアチブを取ることが求められる。
「インド太平洋」に最初に着目したのは、2012年にこれを外交の中心理念としたオーストラリア。次いで、2016年8月にケニアで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD)で安倍首相は初めてこの言葉を用い、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を公表。
更に、昨年11月、トランプ大統領がアジア諸国歴訪時に、APEC首脳会議の関連会合で初めてこの言葉を使い、「多様な文化と様々な夢を持つ主権国家が、共に繁栄し、自由と平和を享受できる場」として「自由で開かれたインド太平洋」構想を提示。インド、オーストラリア等の諸国も賛同したのでした。
なぜ「インド太平洋」なのかとの答えは、アジアの経済成長とアフリカの潜在力とが、21世紀の世界で繁栄の中心となる可能性は大きいから。
習近平国家主席の中国は、軍事力を増強し、経済圏構想「一帯一路」の経済協力をもって、アジアの「盟主」たらんとし、更に「一帯一路」の沿線国への覇権拡大や、太平洋二分割での統治を米国に呼びかけています。
軍事力と札束外交で覇権拡大する中国に対し、米国は軍事力をアジア重視で再配置しこの地域における各国の主権や相互依存を重視する秩序の維持のため指導力を発揮しています。
ただ、経済ではアメリカファーストで、TPPを抜けて、二国間交渉で強権を背景に迫ってきつつあります。
日本は、「TPP11」を各国と連携し合意に漕ぎつけ、自由経済圏を構築しようとしています。
日米同盟の深化は進めていますが、経済では対立する部分を抱える日米。
中国と米国の関係も、対北朝鮮対応では接近したり、けん制したりの関係ですが、貿易に関しては、対立を深めています。
だからなのかどうか、日中が経済で接近に方向転換?
COLOR="purple">一帯一路で官民協議会 日中合意へ 関係改善へ共同事業推進 (5/6 読売朝刊)
日中両政府は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を巡り、第三国での事業を共同で進めるための官民協議会を設置する方針を固めた。安倍首相が、9日の日中韓首脳会談に合わせて初来日する中国の李克強首相と会談し、合意する見通しだ。経済分野の協力をてこに両国の関係改善を加速する狙いがある。
協議会は、閣僚級で経済問題を話し合う「日中ハイレベル経済対話」の下に置く案が有力だ。両国の民間企業に加え、外務省、経済産業省など関係省庁や政府系金融機関の参加を見込んでいる。ユーラシア大陸を東西に結ぶ一帯一路の沿線国から、日中双方の関心のある進出先やインフラ(社会資本)事業などを政府間で調整し、得意分野を組み合わせることを目指す。
日本企業は高い環境技術や融資のノウハウを持つが、国際的には価格競争力が課題となっている。比較的安価な中国製品を採用することなどで価格競争力を克服し、遅れているアフリカや中央アジアへの進出を推進したい考えだ。一方の中国側には、日本企業の参入で事業の信頼性が増すメリットがある。
ただ、日本政府では「一帯一路を通じて中国の覇権主義が拡大される」(外務省幹部)との懸念が根強い。中国が過大な債務を押しつけて相手国の財政健全性を損なっているとの指摘もある。このため、協力案件を慎重に見極め、財政健全性のほか、①透明性②公平性━━などが担保されることを支援の条件とする方針だ。
日中韓首脳会談は9日に開催され、日中、日韓の2国間会談も同日中に行われる予定だ。日本政府は、李氏を外国首相としては最高位の「公賓」待遇で受け入れる。中国首相が公賓として来日するのは2007年4月の温家宝(ウェンジアパオ)氏以来、11年ぶりとなる。
今年は日中平和友好条約締結40周年にあたる。日本政府は、一帯一路への協力や李氏の厚遇を通じ、首相が目指す習近平国家主席との相互往来の実現に弾みをつけたい考えだ。
日中両政府は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を巡り、第三国での事業を共同で進めるための官民協議会を設置する方針を固めた。安倍首相が、9日の日中韓首脳会談に合わせて初来日する中国の李克強首相と会談し、合意する見通しだ。経済分野の協力をてこに両国の関係改善を加速する狙いがある。
協議会は、閣僚級で経済問題を話し合う「日中ハイレベル経済対話」の下に置く案が有力だ。両国の民間企業に加え、外務省、経済産業省など関係省庁や政府系金融機関の参加を見込んでいる。ユーラシア大陸を東西に結ぶ一帯一路の沿線国から、日中双方の関心のある進出先やインフラ(社会資本)事業などを政府間で調整し、得意分野を組み合わせることを目指す。
日本企業は高い環境技術や融資のノウハウを持つが、国際的には価格競争力が課題となっている。比較的安価な中国製品を採用することなどで価格競争力を克服し、遅れているアフリカや中央アジアへの進出を推進したい考えだ。一方の中国側には、日本企業の参入で事業の信頼性が増すメリットがある。
ただ、日本政府では「一帯一路を通じて中国の覇権主義が拡大される」(外務省幹部)との懸念が根強い。中国が過大な債務を押しつけて相手国の財政健全性を損なっているとの指摘もある。このため、協力案件を慎重に見極め、財政健全性のほか、①透明性②公平性━━などが担保されることを支援の条件とする方針だ。
日中韓首脳会談は9日に開催され、日中、日韓の2国間会談も同日中に行われる予定だ。日本政府は、李氏を外国首相としては最高位の「公賓」待遇で受け入れる。中国首相が公賓として来日するのは2007年4月の温家宝(ウェンジアパオ)氏以来、11年ぶりとなる。
今年は日中平和友好条約締結40周年にあたる。日本政府は、一帯一路への協力や李氏の厚遇を通じ、首相が目指す習近平国家主席との相互往来の実現に弾みをつけたい考えだ。
外務省では、「一帯一路を通じて中国の覇権主義が拡大される」との懸念が根強いのだそうです。
その昔、日中間では「政経分離」との掛け声で、相互の経済発展を進めました。結果、中国は日本を追い抜き、世界第2位のGDPを誇り、軍事力強化の資金も得て、経済でも軍事力でも、米国に追いつき追い越すかの勢いの今日に至っています。勿論、対日経済交流だけが要因ではなく、広く世界の工場となったことが起因ですが。
米国で、オバマ政権時代にアジア回帰をしながらも、2期目にはパンダハガー勢力が対中貿易重視で勢力を強め、南シナ海での中国の暴挙を許してしまいました。
トランプ政権でも、キッシンジャーの影響を受けているとされるクシュナー氏など、親中勢力は存在しています。
が、冒頭で触れましたが、昨年12月に発表した国家安全保障戦略では、「インド太平洋」を米中竸合の場と位置づけて警戒を強めているのが現状。
「一帯一路」の資金の支えとなる「AIIB」への参画も協調して(?)控えてきた日米。
政経分離で、「一帯一路」に条件付きとはいえ、協力する安倍政権。「ADB」でも相互協力路線を打ち出しています。
史上初の日中首脳電話会談も実施。
この日中接近への双方の方向転換は、なになのでしょう。日米中の関係の変化の兆しが注目されます。安倍首相には、どんな俯瞰外交政策が描かれているのでしょう。
# 冒頭の画像は、4月に行われた安倍首相とトランプ大統領の会談
日米首脳、新通商交渉開始で合意:識者はこうみる | ロイター
この花の名前は、リンドウ
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