遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国国内で、劉氏の知名度がひろまりつつある

2010-12-13 00:06:13 | 中国 全般
 ノーベル平和賞授与式は、劉暁波氏が欠席、空席のまま実施されました。ナチス政権下のカール・フォン・オシエツキー氏以来ということで、お国の独裁振りと軍事力を用いたの覇権主義には共通なものを感じてしまいます。
 中国政府が圧殺しようとしている劉氏の平和賞受賞ですが、情報規制をかいくぐり、劉氏の論文や評論、発言が出回りつつあるのだそうです。

 
平和賞「弱者の声代弁」 劉氏に共感 中国内じわり (12/12 読売朝刊)

 【北京=関泰晴】中国国内で、ノーベル平和賞を受けた獄中の民主活動家、劉暁波氏(54)の論文や評論、発言が、当局の情報規制をかいくぐり、水面下で出回りつつある。若者や弱者層などから劉氏への共感も広がる。民主化、人権改善を訴える劉氏の声は、小さいながら、確実に中国社会に届いている。

論文・発言ネット流出

 10日にオスロで行われた平和賞授賞式後、中国のインターネット上では、劉氏らの授賞式出席を認めなかった
共産党への抗議の意思を込めたとみられる「空席のイス」の写真が転載されている。当局は削除に躍起だ。劉氏の著述は、中国では発禁処分となっており、ネットでは削除対象だ。だが、特殊なソフトを使えば、閲覧できるサイトもある。
 広東省の大学生は、10月の受賞発表後、当局の劉氏非難を読んで逆に興味を持ち、ネットで同氏の論文を探した。「
中国の変革を推進する希望は政府ではなく民間にある」との一文が、ボランティア活動で訪れた西部の農村を思い起こさせた。年闇50元(約650円)の教材費を払えない貧しい児童らに文具を配布しようとしたが、「預かった」役人に山分けされたという。
 この学生は「不公平の原因は権力の独占にあると思うようになった」と話す。
 「農村で満足な医療が受けられず、親類が病死した」と憤る北京の若者は、「独裁者が関心を寄せているのは権力であり、軽視しているのは人命だ」とする劉氏の一言に共感を寄せた。
 北京で住宅の強制立ち退きを迫られている男性は、劉氏の平和賞受賞について「我々のように不当な扱いを受けている弱者の声を代弁してくれる人が出てほしい」と語った。男性は劉氏らの民主化要求文書「08憲章」を読み、「自由や人権」を尊重する考え方に共感を覚えた。「当然の主張をしただけだ」と感じた。
 授賞式のあった10日には、当局への抗議デモを予定したが、阻止された。
 関係者によると、北京で9月に発生した反日デモでも、「劉暁波を返せ」と訴える参加者がおり、即座に連行されたという。
 中国メディアは11日、授賞式を非難する外務省報道官談話を掲載。同日配信の新華社論文は今年の平和賞を「失敗」と決めつけた。
 だが、多くの人々が、独裁下での急成長が生み出す矛盾や不正に疑問を抱き、劉氏の主張に共感を示している。劉氏の知名度はじわりと上がっている。

 中国政府の圧力が強いほど、それは政府が認識する脅威の深刻さを現しているということですね。
 一旦流出した情報が、ネズミ算式にネットで拡散するのは、最近の情報流出事件でも明らかになっている通りです。中国政府の強大な管理力をもってしても、じわりじわりと広まっているということです。
 当局の劉氏非難を知って興味を持った人々が勉強し、情報を拡散していくというのも、中国国内でいかに共感を呼ぶ内容であるかを表しているのですね。

 急速な経済成長による、貧富の格差、地域の格差は、成長が著しいほど大きくなり、汚職も増えているのですね。
 万博後の景気動向懸念、不動産バブル崩壊が懸念されていることは周知のことですが、いまだに物価上昇が止まらず、そのしわ寄せを貧困層で被ってしまい、政府は金利を上げるなど対応に苦慮していますね。
 為替政策への世界の国々からの批判にも、孤軍抵抗していますが、世界一の額を誇る輸出での競争力の低下を恐れるからですね。国内物価の上昇⇒賃金の上昇⇒世界の工場の要素の価格競争力の低下・進出外資の利益低減とともに、発展の原動力喪失を招きます。

 軍事力増強への投資を、国内需要喚起にまわし、共産主義の基礎理念である、格差のない平等な社会の構築こそが、共産党がなさねばならない政策であり、方向のはずです。
 自由・解放経済から、党の管理を強める国営企業中心の経済にする(習政権の指向とも耳にしますが)ことが平等化の施策のひとつですが、競争力のない昔の経済基盤に逆戻りすることになり、今の成長力を失うことになります。

 不動産バブルの崩壊と、格差社会の是正策は、人権の尊重と自由社会への変遷とともに中国の直面する、大きな基盤変革の課題であり、注目するところです。
 



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