8月 1日の閣議で、平成18年版防衛白書「日本の防衛」が了承されました。
内容の特徴は、中国の軍事費の急増への懸念、中国空軍の日本近海における情報収集活動の警戒感、東シナ海で活動を活発化している中国海軍の狙いを「海洋権益の獲得」と指摘するなど、中国軍の「能力」だけでなく、その「意図」の分析を試みたことなのだそうです。(8/2 産経朝刊)
白書は、以下の頁で見ることが出来ます。写真の挿入が、昭和初期を連想させるのはセンスの古さを感じますが...。
白書を社説で取り上げたのは、産経、読売、毎日(8/3)がありますが、産経が特徴を最も良くくみ上げています。
白書では、国際テロを例示して、「今日の安全保障環境については、脅威が多様化、複雑化し、またそうした脅威がいつ、どこで顕在化するかを予測することが困難になってきている。」と言ったり、「アジア太平洋地域では、わが国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下している」と言ったり、その性格上ふらふらした表現ですが、産経の主張や記事では、簡潔に、中国の空軍と、海軍。北朝鮮のミサイルが"脅威"との特徴を抽出しています。
"脅威"については、民主党の前原誠司前代表が昨年暮れの訪米、訪中の際、「現実的脅威」と指摘。一方、小泉純一郎首相は「(中国の)軍事力の膨張について脅威と言ったことはない」と述べるなどの論争もありました。
政府は、公式には「『脅威』は、侵略しうる『能力』と侵略しようとする『意図』が結びついて顕在化する。政府として、中国が日本侵略の『意図』を持っているとは考えていない」(1月に閣議決定した答弁書)としていたのですが、今回の白書では、"脅威"と言う言葉を使用しかつ、中国海軍の"意図"にもつっこみを入れています。
日中で、共同開発の協議を進めている東シナ海ガス田では、白樺の全面操業が始まったようです。
日中中間線付近「白樺」ガス田、中国は開発生産段階に (読売新聞) - goo ニュース
8/15には、香港の反日団体「保釣(釣魚島防衛)行動委員会」が、尖閣諸島内の島に上陸する計画を明らかにしているそうです。(8/3 産経朝刊)
白書でも要望していますが、省に昇格させ、"脅威"から日本の国民と国を護らねばならないことが、身近になり、しかも急務なのです。
ここで白書が具体的に踏み込んだ表現をしていることは、称賛するべきであり、内容の実現に、尽力すべきです。
外務省も、異例のことなのだそうですが、期中に組織替えをして、アジアの外交の強化をするのだそうです。冒頭の写真は、その発足式の様子です。
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EEZ日本の国境胡錦涛の反日行動計画日本は国境を守れるか海が日本の将来を決める中国は日本を併合する
内容の特徴は、中国の軍事費の急増への懸念、中国空軍の日本近海における情報収集活動の警戒感、東シナ海で活動を活発化している中国海軍の狙いを「海洋権益の獲得」と指摘するなど、中国軍の「能力」だけでなく、その「意図」の分析を試みたことなのだそうです。(8/2 産経朝刊)
白書は、中国の公表国防費が「過去18年間で名目上、13倍の規模になった」と説明。「今後、前年度比15%前後の伸び率で国防費の増額を継続していけば、2008(平成20)年には、わが国の防衛予算を大きく超える」と警戒感を示した。また、海上戦力は昨年の白書で記述した艦艇約750隻から約780隻、航空戦力は作戦機約2,390機から約3,530機に増強。弾道ミサイルの開発も活発で、核を搭載できるミサイルの開発すら進んでいるという。
こうした中国軍の軍拡路線については、民主党の前原誠司前代表が昨年暮れの訪米、訪中の際、「現実的脅威」と指摘。一方、小泉純一郎首相は「(中国の)軍事力の膨張について脅威と言ったことはない」と述べるなど、賛否両論があった。
政府は、公式には「『脅威』は、侵略しうる『能力』と侵略しようとする『意図』が結びついて顕在化する。政府として、中国が日本侵略の『意図』を持っているとは考えていない」( 1月に閣議決定した答弁書)と表明している。
ただ、今回の白書では「意図」にも言及。中国海軍の目標として海洋権益の獲得や維持、保護などを挙げた。空軍の意図についても「わが国に対する何らかの情報収集活動に従事」と分析。中国機に対応するための航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)の急増を示す図表も掲載した。
こうした中国軍の軍拡路線については、民主党の前原誠司前代表が昨年暮れの訪米、訪中の際、「現実的脅威」と指摘。一方、小泉純一郎首相は「(中国の)軍事力の膨張について脅威と言ったことはない」と述べるなど、賛否両論があった。
政府は、公式には「『脅威』は、侵略しうる『能力』と侵略しようとする『意図』が結びついて顕在化する。政府として、中国が日本侵略の『意図』を持っているとは考えていない」( 1月に閣議決定した答弁書)と表明している。
