日米防衛協力、「共同作戦計画」の刷新

　３年以上にわたって続けられてきた在日米軍再編協議が決着し、日米両政府が最終報告に合意し、新段階に入った日米同盟をより実効性のある内容にする狙いから、日本有事における自衛隊と米軍との具体的な協力関係を定めた「日米共同作戦計画」と日本周辺有事の際の「日米相互協力計画」を全面刷新する方針を固めたのだそうです。(5/5日経朝刊)

　在日米軍再編の日米共同発表は以下の様でした。
　

Sankei Web　政治　在日米軍再編　日米共同発表の全文(05/02 01:56)
<前略>
　本日の会合において、閣僚は、新たに発生している脅威が、世界中の国々の安全に影響を及ぼす共通の課題を生み出しているとの見解を共有し、幅広い問題に関する２国間のますます緊密な協力に留意した。閣僚は、日米同盟が、地域及び世界の平和と安全を高める上で極めて重要な役割を引き続き果たすよう、協力を拡大したいと考えていることを確認した。

<中略>
　アジア太平洋地域も、世界の他の地域と同様、不透明性や不確実性を生み出す課題に引き続き直面している。

<中略>
　これらの再編案の実施により、同盟関係における協力は新たな段階に入るものであり、また、地域における同盟関係の能力強化につながるものであることを認識した。今後実施される措置は、日米安全保障条約の下での日米双方のコミットメントを強化すると同時に、沖縄を含む地元の負担を軽減するとの日米双方の決意を示すものである。これは、安全保障上の同盟関係に対する国民一般の支持を高める基礎を提供するものである。閣僚は、日本国政府による地元との調整を認識し、再編案が実現可能であることを確認した。また、閣僚は、これらの再編案を完了させることが同盟関係の変革の基礎を強化するために不可欠であることを認識し、日米安全保障条約及び関連取極を遵守しつつ、この計画を速やかに、かつ、徹底して実施していくことを確約した。

　施策は次のもの
　

Sankei Web　政治　在日米軍再編　最終報告の全文（１）(05/02 01:56)
Sankei Web　政治　在日米軍再編　最終報告の全文（２）(05/02 01:56)
Sankei Web　政治　在日米軍再編　最終報告の全文（３）(05/02 01:56)
１、沖縄における再編
　（ａ）普天間飛行場代替施設
　（ｂ）兵力削減とグアムへの移転
　（ｃ）土地の返還及び施設の共同使用
　（ｄ）再編案間の関係
２、米陸軍司令部能力の改善
３、横田飛行場及び空域
４、厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐
５、ミサイル防衛

　これらを独断でまとめると、ポイントは次の３つです。
　1.グローバルな米国の安全保障政策の一環としての、中東、東南アジアに生じてきている懸念要因への対応と、そこへの日本の参画
　2.沖縄の負担の軽減
　3.自衛隊司令部と米軍司令部とが同居するなどにみられる、自衛隊と米軍の一体となった防衛体制の推進

　「共同作戦計画」は陸海空の各自衛隊と在日米軍がどのような作戦行動をとるかを具体的に示した実施要領で、1997年のガイドラインでも検討が明記されたが、具体的な作業が遅れていたのだそうです。
　機密扱いの計画の存在も指摘されているのだそうですが、
　①北朝鮮などを想定した日本有事
　②朝鮮半島や台湾海峡を想定した周辺事態
　③国際テロ対策や大規模災害での日米協力
　などの分野で詳細な計画を策定する方針なのだそうです。

　テロ国家の北朝鮮や、軍事力増強を推進し覇権拡大を図る中国への対応抑止力が日本の国を守るために急務ですが、ようやく前進がみられました。
　
　しかしながら、名護市と宜野座村以外の地元自治体の受入対応は、難関です。
　県、暫定ヘリポート要求　米軍再編「高く評価」、新沿岸案は容認せず 琉球新報～沖縄の最新ローカルニュース
　知事が正式提案／シュワブに暫定ヘリポート　沖縄タイムス
　普天間移設は暫定ヘリ施設で、県が対案…再編最終報告は評価 : 週間ニュース : 九州発 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

　沖縄県の稲嶺恵一知事は、在日米軍再編最終報告の全体像については「高く評価する」と歓迎しながらも、「〈１〉海兵隊の県外移転を求めている県の基本的な考え方と異なる〈２〉県や政府が合意し、名護市辺野古沖への基本計画が決定されたにもかかわらず、地元に事前説明もなく今回の米軍再編協議で変更された」との理由で、普天間飛行場移設については「容認できない」とされています。
　一方、「あくまでも県外移設が実現するまでの緊急措置」としながら、キャンプ・シュワブ陸上部にヘリポートを暫定的に設置しヘリ基地機能を移転するよう求める考えを正式表明して、これまでとは異なる実質的な方針転換となる提案もされています。

　今年11月に予定されている沖縄県知事選に、稲嶺知事の３選出馬については明言を避けておられるのだそうですね。
　新岩国市長に井原勝介市長が当選され、沖縄市長には、民主、共産、社民、自由連、沖縄社大推薦の社民党(前副党首)の衆院議員や同県副知事を務めた東門美津子氏が当選しています。
# 東門美津子氏は、衆院議員時代に、米国オハイオ州のオハイオ大学の学歴詐称が発覚しているのですよね。
　　嘘つきは泥棒の始まりって、子供の頃に教えられたけど...。僕は、市長が嘘つきだったら恥ずかしくて住所を人前で言えないなぁ...。

　沖縄県知事選にむけ、民主、共産、社民、自由連合、沖縄社会大衆の県政野党は、米軍再編に反対し、５党で共闘する方針を決めたのだそうですが、嘘つきではなく、日本の国を守るという政治理念のある人を候補者に選んで欲しいものです...。
沖縄県知事選：野党５党が共闘を確認　米軍再編に反対－選挙：MSN毎日インタラクティブ

　お隣の韓国では、ソウルにある在韓米軍竜山基地などの移転先に決まっている京畿道平沢で4日、基地移転に反対し予定地内に立てこもる住民や市民団体と、強制排除に乗り出した警官隊が衝突して、双方で210人の重軽傷者が発生し、警察は524人を連行、同日夕までに住民らを排除したのだそうです。
　米軍基地移転先で衝突　韓国、２１０人重軽傷 (共同通信) - goo ニュース
　
　竹島で資源調査し41億円投資するとこの時期に公表し、せっかく留まった日本との対立を再燃させている韓国ですが、国内の反米の機運も弱くなく、政権の国内運営も大変なことになってきています。

　日本では、強制排除で多くのけが人が出るような光景は避けたいです。
　沖縄県は、政府との協議を通じ、返還跡地の利活用や基地従業員の雇用問題などの対応策を求めていくとのことで、稲嶺知事は「基地負担の軽減を実現するため、今後も政府との協議について、誠実に対応していく」と述べ、小泉純一郎首相らとの会談に応じる考えを示したそうですが、グアム移転費用で移転時期が遅れたり、沖縄の負担軽減や再編事態が留まることが無いよう、断り無く話を進めたなんて大人げないことにこだわらず、しっかり話し合いをして頂きたいものです。
　同時に、国民全体の問題として、全国民が共に考え協力して行かねばならないことです。

　

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