中国でのオミクロン株蔓延が止まらず、都市封鎖の長期化が、連日TVのワイドショー番組を賑わせています。
習近平が固執するゼロコロナ政策への評価が問われますが、今年秋に迫った 5年に 1度開催の第20回共産党大会を控え、定年を無視する習近平と、遵守する李克強との対立が顕在化しはじめてきているようですね。
WSJの、Lingling Wei and Brian Spegele 両氏の寄稿記事(以下 WSJと呼称)が、スポットを当てています。
海外企業の投資も減り始めている様子。
感染再燃で都市封鎖等のゼロコロナ対策徹底が長期化している中国。
対策に不満を募らせている外国企業幹部を安心させようと、習近平と李克強の2人が、夫々別に対応したのだそうですが、秋の 5年に 1度開催される党大会を前に、その対応姿勢に違いが見え始めているようなのですね。
ビデオ演説で臨んだのは習近平。
それに対し、李克強は生出演。国・欧州・アジアの多国籍企業の幹部に対し、中国は経済再生とコロナ感染の再発抑制の間で「バランスを取ることに全力を注いでいる」と述べ、注目すべきは李氏が習氏の「ゼロコロナ」戦略を擁護しなかったと。
また、中国は高齢者を中心にワクチン接種を拡大すべきだとの外国企業幹部らの提言を受け、李氏は「ワクチンに関するあなた方のメッセージを受け止めた。接種範囲を拡大する」と述べた。さらに、「企業が操業を停止するような事態を引き起こしてはならない」と付け加えたのだそうです。
李氏の発言は習氏のコロナ対応にあからさまに異議を唱えるものではない。しかし、習氏のゼロコロナ政策をめぐり共産党幹部の間で緊張が高まっており、李氏の発言はそれを浮き彫りにした形となったとWSJ。
李氏は長い間脇に追いやられていたが、最近になって政治的影響力を取り戻しつつあると。
李氏の外国企業幹部へのメッセージは、自身の首相任期が終わりに近づいている時期に、経済運営により強い影響力を示そうとする中で出された。同氏はここ数カ月、中国を欧米流資本主義から遠ざけ経済減速の一因となった習氏の政策について、その一部を巻き戻す動きを促進している。同時に、自身の後継者選定にも影響力を行使しようとしているとWSJ。
ビデオ演説の習氏は、中国の厳しいコロナ対策によって悪化した国内経済の低迷についてはほとんど言及しなかったのだそうです。
習氏は世界でワクチン開発に関する協力を強化する必要性について述べてきたが、中国国民にワクチンを接種する重要性は公には強調していないとWSJ。
習氏は今年に入りロックダウンの代償を気にかけ始め、上海市全体を封鎖することなく感染に対応できるよう市当局に幾らかの裁量を与えようとしているように見えた。しかし、感染力の高いオミクロン株が全土に広がる中、習氏は5月初めの指導部会合でゼロコロナ政策を再確認することとなった。
ゼロコロナ政策は、パンデミックの初期に感染を抑え、経済を復活させるのに有効であることが示され、中国が西側諸国よりうまく新型コロナに対応できているという習氏の見解を下支えした。
しかし、オミクロン株感染拡大では、政権3期目を目指す習近平はゼロコロナの政策変更は出来難い。
外国企業幹部とのビデオ会議で、現在のゼロコロナ政策を変更する意向を示さなかった習近平。会議では経営者らが習氏に質問する機会は与えられなかったのだそうです。
一部の出席者は習氏の見解について、多くの西側諸国の経済がコロナ禍から比較的しっかりと回復した一方、中国経済が最大級の圧力に直面しているという事実とかけ離れているように思えたと指摘。
今年に入り上海市など中国各地でオミクロン株の感染が急激に増加して以降、国内の経済成長は大幅に鈍化している。国民の間に不満が広がっており、外国企業の一部が中国への投資を見直す動きも出ているとWSJ。
例えば米アップルは外部の請負業者に対し、中国以外での生産を拡大する意向を示し、その理由の一つとして中国政府のコロナ対応を挙げているのだそうです。
