脱チャイナや国内回帰が話題に上るようになって久しいのですが、新型コロナウイルスの蔓延で、世界のサプライチェーンが混乱し、米国企業で、動きが出てきていると、WSJ。
新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(封鎖措置)で、上海の倉庫で2カ月間にわたり、有名デザイナーによる香水やコロンが放置。
香水メーカー、インターパルファムの創業者で会長を務めるジャン・マダル氏は、この売り上げの喪失は中国と決別するという決断に確証をもたらすものだったと、WSJの、Sharon Terlep 氏(以後、WSJと略表記)の記事。
「中国の原材料ははるかに安いが、手に入れられなければどんな意味があるのか。われわれのような消費者向け製品を製造・販売する会社にとって、供給の安定は欠かせない」と、インターパルファムの創業者で会長を務めるジャン・マダル氏。
マッキンゼーの、ダニエル・スワン氏は「方程式が変わった」と指摘。中国での労働コスト上昇や高関税、知的財産窃盗への懸念。
米国への生産移転には限界と障害がある。労働コストと不動産コストは比較的高く、規制の壁も他国と比べ高い。
供給網を完全にシフトするのが予想していたよりも大変なことが分かった企業もあると、スワン氏。
インターパルファムでは、米国で販売される製品の委託製造の大半を中国などの他国から米国へ恒久的に移転しようとしている。2024年までに移転を完了する計画だと。
上海の封鎖措置が解かれ、海上輸送費がピーク水準から下がっても、インターパルファムが受けた中国依存の影響を考えると、現状には戻れないと経営幹部は確信していると、WSJ。
P&Gなどの容器類を製造するアパッケージング・グループは中国依存を減らすための一環として、5000万ドルを投じてオハイオ州に工場を新設。CEO)のヘルガ・アーミナック氏は、中国でのコスト上昇や知財の保護に関してずっと懸念を抱いていたと語った。
ただ、20年以上続けてきた中国事業を完全にやめるつもりはないと言う。これまでは全体の 9割を中国で製造してきたが、目標は2025年までに8割を北米で製造することだと。
工場の労働力がより大きく、インフラも利用しやすいという点で、中国に勝るものはない。残念ながら、われわれは非常に依存していると。
ん?
大きい工場の労働力で中国に勝るものはない?
経営のプロのご発言に、一介の日本企業の経験者がおこがましいのですが、中国が世界の工場になりえた一つの大きな原因は、人件費の安さ。しかし今日、ウイグルの虐待等は除き、一般的には人件費は高騰。
インフラは、政府が完全に管理していてつつぬけなのに、利用しやすい?
脱中国で、国内回帰には課題があり、代わりとなる国は、ベトナム他の東南アジア諸国かインドとなると、まだ中国のほうが、条件が整っていると言う事でしょうか。
中国とて、一日で世界の工場になったわけではない。中国に甘い汁を吸い続けられ、軍事大国に寄与し、安全保障に危険を増すのがいいのか。一から、中国に変わる国とのサプライチェーンを構築するのか。
全てを国内回帰するのが困難であれば、新たに開拓すればよいと考えますが。。
「自由で開かれたインド太平洋」諸国や、CPTPP諸国には、しかたなく中国の支援を受けているが、開拓投資を望んでいる国は少なくないのでは?
