バイデン米大統領の肝煎りで、大統領選での公約だった初の「民主主義サミット」が開かれました。
我々(われわれ)は如何(いか)に評価すべきだろうかと、「民主主義サミット」の功罪について解説しておられるのは、内閣官房参与の宮家氏。
日本のマスコミの評価は割れたと宮家さん。
某本邦有力紙はワシントン発で「共同声明などは出されず、米国の専門家からは『学会の発表のようだ』と冷めたい見方も」「中国やロシアなどは強く反発し、招かれなかった国々の結束を促すリスクを指摘する声もある」と批判的に報じていると。
米国内では、そもそも、大統領選でのバイデン候補の公約だったものなので、トランプ派を除けば、「民主主義推進の議論」自体を否定する声はあまり聞かないと宮家さん。
それでも、米有力知識人の中には「議論は正しいが、今米国が民主主義サミットを推し進める利益は少なく、むしろ逆効果だろう」(ハーバード大のS・ウォルト教授)とする声もあるのだそうです。
米国外では「主催国米国の招待基準に一貫性がない」という批判が最も強かったと。
NATO加盟国のトルコやハンガリーが招待されなかったことには批判もある。「民主主義のためのサミット」であって、「民主主義諸国の首脳会議」ではないからこの種の議論はあまり意味がないと。一部の国が招待されなかった裏には、何か別の理由もあったのかもしれないと宮家さん。
中国は当然猛反発。
「米国は民主主義の優等生ではない」とする報告書は、左系お得意の自分の姿は見ない、他人への重箱の隅ツツキですが、「中国の民主」なる白書との作り話には笑ってしまいました。
今回の「民主主義サミット」は米中間の国際的発言力をめぐる主導権争いの一環なのだろう。
幸い今回は米側の「作戦勝ち」だったと宮家さん。
されど、このゲームは続く。来年の第 2ラウンドはより熾烈(しれつ)な「話語権」争いとなるに違いないと。
日本の姿勢について、宮家さんは元日本の外交官僚らしく、じっくり様子を見て決めるべきと、ラジオ番組(ニッポン放送)で話しておられましたが、MCさんが指摘されている、(米中で国際世論が割れる中)安倍元首相が指摘されている早いタイミングでの決断が必要との指摘には、無回答。。
遊爺も、ズルズルと米中両国の顔色を窺ったり、他国の動向の様子見をしていては、両国から信頼をうことになると思います。
やっと、岸田氏の参加予定はないと表明したのは、せめてもの救いかと。
岸田首相、北京五輪「私は参加しない」米など外交ボイコット受け | 毎日新聞
# 冒頭の画像は、参院予算委員会で、立憲民主党の白真勲氏の質問に答弁する岸田文雄首相
北京五輪、岸田首相は「参加を予定していない」 参院予算委で答える:朝日新聞デジタル
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我々(われわれ)は如何(いか)に評価すべきだろうかと、「民主主義サミット」の功罪について解説しておられるのは、内閣官房参与の宮家氏。
【宮家邦彦のWorld Watch】民主主義サミットの功罪 - 産経ニュース 2021/12/16
先週、バイデン米大統領の肝煎りで初の「民主主義サミット」が開かれた。米政府は会合の成果を自画自賛するが、内外の論調は「賛否相半ば」のようだ。この米国の大規模オンライン興行を我々(われわれ)は如何(いか)に評価すべきだろうか。今回のテーマは「民主主義サミット」の功罪である。
■日本国内の議論
本邦マスコミの評価は割れた。日経、読売、産経の社説はそれぞれ、「米国の危機感は理解できる」「中国の体制は民主主義とは到底言えない」「民主陣営は台湾の民主主義を守り抜け」などと論じた。これに対し某本邦有力紙はワシントン発で「共同声明などは出されず、米国の専門家からは『学会の発表のようだ』と冷めた見方も」「中国やロシアなどは強く反発し、招かれなかった国々の結束を促すリスクを指摘する声もある」と批判的に報じている。
■米国内の批判
そもそも「民主主義サミット」は大統領選でのバイデン候補の公約だった。非民主的大衆扇動家、トランプへの対抗軸というわけだが、トランプ派を除けば、米国内で「民主主義推進の議論」自体を否定する声はあまり聞かない。それでも、米有力知識人の中には「議論は正しいが、今米国が民主主義サミットを推し進める利益は少なく、むしろ逆効果だろう」(ハーバード大のS・ウォルト教授)とする声もあるから、話は複雑である。
