Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

K20 怪人二十面相・伝

2009-01-05 | 日本映画(か行)
★★★★☆ 2008年/日本 監督/佐藤嗣麻子
<TOHOシネマズ梅田にて鑑賞>
「予想以上の出来映え」

大の乱歩好きの息子と鑑賞。
うん、日本でもこれだけの痛快アクション劇ができるようになったんですね。すばらしい。しかも、女性監督ですか。ハリウッドの映画作品たちとの類似点をご指摘する声も多いけれど、じゃあハリウッドに近い完成度で仕上げられるのかって、なかなか実現できるもんじゃありません。本作はエンタメとしての面白さは十分に確保しているし、パルクールを取り入れたアクションも見応えがあるし、なんたって、金城武かっこいいし!彼の日本語がどうのこうのって意見もあるけど、存在感で完璧にカバーしてるじゃない。走って、飛んで、絵になるスターが日本人俳優に見あたらないもの。これ、当たり役にして欲しいなあ。ぜひともシリーズ化希望します。

「三丁目の夕日」は嫌いですけども、今回は仮想都市帝都のCGと生身のアクションがうまく融合しています。 コミカルな松たか子もいい味出してますし、シブ親爺好みとしては、これでモーガン・フリーマンごとく國村隼にもブレイクして欲しいっす。 あの役どころは完璧「バットマン」に酷似ですもんね。でも、こっちは資産家の右腕ではなく、泥棒長屋のオヤジってのが、いいじゃないですか。

ラストは「そんなアホな」ですけど、「まあそれもアリだよね」と。やはり、そんなアホなで終わってしまうのと、それもアリだよね、と思わせる、この境界線こそエンタメの一番大切なポイントだろうと思うんですよね。それは、やっぱり全体的なバランスがいかに取れているかということだろうと思うんです。仲村トオルを初めとする役者陣の大げさなセリフ回しも、アクションシーンやCGに手を抜いていないからこそ、きちんと成立してくるんだと思います。「踊る大捜査線」で一気に有名になった製作会社の「ROBOT」ですけど、多くの本数を手がける内に完成度の高いエンタメを作る実力を付けてきたんだなあという感じ。5月に公開の「重力ピエロ」もROBOTが絡んでいるので、ちょっと楽しみになってきました。