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政府がアフリカ南西部ナミビアとの間で、レアアース(希土類)のサプライチェーン(供給網)強化のため、包括的な協力を進めることで合意する見通しとなった。
6日からアフリカ諸国を歴訪する西村康稔経済産業相が産経新聞のインタビューで明らかにしたのだそうです。
政府がアフリカ南西部ナミビアとの間で、身近な家電やハイテク製品など用途が幅広いレアアース(希土類)のサプライチェーン(供給網)強化のため、包括的な協力を進めることで合意する見通しとなったことが5日、分かった。6日からアフリカ諸国を歴訪する西村康稔経済産業相が産経新聞のインタビューで明らかにした。政府がレアアースの鉱床保有国と包括的な合意を結ぶのは初という。
中国はレアアース生産の6割、鉱石から金属を取り出す製錬の9割のシェアを握る。レアアースや重要鉱物の確保は経済安全保障上の重要な課題となっており、日本政府は調達先の多角化を急ぐ。ナミビアは未開発ながらレアアースの鉱床が確認されており、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が探鉱を行っている。
西村氏は8日にナミビアで担当閣僚と会談。採掘、製錬、流通、産業化を含めた包括的協力を盛り込んだ「ナミビア・レアアース産業マスタープラン」の策定で合意する方向で調整している。
レアアースに加えコバルトやリチウム、ニッケルといった重要鉱物の供給網強化も図る。脱炭素社会実現に向けた蓄電池などに欠かせないからだ。今回の訪問先のコンゴ民主共和国(旧ザイール)やザンビアとは、鉱山探査の協力などで一致する方向だ。
政府が重要鉱物の確保を急ぐ背景にも中国の存在がある。中国は投資を進め、他国の鉱山権益を「爆買い」したり、製錬でのシェアを高めたりしている。半導体素材の希少金属であるガリウムとゲルマニウムで行っている輸出規制が他の重要鉱物に拡大しかねないとして警戒感が強まっている。
西村氏は「過度な中国依存の引き下げに向け、粘り強く代替供給網を構築したい」と強調した。
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レアアース(希土類) 「ネオジム」など17種類の元素の総称。産出量が少なく、抽出が難しいレアメタル(希少金属)31鉱種の一種。ネオジムが次世代自動車の小型モーターに活用されているほか、他の素材もスマートフォンの製造、省エネ家電などで不可欠とされる。少量を加えるだけで素材の性能を高めるため「産業のビタミン」とも呼ばれる。
西村経産相インタビュー一問一答 - 産経ニュース 聞き手 沢田 大典
西村康稔経済産業相は6日からのアフリカ諸国歴訪を前に産経新聞のインタビューに応じた。主なやり取りは次の通り。
--歴訪の狙いは
「重要鉱物の確保だ。経済成長や経済安全保障の観点から、日本の平和と繁栄にとっての最重要課題のひとつだ」
--ターゲットは
「レアアース、コバルト、リチウム、ニッケルの4つだ。ナミビアはレアアースに大きな潜在力がある。コバルトは、コンゴ民主共和国が生産量世界1位、ナミビアも潜在力がある。各国を訪問し、10以上の署名締結、共同声明の発出、協力の合意を実現し、サプライチェーン(供給網)を構築したい。鉱山開発などに参加する日本企業には、約15億ドル(約2158億円)の予算支援も用意している」
--いずれも経済安保推進法上の重要鉱物で、中国への依存度が高い
「レアアースは生産の6割、製錬の9割を中国に依存している。スマートフォンなどに不可欠なコバルトやリチウムは製錬の6~7割、ニッケルは需要の過半を中国に依存している」
--半導体製造に必要なガリウム、ゲルマニウムについて中国が輸出を規制している
「供給源の多角化の重要性が高まっている。過度な中国依存の引き下げに向け、粘り強く代替供給網を構築することが急務だ」
--アフリカの重要性は
