Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

シザーハンズ

2012-04-23 | 外国映画(さ行)
★★★★☆ 1990年/アメリカ 監督/ティム・バートン
(DVDにて鑑賞)


「のめり込める世界観」



愛する人を抱きしめられない。これ以上悲しいことはないですね。
手がハサミになっているから、とんでもなくクリエイティブなことはできるんだけど、
普通の日常生活では凶器になってしまうこともある。
自分を生み出した博士が死んでしまったことを考えると、
エドワードは親の愛を受けずに育った子どものようである。
愛を知らない人間が初めて愛を知り、それを表そうとするけれども、
どう表していいのかわからない。
大人のファンタジー作品として非常に良くできた作品だと思います。

目のくぼんだ不気味な形相。
この異形のキャラクターをジョニー・デップは見事に演じていて、
誰もがエドワードの哀しみを共有します。
私が気に入ったのは、カラフルな街の様子です。
様々なビビッドな色で壁を塗られた家たち。
これらの見た目は一目でこの世界がファンタジーであることを示しているのですが、
おとぎ話としての世界観が実に完璧に仕上げられているため、
観客はすっかりこの世界の住人となり、まるで我が家の隣にエドワードが引っ越してきたかのごとく、
物語に入り込めてしまうんですね。

ファンタジー作品は、なかなかその世界に入り込めないためあまり好きなジャンルではないのですが、
ティム・バートンは観客をファンタジーの世界に引き込むチカラを持った人だと思う。