今回の衆議院選挙では、メディアの予想は立憲民主党を中心とした野党の候補者調整による躍進が大々的に報じられていましたが、結果は自民党は議席を若干減らしたが戦前の予想からすれば大善戦。公明党も議席数を伸ばした。維新の会に至っては4倍近く議席を増やし、国民民主党も、れいわ新選組も増やした。減らしたのは立憲民主党と共産党だけとなりました。
何故立憲民主と共産は敗北したのか。元日本共産党中央委員会常任幹部会委員、同党政策委員長の筆坂 秀世氏が解説しておられました。
衆院選挙前、立憲民主党も共産党も意気軒昂だった。議席を減らすことなど微塵も考えていなかったはずだと筆坂氏。
開票当日の各局の選挙特番報道でも、ド民党大敗の報道貴重でした。最後迄は見ていなかったので、翌朝の新聞を見て吃驚。
姦しかった、自民党の過半数割れや、与党の「安定多数」割れどころか、自民党が単独で「安定多数」を上回り、立憲民主や共産党は議席減の結果となっていました。
衆議院選挙速報2021 開票速報・選挙結果 -衆院選- NHK
衆院選 自民 単独で「安定多数」244議席を上回る | 2021衆院選 | NHKニュース
共産党は選挙前の9月に総選挙での勝利に向けて第3回中央委員会総会を招集し、そこで志位和夫委員長は、2つの大目標を掲げていたのだ。言うのは勝手だとはいえ、よくぞここまでの大口を叩いたものだと筆坂氏。
比例で850万票獲得すると豪語していたが、結果はその半分にも満たない416万票だった。「大変残念な結果」などと言っている場合ではないはずだ。共産党の志位委員長は、みずからの責任を問われたことに対して、「責任はないと考える」と言下に否定した。その理由として、「わが党は、政治責任を取らなければならないのは間違った政治方針を取った場合だ。今度の選挙では、党の対応でも、共闘でも政策でも、方針そのものは正確だったと確信を持っている」ともっともらしく説明したのだそうです。
そもそも共産党のトップが選挙で負けて責任をとったことは一度もない。宮本顕治氏の場合も、不破哲三氏の場合もそうだった。この数十年、共産党の政治方針は一度も間違ってなかったと強弁するつもりだろうか。そうなのに、いまだに衆議院で1桁の議席しか取れないのだとすれば、共産党の方針が根本から誤っているということではないのかと。
そもそも衆議院に11議席しか持たない共産党が、「政権交代を実現し、新しい政権――野党連合政権を」などと言って、誰が本当にするのか。みずからの力をわきまえよと言いたいと筆坂氏。
立憲民主党が共産党との共闘に前のめりになったのには、理由がある。これまでの選挙での共闘が力を発揮してきたからだ。
この2回の経験を通じて、共産党との共闘は力になると思ったに違いない。今回の選挙でも小選挙区では、この共闘が力を発揮したことは疑いないと。
だが前の2回とは決定的に違っていたことがある。参院選も、都議選も、政権交代が問われたわけではない。また明確な共同政策もなかった。共産党が候補者を降ろすことによって、事実上支援するというものだった。つまり野党共闘の候補というわけではなかったのだ。これぐらいがちょうど良かったのだと筆坂氏。
朝日新聞の世論調査でも明らかなように、誰も野党の政権など望んでいない。それをまるで政権交代が今回の選挙の焦点であるかのようにしてしまったことが、大きな敗因の理由だと。
立憲民主党の打撃は大きい。比例での敗北の大要因の1つが共産党との共闘にあったことは明らかだ。共産党は相変わらずの共闘一本槍だが、この路線の破綻も明白である。党名や革命路線など、同党の路線の根本的な見直しが必要になっている。
それでも立憲民主党は、今後も共産党との共闘を続けるのか。
枝野氏の辞任で、新代表選を実施することになった立憲民主党。なかなか正式な立候補表明をする人が顕れませんでしたが、ようやくお二人が立候補表明それました。
自民党総裁選の様に、政策議論がされるのか。
自民党は改革派の河野氏が議員票によって敗れ、あたりさわりのない岸田氏が選ばれました。内弁慶で美辞麗句をだらだら並べるだけで、中国、韓国にいいように振り回された外交実績からは、日本国には憂慮すべき首相の誕生となってしまいました。
