うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

昨日は幕張メッセへ

2010年10月31日 06時57分29秒 | わたしの日常です。
昨日は、太平洋上を台風14号が北上しつつあるなかで土砂降りの雨の午後、幕張メッセへいく。近くに海をひかえてマリンスタジアムがある。三日間の最終日であった。エクステリア・ガーデン・フラワーの展示会。大まかな内容は花卉や園芸、緑化関係のイベントである。
 近場だと思い出掛けたのだが、ここは久しぶりなので迷いつつ、わたしのうちから車で一時間はかかった。交通的に移動時間をあらわす ‘時間地図’上では、馴れれば40分の範囲だろう。
 会場では、以前、わたしが新規事業の企画で関係した 「屋上緑化」の福岡の会社のブースを探したが見当たらず。直前に参加を取りやめた模様だ。前日の長距離電話でその当時の知人に話したところによると、どうも、その後この部門の業績がおもわしくなさそうだった。
 以下の感想はわたしなりの独白である。
 ふつう、花や園芸関係というと、服飾のファッションショーではないが、盛りだくさんの花の色や香りにつつまれてにぎあうものだが、係員や関係者の顔色を見ても、業界全体の不景気もあるだろうが妙に厳しく浮かぬ顔でいる。ここは一般の入館者向けではないにしても、展示内容や考え方に余裕がないせいか、必要であろう華やかさとは無関係であった。
 わたしは、おもに園芸専門の書籍展示をひやかし、これはと思った造園CADや園芸専門のカタログをいただいた。
 今回は、30年以上この業界にいるが知人にぶつからず、さみしい思いだ。世代の入れ替わりもあるだろうが、がっかり。ぐるぐる全部をまわって2時間ほど。強い雨脚の衰えぬまま、這う々々の体で帰ってきた。
        
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フェイジョアの苗と果実

2010年10月30日 05時23分52秒 | オリーブ・フェイジョア栽培日記
大型の台風14号がこの関東にも来るか来ないか、覚束ない日々がつづいている。
 こちらの栽培地は地理的には千葉県中央部ですが、当地では今年の実の収穫は遅れています。フェイジョアの果実は樹上成熟し、自然落下したら拾うということになりますが、未だ遅しと待っている状況です。大きさは残念ながら例年と比べて2,3割程度小さくて小粒です。
 とはいえ、日ごろのアバウトな人間性の故もあるが、さきほど数をかぞえたら、150ケはゆうにありそうだ。この品種の特徴か育て方のせいか判明していないが、毎年、豊作のようである。
 問題は甘さ、美味しさをあらわす糖度が例年よりはどうか。
 わたしの予想では他の関東地方、それ以外の地域と比較して当地では秋の果樹類の出来具合は良くて、こちらではフェイジョアの糖度が高いものとおもわれます。
 