# 冒頭の画像は、上海で積みあがった海上コンテナ
上海の物流ほぼ停止、コロナ封鎖で大混乱 - WSJ
この花の名前は、エキナセア
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遊爺さんの写真素材 - PIXTA
新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(封鎖措置)で、上海の倉庫で2カ月間にわたり、有名デザイナーによる香水やコロンが放置。
香水メーカー、インターパルファムの創業者で会長を務めるジャン・マダル氏は、この売り上げの喪失は中国と決別するという決断に確証をもたらすものだったと、WSJの、Sharon Terlep 氏(以後、WSJと略表記)の記事。
中国にうんざりの米企業、国内で供給網構築 - WSJ 2022 年 7 月 13 日 By Sharon Terlep
上海の倉庫で2カ月間にわたり、有名デザイナーによる香水やコロンが放置されていた。新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(封鎖措置)で立ち入り禁止となったためだ。その額は何百万ドルにも及んだ。
米国に拠点を置く香水メーカー、インターパルファムの創業者で会長を務めるジャン・マダル氏にとって、この売り上げの喪失は中国と決別するという決断に確証をもたらすものだ。
「中国の原材料ははるかに安いが、手に入れられなければどんな意味があるのか。われわれのような消費者向け製品を製造・販売する会社にとって、供給の安定は欠かせない」。マダル氏はこう話した。
インターパルファムは、中国などから米国に引き揚げている企業の一つだ。これまでは、こうした国々の安価な労働力や工場生産が容易に開始できる利便さが、海上輸送費よりもはるかに勝っていた。
コロナ禍に伴う世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱により、企業は低コストで製造される製品の輸入について再考を余儀なくされている。美容関連企業や自動車メーカー、世界的な小売企業や中小企業など、その範囲は多岐にわたる。
コンサルティング会社マッキンゼーの調査によると、サプライチェーン関連企業幹部の2割近くが、この1年に製造拠点を近くの国に一部移したと答えた。これは前年の2倍にあたる。また、3割以上が同期間に近隣国のサプライヤーを加えたとし、前年比で15%増えた。調査は3月28日~4月29日に行われ、113人の回答者の中には半導体メーカーや自動車用電池メーカーなどの幹部も含まれている。
マッキンゼーの製造業・サプライチェーン専門家、ダニエル・スワン氏は「方程式が変わった」と指摘する。コロナ下で海上輸送費は急騰した。工場が閉鎖され、輸送は滞り、大規模な遅延と不足を招いた。消費者の購入パターンも急速に変化し、需要の正確な予測が困難になった。こうしたことの全てが、すでに進行中の長期的な変化の要因となっている。その変化とは、中国での労働コスト上昇や高関税、知的財産窃盗への懸念だ。
米国への生産移転には限界と障害がある。労働コストと不動産コストは比較的高く、規制の壁も他国と比べ高いことが多い。供給網を完全にシフトするのが予想していたよりも大変なことが分かった企業もあると、スワン氏は言う。
インターパルファムの場合、中国のサプライヤーとの契約は一部継続するほか、アジアではなく欧州から米国へ移転する部分もある。「オスカー・デ・ラ・レンタ」や「ジミー チュウ」といったブランドの香水を製造する同社の年間売上高は10億ドル(約1370億円)近くに上る。
マダル氏によると、インターパルファムでは、米国で販売される製品の委託製造の大半を中国などの他国から米国へ恒久的に移転しようとしている。米国のサプライヤーも倍増しており、現在ではガラスや金属などでできたパーツの7割近くを米サプライヤーから得ている。2024年までに移転を完了する計画だという。
上海の封鎖措置が解かれ、海上輸送費がピーク水準から下がっても、インターパルファムが受けた中国依存の影響を考えると、現状には戻れないと経営幹部は確信している。
「ボトルはあるのにキャップがない、キャップはあるのにポンプがないといった状況だった」とマダル氏。「物流管理は不可能になった」
米ニュージャージー州ホルムデルにある工場でインターパルファムの製品を委託製造するボイアント・ビューティーの事業開発責任者、アンドリュー・デービス氏は「20年以上サプライチェーンで働いてきて、これほど急速な転換は見たことがない」と話す。
このようなシフトを実現するには、インターパルファムのような香水メーカーは米国で供給基盤を構築する必要がある。香水のボトル1本でガラスやプラスチック、金属などでできた15~20種類の異なるパーツを必要とすることもある。これまでこれらのほぼ全ては中国から調達してきた。