在中国の欧州連合(EU)商工会議所が5月初めに公表した調査報告によると、欧州企業の23%が事業を中国以外に移転することを検討中と回答。同商議所は中国当局に対し、コロナ対策をロックダウンからワクチン接種へと移行させるよう要請。
在中国の米商工会議所が今月公表した調査によると、米国企業の50%以上が、最近の感染拡大と繰り返されるロックダウンを受けて、対中投資を遅らせるか縮小させているのだそうです。
李氏は、自国のコロナ対策によって中国の孤立が深まっているという外国企業の代表らの話を聞いて、心配そうな表情を見せたという。会合参加者らに対し、中国がこうした問題提起に真剣に耳を傾けていることをそれぞれの国の政府に伝えるよう求めたとWSJ。
毛沢東の専制政治の弊害を改善する為に、集団指導体制と定年制を設け、今日の中国の経済大国への道を拓いた鄧小平。
その共青団派を継ぎ、民間企業の活力で経済成長目指してきた李克強。その定めとおりに定年退職し後進に道を託します。
一方、定年制を廃止し、トップの座にしかみつこうとしている習近平。概ね習近平の狙い通りに進んできている様にみえていましたが、大事な党大会を前にして、オミクロン株による感染拡大とゼロコロナでの長期都市封鎖。そして、経済低迷。外資の脱中国。大成長した民間企業弾圧。
さまよう巨像の中国は、ロシアのウクライナ侵攻を観て、どのような道を選ぶのでしょう。
台湾侵攻もさることながら、王毅外相は、オーストラリアや日米台湾とも親交のある、南太平洋の諸国歴訪での影響力強化を推進しています。
中国軍駐留や寄港等が強化されれば、台湾有事への抑えにもなりますし、米豪への牽制にもなります。
中国、太平洋諸国と関係強化 米に対抗、外相がソロモンなど歴訪(時事通信) - Yahoo!ニュース
日本も、諸国との定期連携会合は開催・支援していることは諸兄がご承知の通り。
24年目を迎えた日本と太平洋島嶼国との友好関係の証 第9回太平洋・島サミット(PALM9)|外務省
# 冒頭の画像は、北京のスクリーンに映し出された中国の習近平国家主席
この花の名前は、ミツバチグリ
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA
習近平が固執するゼロコロナ政策への評価が問われますが、今年秋に迫った 5年に 1度開催の第20回共産党大会を控え、定年を無視する習近平と、遵守する李克強との対立が顕在化しはじめてきているようですね。
WSJの、Lingling Wei and Brian Spegele 両氏の寄稿記事(以下 WSJと呼称)が、スポットを当てています。
海外企業の投資も減り始めている様子。
習主席と李首相、コロナ対策で異なる発信 - WSJ 2022 年 5 月 26 日 By Lingling Wei and Brian Spegele
【北京】中国の指導者2人が先週、同国の厳格な新型コロナウイルス対策に不満を募らせている外国企業幹部を安心させようとした際、指導部の見解が割れているように見えた。
習近平国家主席は5月18日、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)によって世界が直面する経済的課題についてビデオ演説をしたが、中国の厳しいコロナ対策によって悪化した国内経済の低迷についてはほとんど言及しなかった。その翌日、李克強首相は対面での会合で、ほぼ中国自体の問題に絞り、より率直で融和的なトーンで話した。
北京の釣魚台迎賓館で開かれた会合に出席した複数の関係者によると、李氏は中国で事業を行う米国・欧州・アジアの多国籍企業の幹部に対し、中国は経済再生とコロナ感染の再発抑制の間で「バランスを取ることに全力を注いでいる」と述べた。
一部の参加者によると、特に注目すべきは李氏が習氏の「ゼロコロナ」戦略を擁護しなかったことだ。これは、外国企業幹部が貿易や商業の担当者など中国高官と最近行った一連の会合とは一線を画すものだったという。