ただ、今回の白書では「意図」にも言及。中国海軍の目標として海洋権益の獲得や維持、保護などを挙げた。空軍の意図についても「わが国に対する何らかの情報収集活動に従事」と分析。中国機に対応するための航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)の急増を示す図表も掲載した。
白書は、以下の頁で見ることが出来ます。写真の挿入が、昭和初期を連想させるのはセンスの古さを感じますが...。
18年版防衛白書メニュー画面
未来に向けた確かな安全保障のために
わが国の平和と安全および国際社会の平和と安定を確保するためには、わが国を取り巻く新たな安全保障環境を踏まえて、さまざまな施策を総合的に講じる必要がある。防衛力が担う役割は、その中でもとりわけ重要である。
今日の安全保障環境を見ると、米国の9.11テロに見られるとおり、従来のような国家間の対立のみならず、国際テロ組織などの非国家主体が重大な脅威となっている。大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の進展、国際テロ組織の活動など新たな脅威や多様な事態への対応が、国際社会にとって差し迫った課題となっている。
わが国の周辺においては、依然として核戦力を含む大規模な軍事力が存在するとともに、多数の国が軍事力の近代化に力を注いでいる。また、朝鮮半島や台湾海峡をめぐる問題など不透明、不確実な要素も残されている。
このような情勢を踏まえ、04(平成16)年12月に策定された「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱」(以下「防衛大綱」という。)では、1)わが国に直接脅威が及ぶことを防止し、2)国際的な安全保障環境を改善するというわが国の安全保障の目標が示されるとともに、これらの目標の達成のため、1)わが国自身の努力、2)同盟国との協力、3)国際社会との協力という3つのアプローチを統合的に組み合わせるとしている。
未来に向けた確かな安全保障のために
わが国の平和と安全および国際社会の平和と安定を確保するためには、わが国を取り巻く新たな安全保障環境を踏まえて、さまざまな施策を総合的に講じる必要がある。防衛力が担う役割は、その中でもとりわけ重要である。
今日の安全保障環境を見ると、米国の9.11テロに見られるとおり、従来のような国家間の対立のみならず、国際テロ組織などの非国家主体が重大な脅威となっている。大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の進展、国際テロ組織の活動など新たな脅威や多様な事態への対応が、国際社会にとって差し迫った課題となっている。
わが国の周辺においては、依然として核戦力を含む大規模な軍事力が存在するとともに、多数の国が軍事力の近代化に力を注いでいる。また、朝鮮半島や台湾海峡をめぐる問題など不透明、不確実な要素も残されている。
このような情勢を踏まえ、04(平成16)年12月に策定された「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱」(以下「防衛大綱」という。)では、1)わが国に直接脅威が及ぶことを防止し、2)国際的な安全保障環境を改善するというわが国の安全保障の目標が示されるとともに、これらの目標の達成のため、1)わが国自身の努力、2)同盟国との協力、3)国際社会との協力という3つのアプローチを統合的に組み合わせるとしている。
白書を社説で取り上げたのは、産経、読売、毎日(8/3)がありますが、産経が特徴を最も良くくみ上げています。
白書では、国際テロを例示して、「今日の安全保障環境については、脅威が多様化、複雑化し、またそうした脅威がいつ、どこで顕在化するかを予測することが困難になってきている。」と言ったり、「アジア太平洋地域では、わが国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下している」と言ったり、その性格上ふらふらした表現ですが、産経の主張や記事では、簡潔に、中国の空軍と、海軍。北朝鮮のミサイルが"脅威"との特徴を抽出しています。
Sankei Web 産経朝刊 【主張】防衛白書 周辺の軍備増強に警戒を(08/02 05:00)
18年連続で2ケタの伸び率を示した中国の国防費による軍事力近代化は、最新鋭のF15戦闘機と同程度の能力を有する戦闘機数に現れている。1996年に37機だったのが、2005年には331機に激増した。同じ期間に極東ロシアも125機が242機になり、日本は約200機のままだ。
こうした近代化により、わが国周辺空域では中国機の活動が「これまでになく活発」となり、日本に対する情報収集活動を繰り広げていることに「注目が必要」としている。
中国海軍に関しても東シナ海の日中中間線に位置する中国ガス田付近を最新鋭艦艇を周回させていることに言及、「(能力は)中国近海を越えて拡がっていく」と懸念を示している。