インターパルファムのマダル氏は米国へのシフトは永続的であり、物価が上昇する中でも安定した供給を優先したことによるコスト高を吸収できるだけの利益を上げていると話す。同社によると、1-3月期の売上高は26%、利益は28%それぞれ増加した。
だが同社サプライヤーの一部は、慎重な見方をしている。
「ある時点で(中国の)コストが下がった場合、彼らは選択を迫られるに違いない」。インターパルファムから委託を受けているアーケード・ビューティー(ニュージャージー州)の営業担当バイスプレジデント、ラリー・バーマン氏はこう話す。
米日用品大手 プロクター・アンド・ギャンブル (P&G)などの容器類を製造するアパッケージング・グループは中国依存を減らすための一環として、5000万ドルを投じてオハイオ州に工場を新設した。同社の創業者で最高経営責任者(CEO)のヘルガ・アーミナック氏は、中国でのコスト上昇や知財の保護に関してずっと懸念を抱いていたと語った。
ただ、同社が20年以上続けてきた中国事業を完全にやめるつもりはないとアーミナック氏は言う。これまでは全体の9割を中国で製造してきたが、その割合は現在およそ半分にまで低下している。目標は2025年までに8割を北米で製造することだ。
工場の労働力がより大きく、インフラも利用しやすいという点で、中国に勝るものはないとアーミナック氏は言う。「勤勉で、政府も支援を惜しまない。残念ながら、われわれは非常に依存している」
上海の倉庫で2カ月間にわたり、有名デザイナーによる香水やコロンが放置されていた。新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(封鎖措置)で立ち入り禁止となったためだ。その額は何百万ドルにも及んだ。
米国に拠点を置く香水メーカー、インターパルファムの創業者で会長を務めるジャン・マダル氏にとって、この売り上げの喪失は中国と決別するという決断に確証をもたらすものだ。
「中国の原材料ははるかに安いが、手に入れられなければどんな意味があるのか。われわれのような消費者向け製品を製造・販売する会社にとって、供給の安定は欠かせない」。マダル氏はこう話した。
インターパルファムは、中国などから米国に引き揚げている企業の一つだ。これまでは、こうした国々の安価な労働力や工場生産が容易に開始できる利便さが、海上輸送費よりもはるかに勝っていた。
コロナ禍に伴う世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱により、企業は低コストで製造される製品の輸入について再考を余儀なくされている。美容関連企業や自動車メーカー、世界的な小売企業や中小企業など、その範囲は多岐にわたる。
コンサルティング会社マッキンゼーの調査によると、サプライチェーン関連企業幹部の2割近くが、この1年に製造拠点を近くの国に一部移したと答えた。これは前年の2倍にあたる。また、3割以上が同期間に近隣国のサプライヤーを加えたとし、前年比で15%増えた。調査は3月28日~4月29日に行われ、113人の回答者の中には半導体メーカーや自動車用電池メーカーなどの幹部も含まれている。
マッキンゼーの製造業・サプライチェーン専門家、ダニエル・スワン氏は「方程式が変わった」と指摘する。コロナ下で海上輸送費は急騰した。工場が閉鎖され、輸送は滞り、大規模な遅延と不足を招いた。消費者の購入パターンも急速に変化し、需要の正確な予測が困難になった。こうしたことの全てが、すでに進行中の長期的な変化の要因となっている。その変化とは、中国での労働コスト上昇や高関税、知的財産窃盗への懸念だ。
米国への生産移転には限界と障害がある。労働コストと不動産コストは比較的高く、規制の壁も他国と比べ高いことが多い。供給網を完全にシフトするのが予想していたよりも大変なことが分かった企業もあると、スワン氏は言う。
インターパルファムの場合、中国のサプライヤーとの契約は一部継続するほか、アジアではなく欧州から米国へ移転する部分もある。「オスカー・デ・ラ・レンタ」や「ジミー チュウ」といったブランドの香水を製造する同社の年間売上高は10億ドル(約1370億円)近くに上る。
マダル氏によると、インターパルファムでは、米国で販売される製品の委託製造の大半を中国などの他国から米国へ恒久的に移転しようとしている。米国のサプライヤーも倍増しており、現在ではガラスや金属などでできたパーツの7割近くを米サプライヤーから得ている。2024年までに移転を完了する計画だという。
上海の封鎖措置が解かれ、海上輸送費がピーク水準から下がっても、インターパルファムが受けた中国依存の影響を考えると、現状には戻れないと経営幹部は確信している。
「ボトルはあるのにキャップがない、キャップはあるのにポンプがないといった状況だった」とマダル氏。「物流管理は不可能になった」