参加者によると、中国は高齢者を中心にワクチン接種を拡大すべきだとの外国企業幹部らの提言を受け、李氏は「ワクチンに関するあなた方のメッセージを受け止めた。接種範囲を拡大する」と述べた。さらに、「企業が操業を停止するような事態を引き起こしてはならない」と付け加えたという。
中国では習主席のゼロコロナ政策によって、ロックダウン(都市封鎖)や大規模な検査、隔離措置が実施されてきた。事業活動は大きな打撃を受け、国民へのワクチン接種も難しくなった。人数が多い高齢者向けは特にそうだ。ワクチン接種の遅れは、保健当局が公式に認めるコロナ予防策の弱点となっている。2500万人以上の人口を抱える経済の中心地である上海では、2カ月にわたるロックダウン期間中、大半のワクチン接種センターが閉鎖され、接種計画が停止された。
月中旬の時点で、80歳を超える中国人のうちコロナワクチンを2回接種していたのはわずか51%。これに対し、全国民の接種率は88%だった。
習氏は世界でワクチン開発に関する協力を強化する必要性について述べてきたが、中国国民にワクチンを接種する重要性は公には強調していない。
李氏の発言は習氏のコロナ対応にあからさまに異議を唱えるものではない。しかし、政府関係者や政策顧問によると、習氏のゼロコロナ政策をめぐり共産党幹部の間で緊張が高まっており、李氏の発言はそれを浮き彫りにした形となった。
5月19日の首相との会合の参加者の一人は「李氏は明らかに別の焦点を望んでいる」と述べた。
政権幹部へのメディアの問い合わせを扱う国務院新聞弁公室は、質問に回答しなかった。
李氏が中国のコロナ政策に有意な変化をもたらせるかどうかは分からない。李氏は長い間脇に追いやられていたが、最近になって政治的影響力を取り戻しつつある。
状況に詳しい人物らによると、習氏は今年に入りロックダウンの代償を気にかけ始め、上海市全体を封鎖することなく感染に対応できるよう市当局に幾らかの裁量を与えようとしているように見えた。しかし、感染力の高いオミクロン株が全土に広がる中、習氏は5月初めの指導部会合でゼロコロナ政策を再確認した。
上海市のロックダウンが始まってから1カ月近くたった頃、国家衛生健康委員会のトップは、共産党機関紙「学習時報」の1面に掲載された記事で、中国のコロナ対策を「個人的に指揮した」として習氏を称賛した。
ゼロコロナ政策は、パンデミックの初期に感染を抑え、経済を復活させるのに有効であることが示され、中国が西側諸国よりうまく新型コロナに対応できているという習氏の見解を下支えした。政府関係者や政策顧問は、習氏がこれまでの伝統を打ち破って政権3期目を目指す年に、政策変更は政治的に受け入れられないだろうと述べている。
米外交問題評議会(CFR)のグローバルヘルス担当シニアフェロー、ヤンゾン・ファン氏は、今年後半に予定される共産党大会が近づくにつれ、「コロナに対する今後の中国の方向性をめぐる競争は激しさを増してきた」と指摘する。党大会では次期指導部の構成が明らかになる見通し。
習氏は外国企業幹部とのビデオ会議で、現在のゼロコロナ政策を変更する意向を示さなかった。この会議では経営者らが習氏に質問する機会は与えられなかった。
中国外務省によると、習氏は同会議で、「衰えを見せないパンデミックは人々の生命と健康にとって深刻な脅威となっており、世界経済に大きな打撃を与えている」と述べた。一部の出席者は習氏の見解について、多くの西側諸国の経済がコロナ禍から比較的しっかりと回復した一方、中国経済が最大級の圧力に直面しているという事実とかけ離れているように思えたと指摘した。
今年に入り上海市など中国各地でオミクロン株の感染が急激に増加して以降、国内の経済成長は大幅に鈍化している。国民の間に不満が広がっており、外国企業の一部が中国への投資を見直す動きも出ている。
例えば米アップルは外部の請負業者に対し、中国以外での生産を拡大する意向を示し、その理由の一つとして中国政府のコロナ対応を挙げた。協議に関わった関係者が明らかにした。
