遊爺雑記帳

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中国経済の悪循環、断つすべはあるのか

2023-12-03 01:33:55 | 中国 全般
 中国は恐らく、労働市場と消費者心理の改善なくして崩壊した住宅市場を立て直すことはできないだろう。だが、消費者の活力や労働市場の好調もまた、住宅部門の健全さに依存している。
 政府がこの悪循環を断ち切る方法を見つけるまでは、中国のさえない景気回復は続くとみたほうがよさそうだと、WSJのナサニエル・タプリン。
 
中国経済の悪循環、断つすべはあるのか - WSJ ナサニエル・タプリン 2023年 12月 1日

 中国は恐らく、労働市場と消費者心理の改善なくして崩壊した住宅市場を立て直すことはできないだろう。だが、消費者の活力や労働市場の好調もまた、住宅部門の健全さに依存している。

 
政府がこの悪循環を断ち切る方法を見つけるまでは、中国のさえない景気回復は続くとみたほうがよさそうだ。

 
2023年の中国の成長は今なお一定しない。中国国家統計局が11月30日に発表した同月の購買担当者指数(PMI)はそれを痛感させるものだった。 建設業PMIがわずかに上昇した一方で、製造業とサービス業のPMIはさらに低下した。サービス業PMIは活動の拡大・縮小の分かれ目である50を今年初めて割り込んだ。経済成長は夏の終わり頃に一時改善したが、すでに息切れしているようだ。

 
製造業の問題の一部は海外にある。サブインデックス(副指数)の新規輸出受注指数は0.5ポイント低下して46.3となり、今年最低だった7月の水準に逆戻りした。

 だが、
特にサービス業では新型コロナウイルス流行中の消費者信頼感、借り入れ、雇用見通しの著しい悪化がいまだ回復への大きな障害となっている。家計は2021年末の住宅市場崩壊と「ゼロコロナ」政策に基づく22年のロックダウン(都市封鎖)という残酷なワンツーパンチを食らい、まだ立ち上がれていない。これらの要因が雇用市場と、家計にとって重要な富の源泉である住宅市場の致命傷になったも同然だ。

 振り返ってみると、21年末から22年初めの時期がいかに重要だったかが明白になる。
サービス業の雇用は20年初めからすでに比較的低調だったが、21年初めは建設業の雇用、家計の借り入れ、信頼感はいずれも高水準にあった21年終盤にはこの3つ全てが下降トレンドに転じ、上海などの主要都市のコロナ流行を受けて政府が経済の大部分を停止させた後の22年初めには、救いがたいほどの水準に落ち込んだ

 
その後遺症は長引いた。2021年9月以降のサービス業と建設業の雇用に関するサブインデックスの平均は、それ以前の5年間の平均をそれぞれ1.4ポイント、4.3ポイント下回っている。コンサルティング会社ガベカル・ドラゴノミクスによると、23年の名目家計所得の伸びは約6%にとどまる。2017、18、19年と21年はおよそ9%だった。消費者信頼感と借り入れは、コロナ前のすう勢をはるかに下回る水準で推移している。

 
理由はいくつかあるが、重要な点は以下に集約される。
 
労働市場の深刻な状況が続く限り、家計は借金したり住宅を購入したりする気になれず、不動産開発業者の財務に対する信頼も低い
 だが、
住宅部門が回復しない限り、労働市場の足場も安定しないだろう。なぜなら住宅部門は建設労働者だけでなく、不動産仲介や家具販売にかかわる人々、トラック運転手、技術者、その他多くの人々に対し、直接的または間接的に多数の雇用を提供しているからだ

 
政府が何らかの形で不動産開発業者の大がかりな救済に乗り出さない限り、経済がこのわなから効果的に逃れられるとは考えがたい。しかし、ここ数年は住宅市場での投機や不動産業者の放漫経営を律することが政府のスローガンのようになっており、救済は政治的に至難の業だ。

 大規模な金融危機が起きない限り、
最も抵抗に遭いにくいのは、遅々とした足取りで前進し続けることなのかもしれない

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ナサニエル・タプリン
 ウォールストリートジャーナルの経済および金融解説セクションであるハードオンザストリートの中国経済および政治経済の主要なコラムニストです。彼はまた、他のアジアを拠点とするコラムニストを管理および編集しています。主な懸念事項には、米中関係、技術競争、台湾と香港、中国の労働市場と人口統計が含まれます。


 2023年の中国の成長は今なお一定しない。中国国家統計局が11月30日に発表した同月の購買担当者指数(PMI)はそれを痛感させるものだった。
 経済成長は夏の終わり頃に一時改善したが、すでに息切れしているようだと、WSJ・ナサニエル・タプリン。

 製造業の新規輸出受注指数は0.5ポイント低下して46.3となり、今年最低だった7月の水準に逆戻りした。
 
 サービス業では新型コロナウイルス流行中の消費者信頼感、借り入れ、雇用見通しの著しい悪化がいまだ回復への大きな障害となっている。

 21年末から22年初めの時期がいかに重要だったかが明白になると、WSJ・ナサニエル・タプリン。
 サービス業の雇用は20年初めからすでに比較的低調だったが、21年初めは建設業の雇用、家計の借り入れ、信頼感はいずれも高水準にあった。21年終盤にはこの3つ全てが下降トレンドに転じ、上海などの主要都市のコロナ流行を受けて政府が経済の大部分を停止させた後の22年初めには、救いがたいほどの水準に落ち込んだと。

 その後遺症は長引いた。
 理由はいくつかあるが、重要な点は以下に集約されると、WSJ・ナサニエル・タプリン。
 労働市場の深刻な状況が続く限り、家計は借金したり住宅を購入したりする気になれず、不動産開発業者の財務に対する信頼も低い。

 だが、住宅部門が回復しない限り、労働市場の足場も安定しないだろう。なぜなら住宅部門は建設労働者だけでなく、不動産仲介や家具販売にかかわる人々、トラック運転手、技術者、その他多くの人々に対し、直接的または間接的に多数の雇用を提供しているからだと。

 政府が何らかの形で不動産開発業者の大がかりな救済に乗り出さない限り、経済がこのわなから効果的に逃れられるとは考えがたい。
 しかし、ここ数年は住宅市場での投機や不動産業者の放漫経営を律することが政府のスローガンのようになっており、救済は政治的に至難の業だと、WSJ・ナサニエル・タプリン。
 大規模な金融危機が起きない限り、最も抵抗に遭いにくいのは、遅々とした足取りで前進し続けることなのかもしれないとも。

 しかし、中国経済を今日の世界第 2位の地位に引き上げた、鄧小平の改革開放経済を継承した共青団派を一掃した新習近平体制で、窮地の経済低迷から脱出できるのでしょうか。
 中国「住宅バブル崩壊」、金融危機は回避できるか 発端は恒大集団、政府が対策しても市場は低迷 | 特集 | 東洋経済オンライン



 # 冒頭の画像は、北京で恒大集団が開発するマンション



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