≪撮影:10月29日午前 8時00分≫




     ≪撮影:10月26日午前 8時30分≫

       
 これは、今春播種し先日鉢上げした苗です。背丈は 5~ 20cmmほど。きわめて根がよくて、その後、順調に伸び続けている模様です。
       
それに対して、これは一昨年の9月に挿し木したもの。昨年から、一部、開花を見ている。背丈は25~ 60cmになります。

※今後とも、逐次、フェイジョアの果実の収穫までの情報を画像にて掲載していきます。どうぞ、ご期待ください。

フェイジョアの果実や苗の頒布については、あらかじめ現時点で大雑把に以下のようにまとめておきます。ご了承ください。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.フェイジョア果実収穫予定量: 5.0~7.0kg およそ80ケ以上 150ケ以内
  長楕円形 1ケあたり 直径3~4cm 長さ7~ 8cm 重さ80.0~100.0g 
2.収穫時期: 自然落下時 11月上旬から下旬
3.品種名: ‘クーリッジ’
4.販売個数: 1パック10ケ前後
5.販売価格:
 値段については市場の流通性が乏しくて、実はまだ、決められずにいますが、その都度の個別対応による、応相談価格とします。例えば、これは参考価格ですが、ある通販サイトでは 1.0kgあたり¥2.000.で売られているようです。
6.荷作り・宅配便代金:¥1,200
7.発送時期: 11月上旬以降
8.フェイジョア苗木の販売: 小----20pot 中----4pot
 率直に申し上げて積極的には販売しておりませんが、どうしても入用な方については値段をその都度ご相談させてください。
 この苗木は自家栽培品です。発送時に果実と同一梱包の荷姿も可能です。ただし、現在のところは自家授粉の結実品種、‘クーリッジ’の一種のみです。(‘トライアンフ’養生中)
9.ほかはギボウシの販売と同じように、メール上でお客様と注文内容を確認の上で、指定の銀行口座へ入金していただき、それを確認後即日発送いたします。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 購入の受付けやコメント、お問い合わせに際しての連絡は下段のコメント(0)をクリックするか、少々面倒ですがこちらのH・P 有限会社グリーンワークスから入り、お問い合わせフォームにてのメール等でお願いいたします。
      
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楚々とした、茶の花

2010年10月29日 04時55分06秒 | ガーデニング・庭づくり

 これは茶の花です。先日アップした ナンテンハギを再度、現地で確認しようとしたら見つかったものです。道端の林にに紛れ込んでブッシュとして生えていた。 アズマネザサ(篠竹)など藪の中の白い小花は意外と目につくものである。その場所は植生上、植物群落的にはマント群落というのでしょうか。
 ここで簡単に学習すると(!)、
 林の縁部は、 ヌルデ、 タラノキ、 ウツギ、 キブシなどの低木や イワガラミ、 ツルアジサイ、 サルナシなどのツル植物が繁り森林を被っています。この低木やツル植物の繁っているところを「マント群落」、草の繁っているところを「ソデ群落」と呼んでいます。マント群落は、結果として森林の傷付いた部分をいち早く覆って林内への日照の到達・風の吹き込みを減少させ、林内の湿度を保つ働きがある。
 ソデ群落はマント群落の更に外側に位置する草本を中心とする群落である。ソデ群落は林内から栄養分が供給されるために栄養分的には良好な立地である。
 以上、おしまい(!)。


 わたしの住んでいる当地は、明治以降に開拓された地域であり、まだ落花生作りが盛んになる前はお茶の栽培が大々的におこなわれていて、これはその名残りでしょうか。小さな製茶工場もまだあります。
 つばきの仲間はこの チャを始めとして、これから サザンカが咲きます。やがて早春の ツバキに至ります。またこちらでは、畑の防風や防砂目的、境界の垣根にも使われますが、ツバキ科の中では刈り込みは茶摘みするぐらいだから適しているのだが、根が粗く植え付けに注意が必要な樹木になります。

 飲用茶とは言え、なんにもないところで楚々とした風情を醸しだす。
 茶の花を鑑賞するには花活けが一番いいようだ。それも一種で活けるに越したことはない。

 花壇や庭・植物のご相談に際して、連絡方法は下段のコメント(0)をクリックするか、少々面倒ですがこちらのホームページから入りお問い合わせくださいませ、ませ。
       
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秋色の中の、清々しいギボウシ

2010年10月28日 16時39分18秒 | ぎぼうし栽培日記

 これは、ギボウシ『ステンドグラス』です。先日、木枯らし一号も吹いて晩秋に差しかかっても、そんなに葉色がおとろえない、変わらずに美しくて清々しい質感をもっている。わたしの偏愛かもしれないが、こんなギボウシは少なくて貴重なものだ。
 この品種はわたしが入手してから栽培を始めて、2年と半年になる。在庫的には6号の鉢2、とBP1ポットであるが、黄金色のゴージャスな葉色と品のある葉姿、(萌黄色と言おうか)、たしかあまりにも、斑の入り方がきれいでどなたかに何鉢かプレゼントした記憶がある。わたしの中では贈答品の対象品種ということである。手元で育てている鉢ではあまり「後暗み」や「後冴え」をしないように見受ける。
 いちおう、これは系統的にはタマノカンザシ系で匂いギボウシになるが、微香という程度で、実は、あまり期待できるものではない。
 