在中国の西側企業を代表する各種産業団体は、中国政府に対してコロナ対策を変更するよう要求を強めている。長期間の移動制限などの規制が収益を損ね、投資を阻害し、外国人幹部の国外流出を引き起こしていると訴える。
在中国の欧州連合(EU)商工会議所が5月初めに公表した調査報告によると、欧州企業の23%が事業を中国以外に移転することを検討中と回答し、過去10年間で最も高い水準となった。同商工会議所は中国当局に対し、コロナ対策をロックダウンからワクチン接種へと移行させるよう要請している。
同商工会議所のヨルグ・ウトケ会長はインタビューで、「世界は中国のことを待っていない」と述べた。
一方、在中国の米商工会議所が今月公表した調査によると、米国企業の50%以上が、最近の感染拡大と繰り返されるロックダウンを受けて、対中投資を遅らせるか縮小させている。
米シンクタンク「大西洋評議会」と米コンサルティング会社ロディウム・グループの2021年の調査によれば、米国の対中投資は、中国の成長鈍化や経済改革の停滞を受けて過去10年間で既に頭打ちとなり、年間130億~160億ドル(約1兆6500億~2兆0400億円)の範囲で推移していた。
李氏の外国企業幹部へのメッセージは、自身の首相任期が終わりに近づいている時期に、経済運営により強い影響力を示そうとする中で出された。同氏はここ数カ月、中国を欧米流資本主義から遠ざけ経済減速の一因となった習氏の政策について、その一部を巻き戻す動きを促進している。同時に、自身の後継者選定にも影響力を行使しようとしている。
李氏が発言した場は、中国政府系の通商組織、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)の70周年祝賀大会だった。
大会の参加者によれば、1時間半に及んだ会合で、李氏は習氏のゼロコロナ政策に一度も触れなかった。釣魚台国賓館の会議室に入るや否や、李氏はマスクを外した。会合が終わり、出口に向かいながら参加者らと会話を交わした後で、マスクを再び着けるようスタッフに促された。
一部の参加者は、政府の厳しいマスク着用規則を気にしていないような李氏の行動は、注目に値するものだったと語った。
李氏は、自国のコロナ対策によって中国の孤立が深まっているという外国企業の代表らの話を聞いて、心配そうな表情を見せたという。会合参加者らに対し、中国がこうした問題提起に真剣に耳を傾けていることをそれぞれの国の政府に伝えるよう求めた。
参加者らによれば、李氏は会合で「今は特別な時期、難しい時期だ」と語った。
【北京】中国の指導者2人が先週、同国の厳格な新型コロナウイルス対策に不満を募らせている外国企業幹部を安心させようとした際、指導部の見解が割れているように見えた。
習近平国家主席は5月18日、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)によって世界が直面する経済的課題についてビデオ演説をしたが、中国の厳しいコロナ対策によって悪化した国内経済の低迷についてはほとんど言及しなかった。その翌日、李克強首相は対面での会合で、ほぼ中国自体の問題に絞り、より率直で融和的なトーンで話した。
北京の釣魚台迎賓館で開かれた会合に出席した複数の関係者によると、李氏は中国で事業を行う米国・欧州・アジアの多国籍企業の幹部に対し、中国は経済再生とコロナ感染の再発抑制の間で「バランスを取ることに全力を注いでいる」と述べた。
一部の参加者によると、特に注目すべきは李氏が習氏の「ゼロコロナ」戦略を擁護しなかったことだ。これは、外国企業幹部が貿易や商業の担当者など中国高官と最近行った一連の会合とは一線を画すものだったという。
参加者によると、中国は高齢者を中心にワクチン接種を拡大すべきだとの外国企業幹部らの提言を受け、李氏は「ワクチンに関するあなた方のメッセージを受け止めた。接種範囲を拡大する」と述べた。さらに、「企業が操業を停止するような事態を引き起こしてはならない」と付け加えたという。