米ニュージャージー州ホルムデルにある工場でインターパルファムの製品を委託製造するボイアント・ビューティーの事業開発責任者、アンドリュー・デービス氏は「20年以上サプライチェーンで働いてきて、これほど急速な転換は見たことがない」と話す。
このようなシフトを実現するには、インターパルファムのような香水メーカーは米国で供給基盤を構築する必要がある。香水のボトル1本でガラスやプラスチック、金属などでできた15~20種類の異なるパーツを必要とすることもある。これまでこれらのほぼ全ては中国から調達してきた。
インターパルファムのマダル氏は米国へのシフトは永続的であり、物価が上昇する中でも安定した供給を優先したことによるコスト高を吸収できるだけの利益を上げていると話す。同社によると、1-3月期の売上高は26%、利益は28%それぞれ増加した。
だが同社サプライヤーの一部は、慎重な見方をしている。
「ある時点で(中国の)コストが下がった場合、彼らは選択を迫られるに違いない」。インターパルファムから委託を受けているアーケード・ビューティー(ニュージャージー州)の営業担当バイスプレジデント、ラリー・バーマン氏はこう話す。
米日用品大手 プロクター・アンド・ギャンブル (P&G)などの容器類を製造するアパッケージング・グループは中国依存を減らすための一環として、5000万ドルを投じてオハイオ州に工場を新設した。同社の創業者で最高経営責任者(CEO)のヘルガ・アーミナック氏は、中国でのコスト上昇や知財の保護に関してずっと懸念を抱いていたと語った。
ただ、同社が20年以上続けてきた中国事業を完全にやめるつもりはないとアーミナック氏は言う。これまでは全体の9割を中国で製造してきたが、その割合は現在およそ半分にまで低下している。目標は2025年までに8割を北米で製造することだ。
工場の労働力がより大きく、インフラも利用しやすいという点で、中国に勝るものはないとアーミナック氏は言う。「勤勉で、政府も支援を惜しまない。残念ながら、われわれは非常に依存している」
「中国の原材料ははるかに安いが、手に入れられなければどんな意味があるのか。われわれのような消費者向け製品を製造・販売する会社にとって、供給の安定は欠かせない」と、インターパルファムの創業者で会長を務めるジャン・マダル氏。
マッキンゼーの、ダニエル・スワン氏は「方程式が変わった」と指摘。中国での労働コスト上昇や高関税、知的財産窃盗への懸念。
米国への生産移転には限界と障害がある。労働コストと不動産コストは比較的高く、規制の壁も他国と比べ高い。
供給網を完全にシフトするのが予想していたよりも大変なことが分かった企業もあると、スワン氏。
インターパルファムでは、米国で販売される製品の委託製造の大半を中国などの他国から米国へ恒久的に移転しようとしている。2024年までに移転を完了する計画だと。
上海の封鎖措置が解かれ、海上輸送費がピーク水準から下がっても、インターパルファムが受けた中国依存の影響を考えると、現状には戻れないと経営幹部は確信していると、WSJ。
P&Gなどの容器類を製造するアパッケージング・グループは中国依存を減らすための一環として、5000万ドルを投じてオハイオ州に工場を新設。CEO)のヘルガ・アーミナック氏は、中国でのコスト上昇や知財の保護に関してずっと懸念を抱いていたと語った。
ただ、20年以上続けてきた中国事業を完全にやめるつもりはないと言う。これまでは全体の 9割を中国で製造してきたが、目標は2025年までに8割を北米で製造することだと。
工場の労働力がより大きく、インフラも利用しやすいという点で、中国に勝るものはない。残念ながら、われわれは非常に依存していると。
ん?
大きい工場の労働力で中国に勝るものはない?
経営のプロのご発言に、一介の日本企業の経験者がおこがましいのですが、中国が世界の工場になりえた一つの大きな原因は、人件費の安さ。しかし今日、ウイグルの虐待等は除き、一般的には人件費は高騰。
インフラは、政府が完全に管理していてつつぬけなのに、利用しやすい?
脱中国で、国内回帰には課題があり、代わりとなる国は、ベトナム他の東南アジア諸国かインドとなると、まだ中国のほうが、条件が整っていると言う事でしょうか。
中国とて、一日で世界の工場になったわけではない。中国に甘い汁を吸い続けられ、軍事大国に寄与し、安全保障に危険を増すのがいいのか。一から、中国に変わる国とのサプライチェーンを構築するのか。
全てを国内回帰するのが困難であれば、新たに開拓すればよいと考えますが。。
「自由で開かれたインド太平洋」諸国や、CPTPP諸国には、しかたなく中国の支援を受けているが、開拓投資を望んでいる国は少なくないのでは?
# 冒頭の画像は、上海で積みあがった海上コンテナ
上海の物流ほぼ停止、コロナ封鎖で大混乱 - WSJ
この花の名前は、エキナセア
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA