中国軍のサイバー攻撃が話題に上る様になって久しいですが、一向に収まる様子はなく、増え続けているのだそうですね。
米国は、中国との対話の外交努力で、中国側の自重を促してきましたが、増え続ける被害に堪忍袋の緒が切れて、対話から、圧力へと方針転換したのだそうです。そしてこれは、東シナ海の尖閣への侵略活動や、南シナ海での侵略行為に対するリバランス公言と一連の対中戦略転換とも見られますね。
つまり、中国は中華思想の国(=自分が世界の中枢であり法律だと考えている)で、対話だけでは話が通じない国だと、オバマ政権がようやく理解してきたと言えそうです。
中国の戦術の基本形は、ジャブで反応を確かめ、反応が無いか大人しい場合は、少しエスカレートさせる。エスカレートさせても大丈夫なら、更にエスカレートさせる。相手が強い反応を示すとエスカレートは控える。強く逆襲する様なら、一歩後退して、ほとぼりを冷まして作戦を練り直して二歩前進するといったものです。
ひどいものは、何もないところに、小さな煙を立て、上述の方法で大きな炎に変えてしまいます。尖閣が中国領土などという今日の争いがその例です。
米国は、極東で生じていたこれらの中国の覇権拡大行為を、頭では知っていましたが直接実害がなく、中国もかつての強大な米国との地力の差の大きさもあり米国へは直接対抗しなかったこともあり、日中の軋轢を対話で解決するようにと理想論を唱えていました。
しかし、サイバー攻撃で直接米国内に攻撃を受け被害が大きくなり、外交努力の対話で解決を図ろうとしても、ああでもないこうでもないと対話が成立せず、それどころか自分のことは棚に上げ、責任をこちらに転嫁してくる始末。その間被害は拡大をつづける。この中国の戦術が、自国内で被害を生じたことで目が覚めた様です。
5人を起訴しましたが、身柄の拘束は出来ません。今後どう進展するのか、線香花火で終わるのか。対中戦略転換の口先喧伝が、本格的な基本戦略変更として実行に移されるのか、注目が必要です。
それにしても、5人を、それも人民解放軍のサイバー攻撃部隊「61398部隊」の将校を特定できる能力は流石です。
日本はどうなのでしょう。
この花の名前は、ナンバンキセル
↓よろしかったら、お願いします。
米国は、中国との対話の外交努力で、中国側の自重を促してきましたが、増え続ける被害に堪忍袋の緒が切れて、対話から、圧力へと方針転換したのだそうです。そしてこれは、東シナ海の尖閣への侵略活動や、南シナ海での侵略行為に対するリバランス公言と一連の対中戦略転換とも見られますね。
つまり、中国は中華思想の国(=自分が世界の中枢であり法律だと考えている)で、対話だけでは話が通じない国だと、オバマ政権がようやく理解してきたと言えそうです。
サイバー攻撃 米「対話で阻止」転換 中国軍5人起訴 被害深刻化で (5/21 読売朝刊)
【ワシントン=白川義和】米司法当局が19日、サイバー攻撃で米企業の機密を盗んだとして、中国人民解放軍所属の5人を起訴したと発表したのは、産業スパイを容認しない姿勢を明確にするためだ。オバマ政権は、東シナ海や南シナ海の領有権を巡る中国の挑発的言動に加え、中国によるサイバー攻撃と産業スパイの問題でも、態度を硬化させた形だ。中国との対話だけではサイバー攻撃の阻止は困難と判断し、圧力をかける戦略に転換したとみられる。
「盗まれた貿易機密やビジネス情報の範囲は非常に大きく、積極的な対応が求められている。米企業を違法に妨害するいかなる国家の行為も容認しない」
ホルダー米司法長官は、起訴を発表した19日の記者会見でこう強調した。連邦捜査局(FBI)と連携しての捜査は数年にわたり、原子力大手ウェスチングハウスや鉄鋼大手USスチールなど被害企業も協力したことが起訴につながった。
FBI幹部は会見で、外交努力でもサイバー攻撃を止められず、起訴に踏み切ったと明らかにした。「ほかにも被害者は数多くいると思う」と述べ、捜査を積極的に行う方針を示した。
オバマ政権はこれまで、サイバー攻撃を「米経済や安全保障への脅威」として中国側に対応を促す一方、中国政府への直接の批判は控えてきた。問題解決には、中国との対話や協力が必要だと考えていたからだ。
オバマ大統領と中国の習近平国家主席は昨年6月の首脳会談で、サイバー攻撃問題を話し合う作業部会の設置で合意し、同年7月に初会合が開かれた。