■米国外の批判
米国外では「主催国米国の招待基準に一貫性がない」という批判が最も強かった。中露、イラン、北朝鮮などが選ばれなかったのは当然としても、NATO(北大西洋条約機構)加盟国のトルコやハンガリーが招待されなかったことには批判もある。しかも、ハンガリーといえば、トランプ前大統領との親密な関係が有名だから、話はますます複雑なのだ。
しかし、この種の議論はあまり意味がない。会合の正式名称は「民主主義のためのサミット」であって、「民主主義諸国の首脳会議」ではないからだ。一部の国が招待されなかった裏には、何か別の理由もあったのかもしれない。
■中国の猛反発
案の定、中国は「民主主義は一部の国の専売特許ではない」などと猛反発した。サミット直前には「中国の民主」なる白書と「米国は民主主義の優等生ではない」とする報告書を発表する一方、中米ニカラグアと国交を結んだ。よほど米国が「台湾の代表」を招待したことが癪(しゃく)に障ったのだろうか。
■中国の「国際話語権」
今回のサミットに批判があることは否定しないが、一定の成果もあったと筆者は考える。それは「情報戦」で米国が、中国の「国際話語権」拡大を阻止したと思うからだ。この中国独自の概念は英語ではglobal discourse powerと訳され、中国の「国際的影響力・発言力」を意味するらしい。米国の中国研究者の間でも注目されている概念だ。要するに、今回は米国が情報戦を仕掛けたのに対し、中国は「中国は独自の民主を持ち、欧米諸国の講釈は認めない」という言説で対抗したのだ。その意味では、今回の「民主主義サミット」は米中間の国際的発言力をめぐる主導権争いの一環なのだろう。
幸い今回は米側の「作戦勝ち」だった。バイデン政権は曲がりなりにも110以上の国・地域の代表を集め、民主主義をテーマに大義名分を掲げた。これに対し、中国は周到な準備を行い反撃に出たのだが、民主主義に関する「国際話語権」の確立には至らなかったのだ。されど、このゲームは続く。来年の第2ラウンドはより熾烈(しれつ)な「話語権」争いとなるに違いない。
◇
【プロフィル】宮家邦彦
みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。第1次安倍内閣では首相公邸連絡調整官を務めた。現在、内閣官房参与、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
先週、バイデン米大統領の肝煎りで初の「民主主義サミット」が開かれた。米政府は会合の成果を自画自賛するが、内外の論調は「賛否相半ば」のようだ。この米国の大規模オンライン興行を我々(われわれ)は如何(いか)に評価すべきだろうか。今回のテーマは「民主主義サミット」の功罪である。
■日本国内の議論
本邦マスコミの評価は割れた。日経、読売、産経の社説はそれぞれ、「米国の危機感は理解できる」「中国の体制は民主主義とは到底言えない」「民主陣営は台湾の民主主義を守り抜け」などと論じた。これに対し某本邦有力紙はワシントン発で「共同声明などは出されず、米国の専門家からは『学会の発表のようだ』と冷めた見方も」「中国やロシアなどは強く反発し、招かれなかった国々の結束を促すリスクを指摘する声もある」と批判的に報じている。
■米国内の批判
そもそも「民主主義サミット」は大統領選でのバイデン候補の公約だった。非民主的大衆扇動家、トランプへの対抗軸というわけだが、トランプ派を除けば、米国内で「民主主義推進の議論」自体を否定する声はあまり聞かない。それでも、米有力知識人の中には「議論は正しいが、今米国が民主主義サミットを推し進める利益は少なく、むしろ逆効果だろう」(ハーバード大のS・ウォルト教授)とする声もあるから、話は複雑である。
■米国外の批判
米国外では「主催国米国の招待基準に一貫性がない」という批判が最も強かった。中露、イラン、北朝鮮などが選ばれなかったのは当然としても、NATO(北大西洋条約機構)加盟国のトルコやハンガリーが招待されなかったことには批判もある。しかも、ハンガリーといえば、トランプ前大統領との親密な関係が有名だから、話はますます複雑なのだ。
しかし、この種の議論はあまり意味がない。会合の正式名称は「民主主義のためのサミット」であって、「民主主義諸国の首脳会議」ではないからだ。一部の国が招待されなかった裏には、何か別の理由もあったのかもしれない。