民主党の代表には、与党批判の政局優先で政策に乏しい枝野氏の方針を継承する方が選ばれるのか。改革派が選ばれるのか。参院選を控え、注目されますね。
中道路線の泉健太氏・リベラル系の逢坂誠二氏を軸に展開か…立民代表選で2氏出馬表明 : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン
# 冒頭の画像は、辞任発表した枝野氏
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何故立憲民主と共産は敗北したのか。元日本共産党中央委員会常任幹部会委員、同党政策委員長の筆坂 秀世氏が解説しておられました。
「勘違い」の必然、野党共闘はなぜ失敗したのか? 立憲民主党と日本共産党の敗北の理由 | JBpress (ジェイビープレス) 2021.11.16(火) 筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家
選挙前は自信満々だった両党
衆院選挙前、立憲民主党も共産党も意気軒昂だった。議席を減らすことなど微塵も考えていなかったはずだ。
共産党は選挙前の9月に総選挙での勝利に向けて第3回中央委員会総会を招集し、そこで志位和夫委員長は次のように発言していた。
〈第一は、市民と野党の共闘の力で、自民党・公明党とその最悪の補完勢力=維新の会を少数に追い込み、政権交代を実現し、新しい政権──野党連合政権をつくることです〉
〈第二は、「比例を軸に」をつらぬき、比例代表選挙で「850万票、15%以上」の得票を獲得し、全国11の比例ブロックのすべてで議席獲得、議席増を実現するとともに、小選挙区でも議席大幅増を果たし、日本共産党の躍進を実現することです〉
2つの大目標を掲げていたのだ。言うのは勝手だとはいえ、よくぞここまでの大口を叩いたものだ。結果はどうだったか。自民党は議席を若干減らしたが戦前の予想からすれば大善戦だった。公明党も議席数を伸ばした。維新の会に至っては4倍近く議席を増やした。共産党なら狂喜乱舞するほどの大躍進だった。国民民主党も、れいわ新選組も増やした。減らしたのは立憲民主党と共産党だけだった。
この結果について、11月1日に発表された日本共産党中央委員会常任幹部会の声明は、「比例代表選挙で、前回獲得した11議席から9議席に後退したことは、大変残念な結果です。得票数は、440万票から416万票へ、得票率は7.90%から7.25%への後退となりました」と述べている。
比例で850万票獲得すると豪語していたが、結果はその半分にも満たない416万票だった。「大変残念な結果」などと言っている場合ではないはずだ。共産党の志位委員長は、みずからの責任を問われたことに対して、「責任はないと考える」と言下に否定した。その理由として、「わが党は、政治責任を取らなければならないのは間違った政治方針を取った場合だ。今度の選挙では、党の対応でも、共闘でも政策でも、方針そのものは正確だったと確信を持っている」ともっともらしく説明した。
では方針は正確だったのに、なぜ負けたのか。そもそも共産党のトップが選挙で負けて責任をとったことは一度もない。宮本顕治氏の場合も、不破哲三氏の場合もそうだった。この数十年、共産党の政治方針は一度も間違ってなかったと強弁するつもりだろうか。そうなのに、いまだに衆議院で1桁の議席しか取れないのだとすれば、共産党の方針が根本から誤っているということではないのか。
方針そのものが間違っている共産党
共産党は、いまだに気が付いていないようだが、大方針そのものが間違っていたのだ。11月13日付朝日新聞の天声人語欄に、次のような指摘がなされている。「衆院選でおきゅうをすえられたのは、与党ではなく、共闘した野党だったかもしれない。選挙後に実施された本紙の世論調査を見て、そんなふうに思った」と述べたうえで、「来年の参院選で野党による候補者の一本化を進めるべきだと思うか」という問いに対して、「進めるべきだ」が27%であるのに対して、「そうは思わない」が51%に達していたことを紹介している。
続けて同欄は、「先の衆院選を特徴づけた野党共闘への視線が、ここまで冷ややかとは。自民党が過半数を大きく超えた理由も『野党に期待できないから』が65%にのぼった」と指摘している。