だが、中国側は、エドワード・スノーデン容疑者が暴露した米国家安全保障局(NSA)による外国情報収集を持ち出し、「中国も被害者」との立場を貫いている。今年3月の米中首脳会談でも進展がない中、米側の被害が深刻化した形だ。
今回の起訴は、対中圧力を強めるもので、オバマ氏が4月に訪日した際、対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条の適用範囲に沖縄県・尖閣諸島が含まれると明言したのに通じる。司法省幹部は19日の会見で「我々がサイバー攻撃への懸念を示すと、中国政府は法廷で有効な証拠を出せと反論してきた。今日、我々はそれを出した」と語った。
米中は7月上旬、北京で閣僚級の戦略・経済対話を開く予定だが、紛糾は避けられない。
中国「でっちあげだ」
【北京=牧野田亨】米司法省が、米企業の機密を盗んだとして、中国人民解放軍の5人を起訴したことに対し、中国側は猛反発している。中国国防省の耿雁生(コウガンセイ)報道官は20日、談話を発表し、「中国政府と軍はインターネットを通じて企業機密を盗むような活動はしていない。でっちあげだ」と激しく非難。米国こそが機密情報の取得や盗聴を行っていると指摘した。
中国外務省の洪磊(ホンレイ)副報道局長は20日の定例記者会見で、サイバー攻撃問題について米中が協議する作業部会が活動中止となる点に触れ、「米国が対話による問題解決に関心がないのは明らかで、中止するしかない」と語った。再開の前提として起訴の撤回を求めたとみられる。
中国サイバー部隊とは
軍総参謀部が作戦担う?
Q 中国軍のサイバー部隊とは。
A 情報収集を担う軍の総参謀部がサイバー作戦を担うとされるが、中国政府は全面否定しており、部隊の実態には不明な点が多い。軍機関紙「解放軍報」が2011年に報じた広州軍区のネット専門部隊による演習内容は、ウイルスをばらまいて敵部隊の情報網に入り込み、兵力配置などの軍事機密を盗み出すといったサイバー攻撃そのものの手口で注目を集めた。
Q 起訴された中国軍の5人の所属先とされる「61398部隊」はどんな組織か。
A やはり軍総参謀部所属とされ、上海・浦東新区にある12階建てビルが拠点と言われる。米国の情報セキュリティー会社「マンディアント」が昨年公表した報告内容によると、部隊要員は100人以上とみられ、06年以降、141の米企業などに攻撃を仕掛け、知的財産などを盗み出したという。主要な攻撃対象は英語圏だったとされる。 (広州 比嘉清太)
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・起訴状が指摘した米企業などのサイバー攻撃被害
種業 被害例
太陽光発電 製造経費、価格、財務情報を盗まれる
原子力発電 中国国有企業と原発建設を交渉中、配管の設計や技術を盗まれる
製鉄 中国製鉄会社の不当廉売を巡って係争中、社内ネットワーク情報を盗まれる
特殊金属製造 提携先の中国国有企業と係争中、社内ネットワーク情報を盗まれる
製造業労組 米議会に中国製品の輸入規制を求めるなか、幹部のメールが盗み読まれる
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【ワシントン=白川義和】米司法当局が19日、サイバー攻撃で米企業の機密を盗んだとして、中国人民解放軍所属の5人を起訴したと発表したのは、産業スパイを容認しない姿勢を明確にするためだ。オバマ政権は、東シナ海や南シナ海の領有権を巡る中国の挑発的言動に加え、中国によるサイバー攻撃と産業スパイの問題でも、態度を硬化させた形だ。中国との対話だけではサイバー攻撃の阻止は困難と判断し、圧力をかける戦略に転換したとみられる。
「盗まれた貿易機密やビジネス情報の範囲は非常に大きく、積極的な対応が求められている。米企業を違法に妨害するいかなる国家の行為も容認しない」
ホルダー米司法長官は、起訴を発表した19日の記者会見でこう強調した。連邦捜査局(FBI)と連携しての捜査は数年にわたり、原子力大手ウェスチングハウスや鉄鋼大手USスチールなど被害企業も協力したことが起訴につながった。
FBI幹部は会見で、外交努力でもサイバー攻撃を止められず、起訴に踏み切ったと明らかにした。「ほかにも被害者は数多くいると思う」と述べ、捜査を積極的に行う方針を示した。
オバマ政権はこれまで、サイバー攻撃を「米経済や安全保障への脅威」として中国側に対応を促す一方、中国政府への直接の批判は控えてきた。問題解決には、中国との対話や協力が必要だと考えていたからだ。