■中国の猛反発
案の定、中国は「民主主義は一部の国の専売特許ではない」などと猛反発した。サミット直前には「中国の民主」なる白書と「米国は民主主義の優等生ではない」とする報告書を発表する一方、中米ニカラグアと国交を結んだ。よほど米国が「台湾の代表」を招待したことが癪(しゃく)に障ったのだろうか。
■中国の「国際話語権」
今回のサミットに批判があることは否定しないが、一定の成果もあったと筆者は考える。それは「情報戦」で米国が、中国の「国際話語権」拡大を阻止したと思うからだ。この中国独自の概念は英語ではglobal discourse powerと訳され、中国の「国際的影響力・発言力」を意味するらしい。米国の中国研究者の間でも注目されている概念だ。要するに、今回は米国が情報戦を仕掛けたのに対し、中国は「中国は独自の民主を持ち、欧米諸国の講釈は認めない」という言説で対抗したのだ。その意味では、今回の「民主主義サミット」は米中間の国際的発言力をめぐる主導権争いの一環なのだろう。
幸い今回は米側の「作戦勝ち」だった。バイデン政権は曲がりなりにも110以上の国・地域の代表を集め、民主主義をテーマに大義名分を掲げた。これに対し、中国は周到な準備を行い反撃に出たのだが、民主主義に関する「国際話語権」の確立には至らなかったのだ。されど、このゲームは続く。来年の第2ラウンドはより熾烈(しれつ)な「話語権」争いとなるに違いない。
◇
【プロフィル】宮家邦彦
みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。第1次安倍内閣では首相公邸連絡調整官を務めた。現在、内閣官房参与、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
日本のマスコミの評価は割れたと宮家さん。
某本邦有力紙はワシントン発で「共同声明などは出されず、米国の専門家からは『学会の発表のようだ』と冷めたい見方も」「中国やロシアなどは強く反発し、招かれなかった国々の結束を促すリスクを指摘する声もある」と批判的に報じていると。
米国内では、そもそも、大統領選でのバイデン候補の公約だったものなので、トランプ派を除けば、「民主主義推進の議論」自体を否定する声はあまり聞かないと宮家さん。
それでも、米有力知識人の中には「議論は正しいが、今米国が民主主義サミットを推し進める利益は少なく、むしろ逆効果だろう」(ハーバード大のS・ウォルト教授)とする声もあるのだそうです。
米国外では「主催国米国の招待基準に一貫性がない」という批判が最も強かったと。
NATO加盟国のトルコやハンガリーが招待されなかったことには批判もある。「民主主義のためのサミット」であって、「民主主義諸国の首脳会議」ではないからこの種の議論はあまり意味がないと。一部の国が招待されなかった裏には、何か別の理由もあったのかもしれないと宮家さん。
中国は当然猛反発。
「米国は民主主義の優等生ではない」とする報告書は、左系お得意の自分の姿は見ない、他人への重箱の隅ツツキですが、「中国の民主」なる白書との作り話には笑ってしまいました。
今回の「民主主義サミット」は米中間の国際的発言力をめぐる主導権争いの一環なのだろう。
幸い今回は米側の「作戦勝ち」だったと宮家さん。
されど、このゲームは続く。来年の第 2ラウンドはより熾烈(しれつ)な「話語権」争いとなるに違いないと。
日本の姿勢について、宮家さんは元日本の外交官僚らしく、じっくり様子を見て決めるべきと、ラジオ番組(ニッポン放送)で話しておられましたが、MCさんが指摘されている、(米中で国際世論が割れる中)安倍元首相が指摘されている早いタイミングでの決断が必要との指摘には、無回答。。
遊爺も、ズルズルと米中両国の顔色を窺ったり、他国の動向の様子見をしていては、両国から信頼をうことになると思います。
やっと、岸田氏の参加予定はないと表明したのは、せめてもの救いかと。
岸田首相、北京五輪「私は参加しない」米など外交ボイコット受け | 毎日新聞
# 冒頭の画像は、参院予算委員会で、立憲民主党の白真勲氏の質問に答弁する岸田文雄首相
北京五輪、岸田首相は「参加を予定していない」 参院予算委で答える:朝日新聞デジタル
バラ ラベンダードリーム
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