遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

習近平新政権とは、どのような政権なのか

2012-11-22 23:53:54 | 中国 全般
 習近平新政権が18期 1中総でスタートし、実質新しいスタートを切るのは来年3月の全人代を経てとなりますが、激しい政争を経て逆転誕生したこの政権は、どのような政治姿勢なのか。世界にも、日本にも大きな影響があるその政策が注目されます。
 こじれた日中関係が、政権が交代することで好転することを期待するといったコメントをする報道や解説者が少なくありません。プロのはずのこれらの報道機関や解説者は、どのような根拠でそういった情報を発信するのか解りません。
 内包する課題が山積する中国を、既得権維持派の江沢民・上海閥と高級幹部子女の太子党で乗り切れるのか。通常10年(2期)の任期をまっとう出来るのかと言った声が高まってきていますが、不安定な新政権スタートが与える、世界や日本への影響を危惧する声に、注目しますし、その対応の準備が不可欠です。
 日本の次期政権には、この日中間のかつてない危機を乗り越えられる政権を選出する必要がありますね。
 

習近平政権の絶望と危険 (11/22 産経 【石平のChina Watch】)

 今月15日に選出された中国共産党政治局常務委員の顔ぶれを見ていると、何だか習近平政権の暗い未来に同情したくなる
思いである。7人の常務委員の大半は、大した実績も国民的人望もなく、未来へのビジョンも開拓の精神もいっさい持たない守旧型の党官僚ばかりだからだ。
 昔、米メディアが日本の総理大臣のことを「冷めたピザ」と揶揄(やゆ)したことがあるが、それにならって、多少の失礼(?)は承知の上で
中国の政治局常務委員の面々を「冷めた餃子(ぎょうざ)」と評したい。この最高指導部の布陣では、中国国民に「希望」を与えるようなことはまず無理
であろう。

 さらにたちの悪いことに7人の政治局常務委員の中の5人までは、江沢民(前国家主席)派か江沢民派に近い人間である。表向きは「習近平政権」となっているが、内実はむしろ、
老害の江沢民一派が牛耳る「江沢民傀儡(かいらい)政権」
であるといえよう。
 これでは、がんじがらめとなっている習近平氏や李克強氏などの新世代指導者が思い切った仕事をできるはずもない。習近平政権はその誕生した時点から、すでに「死に体」の様相を呈しているのである。

 江沢民一派が全力を挙げて権力闘争を勝ち抜き、新しい最高指導部の掌握に躍起になったのには、それなりの理由がある。
 本欄で指摘してきた通りに今年の春頃から、共産党党内では胡錦濤国家主席が率いる共青団派の若手ホープの汪洋・広東省党書記が先頭に立ち「政治改革」を盛んに唱え、改革推進の機運が高まってきている。
 汪氏たちの目指す政治改革は政治権力が市場経済に介入して作り上げた
腐敗の利権構造にメスを入れ、それを打破することによって国民の政権に対する不満を解消
することである。
 だが、これまで二十数年間、全国で
腐敗の利権構造を作り上げ、甘い汁を吸ってきたのはまさに江沢民一派とその関係者
だから、彼らは汪氏たちがやろうとする政治改革を許せない。
 その結果、今夏の段階で一度は固まった、改革派の汪氏と改革派に近い中央組織部長だった李源潮氏の政治局常務委員会入り人事が江氏ら長老たちによって潰され、「政治改革」への流れは見事に封じ込められたのである。
 すべては江沢民一派の思惑通りの展開となっているが、残された大問題はむしろ、政治改革を断行することによって難局打開の突破口を作る機会を失った
習政権がこれから、一体どうやって民衆の不満を解消して政権の維持を図っていくのか
、である。

 15日の党総書記就任の直後に行われた「就任演説」で習氏自身は、これといった政策ビジョンを示すことができなかったが、その代わりに、彼は頻繁に「民族」という言葉を持ち出して「民族の偉大なる復興」を熱心に唱えた。
 つまり
習氏は、「江沢民傀儡政権」のトップよろしく、10年前の江沢民時代の政治路線を継承し、ナショナリズムを高らかに掲げてそれを政権維持の柱
にしようと考えているのだ。
 今後、「冷めた餃子」の習政権の下で貧富の格差の拡大などの問題がよりいっそう深刻化し国内の混乱がさらに拡大してくると、
対外的危機を作り出し国民の不満を外に向けさせるのが彼らに残された「最善」の選択肢
となろう。
 その時に、尖閣と日本は彼らにとっての格好の標的となりかねない。したがって日本としては、
今後5年内における習政権の動きを注意深く観察しながら「その暴走」を大いに警戒すべきであろう。


 中央政治局員(含常務委員)は、定年制があり、党大会時に70歳とも68歳とも言われる年齢に達すると退職引退する決まりです。政権 1期目が終わる5年後に常務委員で70歳未満なのは、習近平(今年59)、李克強(今年57)、王岐山(今年64)の7人中の3人だけです。今回、逆転落選した共青団では汪洋(今年58)、李源潮(今年62)の二人は5年後には健在ですし、中央政治局員には共青団の若手が多く登用されています。
 つまり、習近平新政権の核の常務委員会は、5年後に一新され団派が復権する可能性があるのですね。

 人民に対する誠心誠意の奉仕を訴え、党員幹部の汚職・腐敗、大衆からの遊離、形式主義、官僚主義を訴える習近平新政権ですが、基盤が不安定なゆえに、江沢民政治かそれ以上の反日でのガス抜き政策が確立の高いレベルで想定されます。
 新中央政治局常務委員が記者会見 習近平総書記あいさつ

 共青団派の復権での中国政治の安定化と、日中関係の改善があるのか、習近平政権の脆弱さと軍の力の強まりでの混乱が度を増すのか。警戒が必要ですし、チャイナプラスワンや脱中国が必要です。

 日本車が不人気で売上がフォルクスワーゲンなど他国にシェアを奪われ、工場の従業員や部品メーカーも日系メーカー離れが進んでいます。数年ごとに発生する反日デモで襲撃されるのですから、そんな車危なくて乘ってられませんから、買う人がいるのが不思議なくらいです。それでも日本のメーカーの経営者には、そのうち回復するからとディーラー網の維持に尽力しているところがある。
 チャイナリスクは、長期化し繰り返すのですから、そんな投資と労力を他のアジアの国々へ転換したほうが、会社の経営に資すると考えるのは、中国ビジネスを垣間見た経験しかない遊爺が素人だからなのでしょうか。



 # 冒頭の画像は、広州モーターショーの富士重工
  富士重株の快走止まらず、中国展開の出遅れが幸い-日米販売が好調 - Bloomberg






  むくどりの朝のお散歩


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