中国では習主席のゼロコロナ政策によって、ロックダウン(都市封鎖)や大規模な検査、隔離措置が実施されてきた。事業活動は大きな打撃を受け、国民へのワクチン接種も難しくなった。人数が多い高齢者向けは特にそうだ。ワクチン接種の遅れは、保健当局が公式に認めるコロナ予防策の弱点となっている。2500万人以上の人口を抱える経済の中心地である上海では、2カ月にわたるロックダウン期間中、大半のワクチン接種センターが閉鎖され、接種計画が停止された。
月中旬の時点で、80歳を超える中国人のうちコロナワクチンを2回接種していたのはわずか51%。これに対し、全国民の接種率は88%だった。
習氏は世界でワクチン開発に関する協力を強化する必要性について述べてきたが、中国国民にワクチンを接種する重要性は公には強調していない。
李氏の発言は習氏のコロナ対応にあからさまに異議を唱えるものではない。しかし、政府関係者や政策顧問によると、習氏のゼロコロナ政策をめぐり共産党幹部の間で緊張が高まっており、李氏の発言はそれを浮き彫りにした形となった。
5月19日の首相との会合の参加者の一人は「李氏は明らかに別の焦点を望んでいる」と述べた。
政権幹部へのメディアの問い合わせを扱う国務院新聞弁公室は、質問に回答しなかった。
李氏が中国のコロナ政策に有意な変化をもたらせるかどうかは分からない。李氏は長い間脇に追いやられていたが、最近になって政治的影響力を取り戻しつつある。
状況に詳しい人物らによると、習氏は今年に入りロックダウンの代償を気にかけ始め、上海市全体を封鎖することなく感染に対応できるよう市当局に幾らかの裁量を与えようとしているように見えた。しかし、感染力の高いオミクロン株が全土に広がる中、習氏は5月初めの指導部会合でゼロコロナ政策を再確認した。
上海市のロックダウンが始まってから1カ月近くたった頃、国家衛生健康委員会のトップは、共産党機関紙「学習時報」の1面に掲載された記事で、中国のコロナ対策を「個人的に指揮した」として習氏を称賛した。
ゼロコロナ政策は、パンデミックの初期に感染を抑え、経済を復活させるのに有効であることが示され、中国が西側諸国よりうまく新型コロナに対応できているという習氏の見解を下支えした。政府関係者や政策顧問は、習氏がこれまでの伝統を打ち破って政権3期目を目指す年に、政策変更は政治的に受け入れられないだろうと述べている。
米外交問題評議会(CFR)のグローバルヘルス担当シニアフェロー、ヤンゾン・ファン氏は、今年後半に予定される共産党大会が近づくにつれ、「コロナに対する今後の中国の方向性をめぐる競争は激しさを増してきた」と指摘する。党大会では次期指導部の構成が明らかになる見通し。
習氏は外国企業幹部とのビデオ会議で、現在のゼロコロナ政策を変更する意向を示さなかった。この会議では経営者らが習氏に質問する機会は与えられなかった。
中国外務省によると、習氏は同会議で、「衰えを見せないパンデミックは人々の生命と健康にとって深刻な脅威となっており、世界経済に大きな打撃を与えている」と述べた。一部の出席者は習氏の見解について、多くの西側諸国の経済がコロナ禍から比較的しっかりと回復した一方、中国経済が最大級の圧力に直面しているという事実とかけ離れているように思えたと指摘した。
今年に入り上海市など中国各地でオミクロン株の感染が急激に増加して以降、国内の経済成長は大幅に鈍化している。国民の間に不満が広がっており、外国企業の一部が中国への投資を見直す動きも出ている。
例えば米アップルは外部の請負業者に対し、中国以外での生産を拡大する意向を示し、その理由の一つとして中国政府のコロナ対応を挙げた。協議に関わった関係者が明らかにした。
在中国の西側企業を代表する各種産業団体は、中国政府に対してコロナ対策を変更するよう要求を強めている。長期間の移動制限などの規制が収益を損ね、投資を阻害し、外国人幹部の国外流出を引き起こしていると訴える。