注目されるのは、中国海軍の海洋活動の意図を初めて分析したことだ。具体的には(1)自国防衛(2)台湾の独立を抑止・阻止するため(3)海洋権益の獲得・保護など-としている。
「脅威」とは、侵略の「能力」と「意図」が結びついて顕在化するというのが政府見解だ。白書は「中国の防衛に必要な範囲を超えるものではないのか慎重に判断されるべきだ」と昨年と同じ抑制的な表現にとどめた。
だが、実態は自国防衛に必要な範囲を超える能力を持っている。権益確保などの意図と能力が結びつくだけでも、日本にとっては現実的な脅威になりうることを考えるべきだろう。
中国への配慮から客観的記述を損なうようなことはあってはなるまい。
周辺国の今年度の国防費は、中国の前年度比14・7%増を代表に、ほとんどが増額している。韓国8%増、台湾2%増、ロシアは25%増である。
この中で日本だけが4年連続で防衛費を減らしている。効率化は必要だが、国民の安全を守ることができる防衛力確保こそ国家の最大の責務だ。
18年連続で2ケタの伸び率を示した中国の国防費による軍事力近代化は、最新鋭のF15戦闘機と同程度の能力を有する戦闘機数に現れている。1996年に37機だったのが、2005年には331機に激増した。同じ期間に極東ロシアも125機が242機になり、日本は約200機のままだ。
こうした近代化により、わが国周辺空域では中国機の活動が「これまでになく活発」となり、日本に対する情報収集活動を繰り広げていることに「注目が必要」としている。
中国海軍に関しても東シナ海の日中中間線に位置する中国ガス田付近を最新鋭艦艇を周回させていることに言及、「(能力は)中国近海を越えて拡がっていく」と懸念を示している。
注目されるのは、中国海軍の海洋活動の意図を初めて分析したことだ。具体的には(1)自国防衛(2)台湾の独立を抑止・阻止するため(3)海洋権益の獲得・保護など-としている。
「脅威」とは、侵略の「能力」と「意図」が結びついて顕在化するというのが政府見解だ。白書は「中国の防衛に必要な範囲を超えるものではないのか慎重に判断されるべきだ」と昨年と同じ抑制的な表現にとどめた。
だが、実態は自国防衛に必要な範囲を超える能力を持っている。権益確保などの意図と能力が結びつくだけでも、日本にとっては現実的な脅威になりうることを考えるべきだろう。
中国への配慮から客観的記述を損なうようなことはあってはなるまい。
周辺国の今年度の国防費は、中国の前年度比14・7%増を代表に、ほとんどが増額している。韓国8%増、台湾2%増、ロシアは25%増である。
この中で日本だけが4年連続で防衛費を減らしている。効率化は必要だが、国民の安全を守ることができる防衛力確保こそ国家の最大の責務だ。
"脅威"については、民主党の前原誠司前代表が昨年暮れの訪米、訪中の際、「現実的脅威」と指摘。一方、小泉純一郎首相は「(中国の)軍事力の膨張について脅威と言ったことはない」と述べるなどの論争もありました。
政府は、公式には「『脅威』は、侵略しうる『能力』と侵略しようとする『意図』が結びついて顕在化する。政府として、中国が日本侵略の『意図』を持っているとは考えていない」(1月に閣議決定した答弁書)としていたのですが、今回の白書では、"脅威"と言う言葉を使用しかつ、中国海軍の"意図"にもつっこみを入れています。
日中で、共同開発の協議を進めている東シナ海ガス田では、白樺の全面操業が始まったようです。
日中中間線付近「白樺」ガス田、中国は開発生産段階に (読売新聞) - goo ニュース
8/15には、香港の反日団体「保釣(釣魚島防衛)行動委員会」が、尖閣諸島内の島に上陸する計画を明らかにしているそうです。(8/3 産経朝刊)
白書でも要望していますが、省に昇格させ、"脅威"から日本の国民と国を護らねばならないことが、身近になり、しかも急務なのです。
ここで白書が具体的に踏み込んだ表現をしていることは、称賛するべきであり、内容の実現に、尽力すべきです。
外務省も、異例のことなのだそうですが、期中に組織替えをして、アジアの外交の強化をするのだそうです。冒頭の写真は、その発足式の様子です。
↓ よろしかったら、お願いします。
EEZ日本の国境胡錦涛の反日行動計画日本は国境を守れるか海が日本の将来を決める中国は日本を併合する
脅威=侵略の能力+侵略の意図
だとすれば、白書の表現は以下のレベルかな。
台湾への外国軍隊の介入を抑止または阻止能力=△~○
抑止または阻止の意図(侵略より先の段階)=◎
海洋権益を獲得し、維持および保護する能力=○
権益獲得の意図=◎
>権益確保などの意図と能力が結びつくだけでも、日本にとっては現実的な脅威になりうることを考えるべき
尖閣の共同開発の交渉をして、白樺の開発は無視して進行する。その背景に、軍事力の拡充を進め、デモで威嚇する。
侵略と言ってもよい意図が見え隠れしていますね。能力は、いずれ米軍に追いつこうとの目的で拡充が進められていますので、十分あります。
"脅威"としての対応策検討が必要ですね。