オバマ大統領と中国の習近平国家主席は昨年6月の首脳会談で、サイバー攻撃問題を話し合う作業部会の設置で合意し、同年7月に初会合が開かれた。
だが、中国側は、エドワード・スノーデン容疑者が暴露した米国家安全保障局(NSA)による外国情報収集を持ち出し、「中国も被害者」との立場を貫いている。今年3月の米中首脳会談でも進展がない中、米側の被害が深刻化した形だ。
今回の起訴は、対中圧力を強めるもので、オバマ氏が4月に訪日した際、対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条の適用範囲に沖縄県・尖閣諸島が含まれると明言したのに通じる。司法省幹部は19日の会見で「我々がサイバー攻撃への懸念を示すと、中国政府は法廷で有効な証拠を出せと反論してきた。今日、我々はそれを出した」と語った。
米中は7月上旬、北京で閣僚級の戦略・経済対話を開く予定だが、紛糾は避けられない。
中国「でっちあげだ」
【北京=牧野田亨】米司法省が、米企業の機密を盗んだとして、中国人民解放軍の5人を起訴したことに対し、中国側は猛反発している。中国国防省の耿雁生(コウガンセイ)報道官は20日、談話を発表し、「中国政府と軍はインターネットを通じて企業機密を盗むような活動はしていない。でっちあげだ」と激しく非難。米国こそが機密情報の取得や盗聴を行っていると指摘した。
中国外務省の洪磊(ホンレイ)副報道局長は20日の定例記者会見で、サイバー攻撃問題について米中が協議する作業部会が活動中止となる点に触れ、「米国が対話による問題解決に関心がないのは明らかで、中止するしかない」と語った。再開の前提として起訴の撤回を求めたとみられる。
中国サイバー部隊とは
軍総参謀部が作戦担う?
Q 中国軍のサイバー部隊とは。
A 情報収集を担う軍の総参謀部がサイバー作戦を担うとされるが、中国政府は全面否定しており、部隊の実態には不明な点が多い。軍機関紙「解放軍報」が2011年に報じた広州軍区のネット専門部隊による演習内容は、ウイルスをばらまいて敵部隊の情報網に入り込み、兵力配置などの軍事機密を盗み出すといったサイバー攻撃そのものの手口で注目を集めた。
Q 起訴された中国軍の5人の所属先とされる「61398部隊」はどんな組織か。
A やはり軍総参謀部所属とされ、上海・浦東新区にある12階建てビルが拠点と言われる。米国の情報セキュリティー会社「マンディアント」が昨年公表した報告内容によると、部隊要員は100人以上とみられ、06年以降、141の米企業などに攻撃を仕掛け、知的財産などを盗み出したという。主要な攻撃対象は英語圏だったとされる。 (広州 比嘉清太)
--------------------------------
・起訴状が指摘した米企業などのサイバー攻撃被害
種業 被害例
太陽光発電 製造経費、価格、財務情報を盗まれる
原子力発電 中国国有企業と原発建設を交渉中、配管の設計や技術を盗まれる
製鉄 中国製鉄会社の不当廉売を巡って係争中、社内ネットワーク情報を盗まれる
特殊金属製造 提携先の中国国有企業と係争中、社内ネットワーク情報を盗まれる
製造業労組 米議会に中国製品の輸入規制を求めるなか、幹部のメールが盗み読まれる
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中国の戦術の基本形は、ジャブで反応を確かめ、反応が無いか大人しい場合は、少しエスカレートさせる。エスカレートさせても大丈夫なら、更にエスカレートさせる。相手が強い反応を示すとエスカレートは控える。強く逆襲する様なら、一歩後退して、ほとぼりを冷まして作戦を練り直して二歩前進するといったものです。
ひどいものは、何もないところに、小さな煙を立て、上述の方法で大きな炎に変えてしまいます。尖閣が中国領土などという今日の争いがその例です。
米国は、極東で生じていたこれらの中国の覇権拡大行為を、頭では知っていましたが直接実害がなく、中国もかつての強大な米国との地力の差の大きさもあり米国へは直接対抗しなかったこともあり、日中の軋轢を対話で解決するようにと理想論を唱えていました。
しかし、サイバー攻撃で直接米国内に攻撃を受け被害が大きくなり、外交努力の対話で解決を図ろうとしても、ああでもないこうでもないと対話が成立せず、それどころか自分のことは棚に上げ、責任をこちらに転嫁してくる始末。その間被害は拡大をつづける。この中国の戦術が、自国内で被害を生じたことで目が覚めた様です。