在中国の欧州連合(EU)商工会議所が5月初めに公表した調査報告によると、欧州企業の23%が事業を中国以外に移転することを検討中と回答し、過去10年間で最も高い水準となった。同商工会議所は中国当局に対し、コロナ対策をロックダウンからワクチン接種へと移行させるよう要請している。
同商工会議所のヨルグ・ウトケ会長はインタビューで、「世界は中国のことを待っていない」と述べた。
一方、在中国の米商工会議所が今月公表した調査によると、米国企業の50%以上が、最近の感染拡大と繰り返されるロックダウンを受けて、対中投資を遅らせるか縮小させている。
米シンクタンク「大西洋評議会」と米コンサルティング会社ロディウム・グループの2021年の調査によれば、米国の対中投資は、中国の成長鈍化や経済改革の停滞を受けて過去10年間で既に頭打ちとなり、年間130億~160億ドル(約1兆6500億~2兆0400億円)の範囲で推移していた。
李氏の外国企業幹部へのメッセージは、自身の首相任期が終わりに近づいている時期に、経済運営により強い影響力を示そうとする中で出された。同氏はここ数カ月、中国を欧米流資本主義から遠ざけ経済減速の一因となった習氏の政策について、その一部を巻き戻す動きを促進している。同時に、自身の後継者選定にも影響力を行使しようとしている。
李氏が発言した場は、中国政府系の通商組織、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)の70周年祝賀大会だった。
大会の参加者によれば、1時間半に及んだ会合で、李氏は習氏のゼロコロナ政策に一度も触れなかった。釣魚台国賓館の会議室に入るや否や、李氏はマスクを外した。会合が終わり、出口に向かいながら参加者らと会話を交わした後で、マスクを再び着けるようスタッフに促された。
一部の参加者は、政府の厳しいマスク着用規則を気にしていないような李氏の行動は、注目に値するものだったと語った。
李氏は、自国のコロナ対策によって中国の孤立が深まっているという外国企業の代表らの話を聞いて、心配そうな表情を見せたという。会合参加者らに対し、中国がこうした問題提起に真剣に耳を傾けていることをそれぞれの国の政府に伝えるよう求めた。
参加者らによれば、李氏は会合で「今は特別な時期、難しい時期だ」と語った。
感染再燃で都市封鎖等のゼロコロナ対策徹底が長期化している中国。
対策に不満を募らせている外国企業幹部を安心させようと、習近平と李克強の2人が、夫々別に対応したのだそうですが、秋の 5年に 1度開催される党大会を前に、その対応姿勢に違いが見え始めているようなのですね。
ビデオ演説で臨んだのは習近平。
それに対し、李克強は生出演。国・欧州・アジアの多国籍企業の幹部に対し、中国は経済再生とコロナ感染の再発抑制の間で「バランスを取ることに全力を注いでいる」と述べ、注目すべきは李氏が習氏の「ゼロコロナ」戦略を擁護しなかったと。
また、中国は高齢者を中心にワクチン接種を拡大すべきだとの外国企業幹部らの提言を受け、李氏は「ワクチンに関するあなた方のメッセージを受け止めた。接種範囲を拡大する」と述べた。さらに、「企業が操業を停止するような事態を引き起こしてはならない」と付け加えたのだそうです。
李氏の発言は習氏のコロナ対応にあからさまに異議を唱えるものではない。しかし、習氏のゼロコロナ政策をめぐり共産党幹部の間で緊張が高まっており、李氏の発言はそれを浮き彫りにした形となったとWSJ。
李氏は長い間脇に追いやられていたが、最近になって政治的影響力を取り戻しつつあると。
李氏の外国企業幹部へのメッセージは、自身の首相任期が終わりに近づいている時期に、経済運営により強い影響力を示そうとする中で出された。同氏はここ数カ月、中国を欧米流資本主義から遠ざけ経済減速の一因となった習氏の政策について、その一部を巻き戻す動きを促進している。同時に、自身の後継者選定にも影響力を行使しようとしているとWSJ。
ビデオ演説の習氏は、中国の厳しいコロナ対策によって悪化した国内経済の低迷についてはほとんど言及しなかったのだそうです。
習氏は世界でワクチン開発に関する協力を強化する必要性について述べてきたが、中国国民にワクチンを接種する重要性は公には強調していないとWSJ。
習氏は今年に入りロックダウンの代償を気にかけ始め、上海市全体を封鎖することなく感染に対応できるよう市当局に幾らかの裁量を与えようとしているように見えた。しかし、感染力の高いオミクロン株が全土に広がる中、習氏は5月初めの指導部会合でゼロコロナ政策を再確認することとなった。
ゼロコロナ政策は、パンデミックの初期に感染を抑え、経済を復活させるのに有効であることが示され、中国が西側諸国よりうまく新型コロナに対応できているという習氏の見解を下支えした。
しかし、オミクロン株感染拡大では、政権3期目を目指す習近平はゼロコロナの政策変更は出来難い。
外国企業幹部とのビデオ会議で、現在のゼロコロナ政策を変更する意向を示さなかった習近平。会議では経営者らが習氏に質問する機会は与えられなかったのだそうです。
一部の出席者は習氏の見解について、多くの西側諸国の経済がコロナ禍から比較的しっかりと回復した一方、中国経済が最大級の圧力に直面しているという事実とかけ離れているように思えたと指摘。
今年に入り上海市など中国各地でオミクロン株の感染が急激に増加して以降、国内の経済成長は大幅に鈍化している。国民の間に不満が広がっており、外国企業の一部が中国への投資を見直す動きも出ているとWSJ。
例えば米アップルは外部の請負業者に対し、中国以外での生産を拡大する意向を示し、その理由の一つとして中国政府のコロナ対応を挙げているのだそうです。
在中国の欧州連合(EU)商工会議所が5月初めに公表した調査報告によると、欧州企業の23%が事業を中国以外に移転することを検討中と回答。同商議所は中国当局に対し、コロナ対策をロックダウンからワクチン接種へと移行させるよう要請。
在中国の米商工会議所が今月公表した調査によると、米国企業の50%以上が、最近の感染拡大と繰り返されるロックダウンを受けて、対中投資を遅らせるか縮小させているのだそうです。
李氏は、自国のコロナ対策によって中国の孤立が深まっているという外国企業の代表らの話を聞いて、心配そうな表情を見せたという。会合参加者らに対し、中国がこうした問題提起に真剣に耳を傾けていることをそれぞれの国の政府に伝えるよう求めたとWSJ。
毛沢東の専制政治の弊害を改善する為に、集団指導体制と定年制を設け、今日の中国の経済大国への道を拓いた鄧小平。
その共青団派を継ぎ、民間企業の活力で経済成長目指してきた李克強。その定めとおりに定年退職し後進に道を託します。
一方、定年制を廃止し、トップの座にしかみつこうとしている習近平。概ね習近平の狙い通りに進んできている様にみえていましたが、大事な党大会を前にして、オミクロン株による感染拡大とゼロコロナでの長期都市封鎖。そして、経済低迷。外資の脱中国。大成長した民間企業弾圧。
さまよう巨像の中国は、ロシアのウクライナ侵攻を観て、どのような道を選ぶのでしょう。
台湾侵攻もさることながら、王毅外相は、オーストラリアや日米台湾とも親交のある、南太平洋の諸国歴訪での影響力強化を推進しています。
中国軍駐留や寄港等が強化されれば、台湾有事への抑えにもなりますし、米豪への牽制にもなります。
中国、太平洋諸国と関係強化 米に対抗、外相がソロモンなど歴訪(時事通信) - Yahoo!ニュース
日本も、諸国との定期連携会合は開催・支援していることは諸兄がご承知の通り。
24年目を迎えた日本と太平洋島嶼国との友好関係の証 第9回太平洋・島サミット(PALM9)|外務省
# 冒頭の画像は、北京のスクリーンに映し出された中国の習近平国家主席
この花の名前は、ミツバチグリ
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA