Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ジーザス・キャンプ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~

2012-04-18 | 外国映画(さ行)
★★★ 2006年/アメリカ 監督/ハイディ・ユーイング/レイチェル・グラディ
(DVDにて観賞)


「子どもは何にでも染まる」

ブッシュ政権下のアメリカ。フィッシャー女史が主催するキリスト教福音宣教会では、子どもたちのサマーキャンプに向けての準備が始まっていた。福音派は“キリスト教原理主義”とも呼ばれ、聖書に書いてあることを“すべて真実”としている。だから地球や人類が誕生したのはたかだか六千年ほど前で、「人は神が創ったもので、進化論はウソ」と子どもたちに教えている。福音派の子どもたちが行くサマーキャンプでは、子どもたちが神を称え、トランス状態に…。

最近、「ふしぎなキリスト教」という本を読みまして。
日頃からこのうさんくさい宗教に疑問を持つ人間としては
ずいぶん納得させられることが多かったです。

それはさておき、この映画では「キリスト教原理主義」のカルト的な側面がこれでもかと描かれており、
日本人なら誰でもオウム真理教を思い出さずにはいられないでしょう。
とりわけ、スポットを当てられているのは、入信を決める子どもたちの様子です。
教団の幹部であるフィッシャー女史が、人口の3分の1いる子どもを狙うのは当たり前と言っていて完全に戦略なワケです。
子どもを手名付けるのは簡単だということで、大人よりも子どもを狙って入信を促す。

ゴッド万歳!みたいなロックバンドがいたりして、それも入信させるための手段のひとつ。
手を変え、品を変え、子どもたちを入信させて、キャンプに来させる。
そして、明けても暮れても、日々マインドコントロールに打ち込むんですよ。
すっかり洗脳された子どもたちが神を叫んで涙を流す様子が本当に怖い。

教団のやってることが憎々しいのはもちろんだけど、
子どもって、本当に何にでも染まるんだなって、つくづく思わされる。
大人の言うことに見事に誘導されてしまう。
教団の存在よりも、むしろそのことが心に残った。
彼らの未来はどんな風になってしまうんだろう。