うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

のんきなトラフグ

2006年12月16日 08時50分43秒 | わたしの日常です。

 先日の昼前のこと、駅前からのバスのアクセスが良くなく、北九州空港で2時間半も時間が空いた。時間つぶしのために、搭乗手続きを済ませてわたしは土産物店をくまなくのぞいて歩いていた。案内のアナウンスとBGMはうるさくても人影少なく静かな雰囲気だ。
 そこでふぐ専門の店にふらふら立ち寄った。端の方にあり、あまり気にも留めなかったのだが、入り口でガラスの水槽で泳いでいるとらふぐを見つけた。わたしはジィーと吸い寄せられるようにそれを眺める。
 30センチぐらいでグレイの体色のさまざまな大きさの黒く丸い斑点があり、目と鼻と口のある頭部がボックス状になっている。全体がぬめぬめした印象をあたえる。1匹は底の砂に体を3分の1程埋め、ほかの2匹は水槽の隅に口を付け泳いでいる。
 その、少々アンバランスな体形と間の抜けた顔の表情に思わず、気持ちがほぐれて、暫時、時間を忘れた。こりゃあ、川柳の世界だな、わたしに絵心があればいいのになあと思いながら。

 店の奥にいる、40歳中頃のおばさんにバツが悪く、‘いいですね、ふぐは’、
‘ふぐには、愛敬があるんですね’、‘わたしはたまに俳句を詠むんですよ’
などと相手の怪訝な口ぶりと対応に答える。
‘変なおじさんですが、もっと見ていていいですか’
‘どうぞ、どうぞ’

 ふぐ(地元ではふくと言う)は値段が高いから買ってこなくていいよ、と家内から常日頃言い含められていたわたしは、そこで意を決し混ぜご飯用と醤油で味付けした燻製を買った。
 それ以来、ひと月に数回出張で行くたびに、わたしはとらふぐを見ることになった。

  
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国博‘仏像’特別展と千葉市美術館‘浦上玉堂’展を見て廻る

2006年12月03日 19時13分41秒 | わたしの日常です。

 おととい、埼玉県朝霞市でのお客様への訪問のあと、池袋駅3時、同行者と別々になる。どうしても前から見たいと気になっていた12月3日で終わる美術展に行く。最近、金曜日は夜8時まで開いている。

 国立博物館の‘仏像’特別展。
 上野公園口からの、いつもどおりの交番前の大木の楡欅の下では、ペルー人3人組が哀愁漂う軽快な民族音楽(フォルクローレ)を演奏している。小兵で異風のなりでかなでる光景を見に少しの間立ち止まる。いい稼ぎ場のようだ。
 わたしは冬枯れの情景を噛みしめながら、大きな噴水池のあるエリアを抜ける、そこの正面に博物館の入口があるのだ。
 それにしても凄い人の数だ。何かあったのか。実は平成館に入場しても拝観客でごった返している。この人たちは本当に木彫の‘仏像’展などという地味なものに関心があるのか。
 わたしはたじろぐ。
 良かったのは奈良の珹寺(れんせいじ)の聖観音菩薩立像、滋賀の向源寺の十一面観音菩薩立像のみ、ほかに円空と木喰上人の作品群をまとめて見られたのがよかった。
 記憶があいまいであるが、昨年だかに見たものは良かった。宗教的な峻厳さを背景にして芸術的に造形力にすぐれ生動感があふれていた。こういうものは一級品を先に見ておかないと、所詮、上滑りなミーハー趣味になってしまう。京都、奈良観光などは花見、紅葉、庭園だけがいいのではなく仏像もいいので実見を薦める次第である。
 這々の体よろしく、小一時間ほどで出て本館前のベンチで休み煙草を吸う。この場所は造園業界では日本で数少ない老大木で知られているユリノキの下になる。それを舐めるように見ながら、すでに、師走に入り今日は暖かい薄暮に、しばし昔日を思う。

 千葉駅に着いたのは6時を過ぎバスで美術館に向かう。ここは友の会会員なのでフリーパスで入る。
‘浦上玉堂’展があり、期待感に膨らんでいたのだが、がっかり。
 50代で岡山を脱藩し出奔、即興的な黒白の水墨画の集積であるがわたしはあまり評価しない。二、三の行書の扁額はいいが。
 気が付くと、美術館の前のプラタナスの街路樹が早々とスケルトン状に剪定、落ち葉処理簡便化のほかに、都市公害のひよどりの糞害と営巣を防ぐ為であろう。この前の夏過ぎに来たときは多数のひよどりが飛び交い、鳴き声の騒音と路上の白い糞がひどかった。
 今日は歩き回った肉体の疲れもそうであるが、おつむの脳漿より、どうも気持ちが凹んでしまったようだ。

 
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