「今後、人口が最も増え、成長する。特に重要鉱物は豊富な埋蔵量がある。信頼できるパートナーとして仲間に入ってもらいたい。供給網の構築という面ではインド太平洋経済枠組み(IPEF)があるが、安倍晋三元首相が提唱したFOIP(自由で開かれたインド太平洋)の考え方を、アフリカ、中南米にも広げていきたい」
--経済安保上の取り組みは
「『上流』での資源開発を進める探鉱・鉱山開発、製錬事業の強化、代替技術の開発、緊急時の備蓄を大胆に進めるため先頭に立って具体的に施策を作り推進していく」
--自身が所属する自民党安倍派(清和政策研究会)の新体制は
「今すぐ新たな体制を作るよりも、少し進化させた形で、閣僚経験者を中心に進めていく雰囲気が出てきている」
中国はレアアース生産の 6割、鉱石から金属を取り出す製錬の 9割のシェアを握る。レアアースや重要鉱物の確保は経済安全保障上の重要な課題となっており、日本政府は調達先の多角化を急ぐ。ナミビアは未開発ながらレアアースの鉱床が確認されており、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が探鉱を行っているのだそうです。
西村氏は8日にナミビアで担当閣僚と会談。採掘、製錬、流通、産業化を含めた包括的協力を盛り込んだ「ナミビア・レアアース産業マスタープラン」の策定で合意する方向で調整していると。
レアアースに加えコバルトやリチウム、ニッケルといった重要鉱物の供給網強化も図る。今回の訪問先のコンゴ民主共和国(旧ザイール)やザンビアとは、鉱山探査の協力などで一致する方向なのだそうです。
政府が重要鉱物の確保を急ぐ背景にも中国の存在がある。
半導体素材の希少金属であるガリウムとゲルマニウムで行っている輸出規制が他の重要鉱物に拡大しかねないとして警戒感が強まっている。
西村氏は「過度な中国依存の引き下げに向け、粘り強く代替供給網を構築したい」と強調した。
西村経産相インタビュー一問一答
--歴訪の狙いは
「重要鉱物の確保だ。経済成長や経済安全保障の観点から、日本の平和と繁栄にとっての最重要課題のひとつだ」
--ターゲットは
レアアース、コバルト、リチウム、ニッケルの4つ。
ナミビアはレアアースに大きな潜在力がある。コバルトは、コンゴ民主共和国が生産量世界1位、ナミビアも潜在力がある。各国を訪問し、10以上の署名締結、共同声明の発出、協力の合意を実現し、サプライチェーン(供給網)を構築したい。
--半導体製造に必要なガリウム、ゲルマニウムについて中国が輸出を規制
過度な中国依存の引き下げに向け、粘り強く代替供給網を構築することが急務。
--アフリカの重要性
今後、人口が最も増え、成長する。特に重要鉱物は豊富な埋蔵量がある。信頼できるパートナーとして仲間に入ってもらいたい。
安倍晋三元首相が提唱したFOIP(自由で開かれたインド太平洋)の考え方を、アフリカ、中南米にも広げていきたい。
天然ガスについては、対露経済制裁網の一環で、英・シェル、米・エクソンモービルは、サハリン1, 2から撤退しました。
ロシアは新会社での継続を進めますが、日本はしがみついていることは諸兄がご承知の通り。
欧州では、アフリカからの供給にシフトしようとしていますね。
アフリカ諸国、経済発展に天然ガス積極活用が必要=業界関係者 | Reuters
日本からは、はるか遠いアフリカの地では輸送コストの難点はありますが、自由主義国の団結の対露制裁。日本だけが制裁網破りという訳にはいかない!
天然ガスの脱ロシア依存での、輸入先の多様化の一環で、アフリカも選択肢に入れるべきと考えますが、いかがでしょう。
新型コロナ感染対策では、専門家会議と政府の間で、担当大臣としての決断力に欠け、責任転嫁で保身に走っていた西村氏。
安倍派の後継者候補のひとりとされていますが、あの時の責任感や決断力のなさでは、とても総理・総裁はおろか、安倍派の領袖などとんでもない!
ですが、アフリカ諸国との、中国やロシアの進出に割って入る実績を挙げれば、そのコウモリ姿勢も見直されるかもしれませんね。
頑張っていただきたい。
# 冒頭の画像は、西村経産相
この花の名前は、白花桔梗