そもそも衆議院に11議席しか持たない共産党が、「政権交代を実現し、新しい政権――野党連合政権を」などと言って、誰が本当にするのか。みずからの力をわきまえよと言いたい。しかも、選挙中の志位氏をはじめとする共産党の幹部の演説は、あきれるほど上から目線で政権交代を説いていた。私はテレビで見る度に、「何を勘違いしているのか」という違和感しかなかった。
志位氏は、今回の野党共闘について、公示日の第一声で「『政権協力』という点では、日本共産党と立憲民主党が党首会談を行いまして、新しい政権ができた場合には、日本共産党は『限定的な閣外からの協力』を行うということで合意しました」と語っていた。また200を超える小選挙区で野党候補を一本化したことを大いに自慢した。もちろん共産党にとってこれは初めてのことだった。
一応、社会主義を目指していた日本社会党が存在した時代にも、知事選などでの共闘はあったが国政選挙などでの共闘はまったくなかった。その可能性も当時は皆無だった。共産党は、ほとんどの時代、よく言えば独自路線、言い方を変えればどの党からも相手にされず、孤立した戦いを余儀なくされてきた。これでは政治に影響力を持たないことは自明だった。共産党が、その存在意義を示すためにも、何が何でも野党共闘をしたかったのだ。
勘違いした立憲民主党
立憲民主党が共産党との共闘に前のめりになったのには、理由がある。これまでの選挙での共闘が力を発揮してきたからだ。
1回目の協力は2019年7月の参院選である。この選挙で共産党は多くの1人区で候補者を降ろし、立憲民主党に協力した。そのこともあって立憲民主党は、改選9議席を17議席に躍進させた。
次が今年(2021年)の東京都議選である。ここでも立憲民主党と共産党は選挙協力を行った。そのこともあって立憲民主党は8議席から15議席に議席数を増やした。安住淳国会対策委員長(当時)が、共産党との協力は「リアルパワー」だと語った。この発言は、暗に連合との協力を優先した国民民主党を揶揄するものだった。事実、国民民主党は、4人立候補させたが1議席も獲得できなかった。
この2回の経験を通じて、共産党との共闘は力になると思ったに違いない。今回の選挙でも小選挙区では、この共闘が力を発揮したことは疑いない。
だが前の2回とは決定的に違っていたことがある。参院選も、都議選も、政権交代が問われたわけではない。また明確な共同政策もなかった。共産党が候補者を降ろすことによって、事実上支援するというものだった。つまり野党共闘の候補というわけではなかったのだ。これぐらいがちょうど良かったのだ。
ところが今回は、「市民連合」なるものが介在し、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の間で、「衆議院総選挙における野党共通政策の提言」に合意してしまった。枝野幸男代表と志位委員長との間で、政権獲得時には、共産党は閣外協力をすることまで合意してしまった。
朝日新聞の世論調査でも明らかなように、誰も野党の政権など望んでいない。それをまるで政権交代が今回の選挙の焦点であるかのようにしてしまったことが、大きな敗因の理由だ。
野党共闘はしばらく遠のく
市民連合というのもよく分からない。ホームページを開いてみると、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合、通称『市民連合』は、安保法制の廃止と立憲主義の回復、そして個人の尊厳を擁護する政治の実現を目指す、市民のプラットフォームです」とある。この市民連合を率いてきた山口二郎法大教授は、今回の選挙結果を踏まえて、「野党をつなぐ市民連合の役割にも限界があった」「結局、政党の特殊事情を隠蔽する覆いという役割を持ってしまった」「政策合意に基づく共闘の実現は熱心な野党支持者を大いに活性化した。特に共産党支持者は熱心に動いてくれた」「しかし、政党間をつなぐことにエネルギーを費やし、政党や運動の外側にいる人々に野党協力の大義や理念が十分理解されなかったことは現実」と総括しているようだ。
もともと市民連合などと言っても、狭い範囲のものでしかない。こんな組織なのか運動体なのか意味不明なものに頼った野党共闘が不発に終わるのは必然なのである。
