遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

統一地方選判定勝ちの朴槿恵 今後の政権運営はどうなる?

2014-06-09 23:58:58 | 韓国全般
 韓国統一地方選挙は事故の責任追及で惨敗が予想され、朴槿恵のレームダック化が予測されていました。首都ソウルでは予測通りに与党が市長、区長、教育監選挙で敗れましたが、全体では逆風のなか善戦というか、むしろ勝利とさえ評価できる結果となりました。
 報道で観る国民の方々の様子からは、考えられない結果で一寸驚きました。
 報道が大げさだったのか、朴槿恵勝利の秘策が奏功したのか知りたかったのですが、ようやく解説記事が出てくるようになりましたね。
 「韓国民族の表現の激しさ」「朴槿恵の涙」「与党の逆風を逆手に取ったキャンペーン」が、鍵の様です。

 
「朴槿恵大統領を守れ」に結集した保守層 韓国統一地方選、与党が予想外に善戦した理由は?:JBpress(日本ビジネスプレス)
 【試練・朴槿恵政権(上)】惨敗予想に「助けてください」 “独断の女王”引き分けで変わるのか - MSN産経ニュース
 【試練・朴槿恵政権(中)】歴史認識批判 反日源流、拭えぬ「父の呪縛」- MSN産経ニュース
 
【から(韓)くに便り】ソウル駐在客員論説委員・黒田勝弘 (6/8 産経)

■与党を救った「姫」の涙
 韓国人の感情表出は激しい。旅客船沈没事故での遺族たちの嘆きや怒りを見てもそれが分かる。東日本大震災のとき、現地取材した韓国の記者は冷静な日本人を「尊敬するが…」としながらも「もっと叫びなさい!」と書いていた。韓国人には日本人のガマンがもどかしく感じられたのだ。文化人類学的な日韓の違いである。
 夫婦げんかでも韓国の妻は激しいと知り合いの日本人の夫がいっていた。「あんなに大声でまくしたてられると気がめいる。黙って涙でも見せられるとこちらは降参なんだけどねえ。女の涙には男は弱いじゃないですか」と。
 
先の統一地方選挙は事故の責任追及で惨敗が予想された与党が意外(?)に善戦し、危機の朴槿恵(パク・クネ)政権は政治的にもち直した。与党はソウル市長の奪還には成功しなかったが、全体的には判定勝ち
といってもいいだろう。

 
この与党および朴政権を救ったのが実は朴大統領の「異例の涙」だった。

 ソフトな笑顔の半面、気丈で意地っ張りの朴大統領は、海難事故の現場に出掛け泣き叫ぶ犠牲者遺族に詰め寄られても、死亡した生徒たちの追悼式に参列しても決して涙を見せなかった。
 それが5月19日、テレビを通じた談話発表の際、涙を流したのだ。安全対策や危機管理での政府のミスを謝罪し、今後の対応策を約束したものだったが、生徒を助け自ら犠牲になった人たちの名前を挙げその犠牲精神をたたえたところで感きわまった。
 これに対し一部では「氷姫の涙」などと批判、冷やかしもあったが国民の多くは間違いなく感動し共感した。テレビを見ながら目をウルウルさせた視聴者も多かった。
 事故の責任追及で政権批判が押し寄せるなか、
地方選の趨勢(すうせい)は「朴政権に審判を!」で与党惨敗は必至の情勢だった。それが彼女の涙をきっかけに「それでも大統領はよくやっている」と世論の風向きが微妙に変化しはじめた。「女の涙」の威力である。
 事故の直後、支持率は40%台に落ちたが今は50%台に回復している。あれだけ世論にたたかれれば普通の大統領ならもっと暴落していただろう。李明博前大統領など、就任直後の米国産輸入肉にかかわる「虚偽の狂牛病」騒ぎで20%にまで落ちている。

 
支持率が落ちないのは彼女にはカリスマ性があるからだ。

 韓国中興の祖・朴正煕(チョンヒ)の娘で、しかも父母を暗殺やテロで亡くした悲劇の人生を歩み、政治家になってからは暴漢に顔をカッターで切られる苦難も経験している。
「姫」と皮肉られる育ちの良さと「けなげさ」のイメージで、世論は彼女を守ろうとするのだ。
 だからこれまで「選挙の女王」といわれ、与党危機には必ず彼女が先頭に立ち危機を乗り切ってきた。今回も彼女の涙が与党を救った。

 さて懸案の日韓関係だが、日本は朴大統領の意地っ張りに手を焼いている。日米韓協力強化を切に望む米国もそうだろう。
「氷姫」の氷を溶かすにはどうすればいいか。そのためには彼女のカリスマ的な「強さ」を知ったうえで暖かい微風を送り込むしかない。冷たい強風では氷は溶けない。 (ソウル駐在客員論説委員)

 共通するのが、朴槿恵の生い立ちによる根強い人気。韓国版、キャロライン・ケネディ的なところというと、褒めすぎですがストーリーの骨子は似ています。
 逆風を逆手にとって、根強い人気に、朴槿恵を護ろうとアピールした戦術が成功し、朴槿恵の涙(身を犠牲にして救出した人々の名前を読み上げるタイミング)が、駄目押しになったのですね。

 今後どうなるのか?
 