5人を起訴しましたが、身柄の拘束は出来ません。今後どう進展するのか、線香花火で終わるのか。対中戦略転換の口先喧伝が、本格的な基本戦略変更として実行に移されるのか、注目が必要です。
それにしても、5人を、それも人民解放軍のサイバー攻撃部隊「61398部隊」の将校を特定できる能力は流石です。
日本はどうなのでしょう。
サイバースパイ、狙い定め機密情報盗む 日本企業も対策奔走 (5/21 産経 【水平垂直】)
一昔前の無差別に攻撃する愉快犯的なものから具体的な企業に狙いを定め機密情報の窃取といった明確な意図を持つものに変容しているサイバー攻撃。ウイルスを忍ばせるメールも相手を選び取引先を装うなど巧妙化しており、日本企業も対応に追われている。
「気づかれないように企業の抱える情報を盗み出そうとする『標的型攻撃』が最近の特徴だ」。ウイルス対策ソフト開発・販売会社「トレンドマイクロ」(東京)のシニアスペシャリスト、鰆目(さわらめ)順介氏(30)は説明する。
特定社員に狙いを定め周辺情報を調査。関係者らを装ってウイルスを仕込んだメールを送信、システムを感染させるなどして情報を奪う手口が横行している。
これに対し、日本の企業側は社員のセキュリティー意識の向上などに努める。日立製作所は、無作為に社員を選び、不審な送り先を装うなどしたメールを送信し、開いた社員に注意を喚起している。
IHIの担当者も「具体的対策は手の内を明かすことになり言えないが社員教育には力を入れている」と説明する。ただ入念な準備をした上での攻撃。鰆目氏は「完全に水際で押さえ込むことはできない」と話す。
最近では、ネットワーク内部の異常な操作や外部送信を監視するシステムの開発も進むが、導入は官公庁や大手企業の一部にとどまるという。鰆目氏は「水際も大事だが、監視強化や持ち出された際の機密情報の暗号化など、万全を期す必要がある」と訴えている。
一昔前の無差別に攻撃する愉快犯的なものから具体的な企業に狙いを定め機密情報の窃取といった明確な意図を持つものに変容しているサイバー攻撃。ウイルスを忍ばせるメールも相手を選び取引先を装うなど巧妙化しており、日本企業も対応に追われている。
「気づかれないように企業の抱える情報を盗み出そうとする『標的型攻撃』が最近の特徴だ」。ウイルス対策ソフト開発・販売会社「トレンドマイクロ」(東京)のシニアスペシャリスト、鰆目(さわらめ)順介氏(30)は説明する。
特定社員に狙いを定め周辺情報を調査。関係者らを装ってウイルスを仕込んだメールを送信、システムを感染させるなどして情報を奪う手口が横行している。
これに対し、日本の企業側は社員のセキュリティー意識の向上などに努める。日立製作所は、無作為に社員を選び、不審な送り先を装うなどしたメールを送信し、開いた社員に注意を喚起している。
IHIの担当者も「具体的対策は手の内を明かすことになり言えないが社員教育には力を入れている」と説明する。ただ入念な準備をした上での攻撃。鰆目氏は「完全に水際で押さえ込むことはできない」と話す。
最近では、ネットワーク内部の異常な操作や外部送信を監視するシステムの開発も進むが、導入は官公庁や大手企業の一部にとどまるという。鰆目氏は「水際も大事だが、監視強化や持ち出された際の機密情報の暗号化など、万全を期す必要がある」と訴えている。
リテラシィの向上。それでも洩れるものの防止にネットワークでの監視。それでも流出した場合の備えのデータの暗号化。この基本原則は、昔と変わらない様ですね。解ってはいるけどなかなか実行できない。と言うのが実情。でも、危険度の情勢は格段に増えている様です。保険料と考えての導入が必要な時代の到来ですね。
PC遠隔操作の片山被告の話題が盛り上がっていますが、さほどの技術でもない個人でこの騒ぎですから、相手が中国軍となると、日本の国家としてのより高度な犯人追跡能力構築が求められます。
習近平も、米国の攻勢への防御に汗をかいていますね。
「アジアの安全はアジアで」習主席、米排除を鮮明に CICA首脳会議 - MSN産経ニュース
# 冒頭の画像は、CICA会議の習近平とプーチン
この花の名前は、ナンバンキセル
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