立憲民主党の打撃は大きい。比例での敗北の大要因の1つが共産党との共闘にあったことは明らかだ。共産党は相変わらずの共闘一本槍だが、この路線の破綻も明白である。党名や革命路線など、同党の路線の根本的な見直しが必要になっている。
志位氏は書記局長、委員長に30年以上就いている。異常としか言いようがない。日本共産党のこの現状は、民主主義社会の政党のありようではない。この異常さを共産党と党員は自覚するべきである。
選挙前は自信満々だった両党
衆院選挙前、立憲民主党も共産党も意気軒昂だった。議席を減らすことなど微塵も考えていなかったはずだ。
共産党は選挙前の9月に総選挙での勝利に向けて第3回中央委員会総会を招集し、そこで志位和夫委員長は次のように発言していた。
〈第一は、市民と野党の共闘の力で、自民党・公明党とその最悪の補完勢力=維新の会を少数に追い込み、政権交代を実現し、新しい政権──野党連合政権をつくることです〉
〈第二は、「比例を軸に」をつらぬき、比例代表選挙で「850万票、15%以上」の得票を獲得し、全国11の比例ブロックのすべてで議席獲得、議席増を実現するとともに、小選挙区でも議席大幅増を果たし、日本共産党の躍進を実現することです〉
2つの大目標を掲げていたのだ。言うのは勝手だとはいえ、よくぞここまでの大口を叩いたものだ。結果はどうだったか。自民党は議席を若干減らしたが戦前の予想からすれば大善戦だった。公明党も議席数を伸ばした。維新の会に至っては4倍近く議席を増やした。共産党なら狂喜乱舞するほどの大躍進だった。国民民主党も、れいわ新選組も増やした。減らしたのは立憲民主党と共産党だけだった。
この結果について、11月1日に発表された日本共産党中央委員会常任幹部会の声明は、「比例代表選挙で、前回獲得した11議席から9議席に後退したことは、大変残念な結果です。得票数は、440万票から416万票へ、得票率は7.90%から7.25%への後退となりました」と述べている。
比例で850万票獲得すると豪語していたが、結果はその半分にも満たない416万票だった。「大変残念な結果」などと言っている場合ではないはずだ。共産党の志位委員長は、みずからの責任を問われたことに対して、「責任はないと考える」と言下に否定した。その理由として、「わが党は、政治責任を取らなければならないのは間違った政治方針を取った場合だ。今度の選挙では、党の対応でも、共闘でも政策でも、方針そのものは正確だったと確信を持っている」ともっともらしく説明した。
では方針は正確だったのに、なぜ負けたのか。そもそも共産党のトップが選挙で負けて責任をとったことは一度もない。宮本顕治氏の場合も、不破哲三氏の場合もそうだった。この数十年、共産党の政治方針は一度も間違ってなかったと強弁するつもりだろうか。そうなのに、いまだに衆議院で1桁の議席しか取れないのだとすれば、共産党の方針が根本から誤っているということではないのか。
方針そのものが間違っている共産党
共産党は、いまだに気が付いていないようだが、大方針そのものが間違っていたのだ。11月13日付朝日新聞の天声人語欄に、次のような指摘がなされている。「衆院選でおきゅうをすえられたのは、与党ではなく、共闘した野党だったかもしれない。選挙後に実施された本紙の世論調査を見て、そんなふうに思った」と述べたうえで、「来年の参院選で野党による候補者の一本化を進めるべきだと思うか」という問いに対して、「進めるべきだ」が27%であるのに対して、「そうは思わない」が51%に達していたことを紹介している。
続けて同欄は、「先の衆院選を特徴づけた野党共闘への視線が、ここまで冷ややかとは。自民党が過半数を大きく超えた理由も『野党に期待できないから』が65%にのぼった」と指摘している。
そもそも衆議院に11議席しか持たない共産党が、「政権交代を実現し、新しい政権――野党連合政権を」などと言って、誰が本当にするのか。みずからの力をわきまえよと言いたい。しかも、選挙中の志位氏をはじめとする共産党の幹部の演説は、あきれるほど上から目線で政権交代を説いていた。私はテレビで見る度に、「何を勘違いしているのか」という違和感しかなかった。