【試練・朴槿恵政権(下)】国交50周年の行方 来年は友好よりも反日の年 - MSN産経ニュース

<前略>
 
日本政府サイドは国交50周年に向けた準備を進めているが、「日韓で共同委員会を作ってという段階にない」(外務省筋)。非公式な個々の接触で話題となることはあるが、公式な話し合いはないという。「韓国側としては言いづらい」(ソウルの外交筋)というのが実情のようだ。

 
外交レベル以上に深刻なのは両国世論の嫌韓、反日感情
だといえる。日本では“嫌韓本”が続々とベストセラーになり、「韓国には譲歩すべきでない」とのムードが続いている。一方の韓国では、来年は日本との友好(国交)よりも反日(光復)の年なのだ。
 同外交筋によれば、このままいけば、日韓別々に国交正常化50周年の行事を開催する事態も考えられるという。
 韓国では7月末、国会議員の補欠・再選挙が少なくとも12選挙区で予定されている。
朴政権はそれまでに、沈没事故で国民に約束した組織改革や内閣改造を断行せねばならず、統一地方選後も試練が続く。当面、対日外交に力を注ぐ余裕はない。

 朴槿恵は、当面続く苦境の中、対日外交の改善に着手する余裕はない。むしろ、反日が強まる可能性もあるとも考えられる。
 なので、「氷姫」には冷たい風を送るのではなく、暖かい微風を送るべきだというのが産経。
 しかし、その手はこれまでに何度も歴代韓国大統領に向けて行った、日本の援助や譲歩と同じなら、全てが失敗してきたことを想いださねばなりのません。援助や譲歩には、つけあがり、更に要求を高めて来るだけなのですから。
 
 上記リンクの、JBpress の、李昌訓ASEM研究院院長の話が最も説得力がある様に思えますが、いかがでしょう。
 

「朴槿恵大統領を守れ」に結集した保守層 韓国統一地方選、与党が予想外に善戦した理由は?:JBpress(日本ビジネスプレス)

<前略>
 
以下、韓国の政治情勢に詳しい李昌訓(イ・チャンフン)ASEM研究院院長の話を紹介する。

「セウォル号事故一色のなかで中間評価はまずまずの結果」
 「今回の選挙はひと言で言えば、セウォル号事故一色だった。たび重なる政府の対応のまずさに加えて、最後には首相指名でも躓いた。にもかかわらず、17の主要選挙で8勝したことは、与党の勝利に近い善戦だ。
 ソウルはもともと現職の野党・朴元淳氏が優勢だった。与党の鄭夢準氏は、財閥総帥の息子という限界を打ち破れなかった。現代重工業の株式など莫大な財産を社会に還元しろという声に明確に答えなかった。次期大統領を狙うなら、何らかの行動を起こすべきだった。
 与党は、ソウルの区長選挙でも大敗したが、京畿道知事選挙と仁川市長選挙で勝ったのは大きい。釜山市長選挙でも苦戦の予想を覆した。
 
メディアは、朴槿恵大統領の『涙の会見』が効果があったと分析しているようだが、そういう個人的な問題よりも、保守層の結集効果だと見るべきだ。野党はもっと勝てたはずだが、最後に勝ち切れなかった

 
全国の教育監選挙では野党あるいは進歩系が17選挙のうち13も勝った。
これも今回の選挙の特徴だが、保守系候補が一本化できなかった上、教育政策となると、イデオロギーで票が動くとも言えない。進歩系候補が主張した無料給食や平等教育などに票が集まった。より直接的な利害を見て投票する傾向が出たと言え、他の首長選挙とは少し意味が違う。

 過去を見ると、与党は、金大中(キム・デジュン)政権下では大統領就任直後の地方選で勝ったが、あとはすべて大敗した。4年前の李明博(イ・ミョンバク)政権下では、就任2年後の地方選で惨敗した。今回は、就任1年後にまずまずの結果だった。

 だが、朴槿恵政権に対する不満も依然として強い。野党関係者は投票わずか1~2週間前には、朴槿恵大統領は最速でレームダックになると見ていた。そうはならなかったが、
人事や政策実行などでこの先も難しい局面が続く。外交もそうだ。地方選挙は乗り切ったが、今の政権が安泰かどうかは不透明だ」

  今後も難関が控えていて、朴槿恵の難しい政権運営が続くとのことで、注目が必要とは、大方の見方ですね。
 遊爺の、ど素人の勘で、大胆予測すると、大難局を乗り切った朴槿恵。このまま、反日政策を継続して、支持率をそこそこ維持し、政局は沈静化すると観ました。
 ただ、そのことが、韓国経済や安全保障で、中国に込みこまれてしまう結果を招き、韓国民の方々にとって良い結果を招くかどうかは、各国民の方々の選択次第ですね。



 # 冒頭の画像は、涙を流しながら義人の名前を述べる朴槿恵




  この花の名前は、リンドウ   撮影場所;六甲高山植物園 (2013年10月 撮影)


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