志位氏は、今回の野党共闘について、公示日の第一声で「『政権協力』という点では、日本共産党と立憲民主党が党首会談を行いまして、新しい政権ができた場合には、日本共産党は『限定的な閣外からの協力』を行うということで合意しました」と語っていた。また200を超える小選挙区で野党候補を一本化したことを大いに自慢した。もちろん共産党にとってこれは初めてのことだった。
一応、社会主義を目指していた日本社会党が存在した時代にも、知事選などでの共闘はあったが国政選挙などでの共闘はまったくなかった。その可能性も当時は皆無だった。共産党は、ほとんどの時代、よく言えば独自路線、言い方を変えればどの党からも相手にされず、孤立した戦いを余儀なくされてきた。これでは政治に影響力を持たないことは自明だった。共産党が、その存在意義を示すためにも、何が何でも野党共闘をしたかったのだ。
勘違いした立憲民主党
立憲民主党が共産党との共闘に前のめりになったのには、理由がある。これまでの選挙での共闘が力を発揮してきたからだ。
1回目の協力は2019年7月の参院選である。この選挙で共産党は多くの1人区で候補者を降ろし、立憲民主党に協力した。そのこともあって立憲民主党は、改選9議席を17議席に躍進させた。
次が今年(2021年)の東京都議選である。ここでも立憲民主党と共産党は選挙協力を行った。そのこともあって立憲民主党は8議席から15議席に議席数を増やした。安住淳国会対策委員長(当時)が、共産党との協力は「リアルパワー」だと語った。この発言は、暗に連合との協力を優先した国民民主党を揶揄するものだった。事実、国民民主党は、4人立候補させたが1議席も獲得できなかった。
この2回の経験を通じて、共産党との共闘は力になると思ったに違いない。今回の選挙でも小選挙区では、この共闘が力を発揮したことは疑いない。
だが前の2回とは決定的に違っていたことがある。参院選も、都議選も、政権交代が問われたわけではない。また明確な共同政策もなかった。共産党が候補者を降ろすことによって、事実上支援するというものだった。つまり野党共闘の候補というわけではなかったのだ。これぐらいがちょうど良かったのだ。
ところが今回は、「市民連合」なるものが介在し、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の間で、「衆議院総選挙における野党共通政策の提言」に合意してしまった。枝野幸男代表と志位委員長との間で、政権獲得時には、共産党は閣外協力をすることまで合意してしまった。
朝日新聞の世論調査でも明らかなように、誰も野党の政権など望んでいない。それをまるで政権交代が今回の選挙の焦点であるかのようにしてしまったことが、大きな敗因の理由だ。
野党共闘はしばらく遠のく
市民連合というのもよく分からない。ホームページを開いてみると、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合、通称『市民連合』は、安保法制の廃止と立憲主義の回復、そして個人の尊厳を擁護する政治の実現を目指す、市民のプラットフォームです」とある。この市民連合を率いてきた山口二郎法大教授は、今回の選挙結果を踏まえて、「野党をつなぐ市民連合の役割にも限界があった」「結局、政党の特殊事情を隠蔽する覆いという役割を持ってしまった」「政策合意に基づく共闘の実現は熱心な野党支持者を大いに活性化した。特に共産党支持者は熱心に動いてくれた」「しかし、政党間をつなぐことにエネルギーを費やし、政党や運動の外側にいる人々に野党協力の大義や理念が十分理解されなかったことは現実」と総括しているようだ。
もともと市民連合などと言っても、狭い範囲のものでしかない。こんな組織なのか運動体なのか意味不明なものに頼った野党共闘が不発に終わるのは必然なのである。
立憲民主党の打撃は大きい。比例での敗北の大要因の1つが共産党との共闘にあったことは明らかだ。共産党は相変わらずの共闘一本槍だが、この路線の破綻も明白である。党名や革命路線など、同党の路線の根本的な見直しが必要になっている。
志位氏は書記局長、委員長に30年以上就いている。異常としか言いようがない。日本共産党のこの現状は、民主主義社会の政党のありようではない。この異常さを共産党と党員は自覚するべきである。
衆院選挙前、立憲民主党も共産党も意気軒昂だった。議席を減らすことなど微塵も考えていなかったはずだと筆坂氏。
開票当日の各局の選挙特番報道でも、ド民党大敗の報道貴重でした。最後迄は見ていなかったので、翌朝の新聞を見て吃驚。
姦しかった、自民党の過半数割れや、与党の「安定多数」割れどころか、自民党が単独で「安定多数」を上回り、立憲民主や共産党は議席減の結果となっていました。
衆議院選挙速報2021 開票速報・選挙結果 -衆院選- NHK
衆院選 自民 単独で「安定多数」244議席を上回る | 2021衆院選 | NHKニュース
共産党は選挙前の9月に総選挙での勝利に向けて第3回中央委員会総会を招集し、そこで志位和夫委員長は、2つの大目標を掲げていたのだ。言うのは勝手だとはいえ、よくぞここまでの大口を叩いたものだと筆坂氏。
比例で850万票獲得すると豪語していたが、結果はその半分にも満たない416万票だった。「大変残念な結果」などと言っている場合ではないはずだ。共産党の志位委員長は、みずからの責任を問われたことに対して、「責任はないと考える」と言下に否定した。その理由として、「わが党は、政治責任を取らなければならないのは間違った政治方針を取った場合だ。今度の選挙では、党の対応でも、共闘でも政策でも、方針そのものは正確だったと確信を持っている」ともっともらしく説明したのだそうです。
そもそも共産党のトップが選挙で負けて責任をとったことは一度もない。宮本顕治氏の場合も、不破哲三氏の場合もそうだった。この数十年、共産党の政治方針は一度も間違ってなかったと強弁するつもりだろうか。そうなのに、いまだに衆議院で1桁の議席しか取れないのだとすれば、共産党の方針が根本から誤っているということではないのかと。
そもそも衆議院に11議席しか持たない共産党が、「政権交代を実現し、新しい政権――野党連合政権を」などと言って、誰が本当にするのか。みずからの力をわきまえよと言いたいと筆坂氏。
立憲民主党が共産党との共闘に前のめりになったのには、理由がある。これまでの選挙での共闘が力を発揮してきたからだ。
この2回の経験を通じて、共産党との共闘は力になると思ったに違いない。今回の選挙でも小選挙区では、この共闘が力を発揮したことは疑いないと。
だが前の2回とは決定的に違っていたことがある。参院選も、都議選も、政権交代が問われたわけではない。また明確な共同政策もなかった。共産党が候補者を降ろすことによって、事実上支援するというものだった。つまり野党共闘の候補というわけではなかったのだ。これぐらいがちょうど良かったのだと筆坂氏。
朝日新聞の世論調査でも明らかなように、誰も野党の政権など望んでいない。それをまるで政権交代が今回の選挙の焦点であるかのようにしてしまったことが、大きな敗因の理由だと。
立憲民主党の打撃は大きい。比例での敗北の大要因の1つが共産党との共闘にあったことは明らかだ。共産党は相変わらずの共闘一本槍だが、この路線の破綻も明白である。党名や革命路線など、同党の路線の根本的な見直しが必要になっている。
それでも立憲民主党は、今後も共産党との共闘を続けるのか。
枝野氏の辞任で、新代表選を実施することになった立憲民主党。なかなか正式な立候補表明をする人が顕れませんでしたが、ようやくお二人が立候補表明それました。
自民党総裁選の様に、政策議論がされるのか。
自民党は改革派の河野氏が議員票によって敗れ、あたりさわりのない岸田氏が選ばれました。内弁慶で美辞麗句をだらだら並べるだけで、中国、韓国にいいように振り回された外交実績からは、日本国には憂慮すべき首相の誕生となってしまいました。
民主党の代表には、与党批判の政局優先で政策に乏しい枝野氏の方針を継承する方が選ばれるのか。改革派が選ばれるのか。参院選を控え、注目されますね。
中道路線の泉健太氏・リベラル系の逢坂誠二氏を軸に展開か…立民代表選で2氏出馬表明 : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン
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