 ステンドグラス:グァカモールの突然変異種。
(中型大丸葉・黄緑色濃緑覆輪・波打ち葉・白花・花茎;中・結実;× 芳香花・・・芽出し;中・成長度;早・伸長時期;春)

 下の画像にて、この夏の開花直前のものと現在の様子を比較してみる。
      
      ≪撮影: 7月30日午後 3時30分≫

      
     ≪撮影:10月26日午前 8時30分≫

【販売品種・希望価格】
[匂いギボウシ]
 ステンド グラス    ¥1,200.

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 現在、ギボウシは開花の真っ最中、公開販売中です。どうぞ、7/15付けの下の記事をクリックしてご覧ください。そして、購入をご検討ください。
 夏、初秋向けぎぼうしの販売価格です!!---平成22年下半期
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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姫秋明菊と桔梗

2010年10月27日 07時06分00秒 | 俳句・短歌、またはエッセイ
          

 ・菊の香や垣の裾にも貴船菊     水原秋桜子

 ・桔梗やおのれ惜しめといふことぞ  森 澄雄


 ※貴船菊=秋明菊(×:名→明)

 めっきり寒くなり陽気は秋冷に至る。
 そぞろに、しかもしっかり背中の方から秋が近づいてくる。
 これは、珍しく、写真の題材として庭先のテラスで両者の接近風景をとらえたシーンだ。
 この頃季節がポキポキと移り変わる感じだ。
 この感じは、たとえば、若い時にはバロック音楽、イ・ムジチの ヴィヴァルディの“夏の嵐”、それに合奏曲 “四季”の第三楽章を よく聴いたものだが、アレに似ている。
 わたしにはあのクレッシェンドの曲の旋律が似合う年代なのだが、
 しかし、今は何処にありや。

 以上、妄言を連ねた。  
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紫苑のある光景と、発送準備

2010年10月26日 09時19分59秒 | 庭木・草花Web直販サイト
       

 日毎、秋色がだんだん濃くなってくる。森羅万象、世の中は、紅葉狩りのシーズンの真っ只中だ。しかし、 紫苑のまわりはしんとした空気につつまれている。
 ここでは、わたしの大好きな 紫苑が、しつこく三度び、登場する。
 これはずーっと見続けているが開花期間が長い、この分ではかれこれ一カ月は咲き続けるのだろうか。しかし、なんだか花の色から紫味が消えていくようだ。まるで、漂白されていくようである。
 さっき、 紫苑の評判をチェックしようと、ウェブでネットサーフィンしたら植物自体の記事が少ないことにおどろく。それが、何らかのネーミングにのみ利用している、ゲームソフト、アニメや喫茶店とか衣服、妖しいサイトのタイトルの記事がズラズラッーとのっかっている。してみると、多分、世の中の成り立ちは安直に出来ていて自前のイマジネーションを持てずにいるのだろう。
 紫苑の名称、もとはすべからく、この植物名に由来するだろうに。なんだかわたしは、ガサガサと軽薄で猥雑で嫌な感じだ。実態のないバーチャル、イミテーションの世界で気取ってもしょうがないだろう。

     
 下は、紫苑苗の発送用の鉢である。これは昨年株分けしたもので、この夏から秋にかけて新芽が出て鉢自体が根で充満している様子がわかる。よく見ると、一部草茎が生きて折れているが、ここでは今は塊根を太らしておく時期なのでそのままにしてある。しばらくして地上部が枯れてきたら、なん株かに分ける必要がありそうだ。露地植えであればそのままでもいいのだが。 
    ≪撮影:10月 26日午前 8時30分≫


  
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水引の野草が3種類になった。

2010年10月25日 02時53分59秒 | ガーデニング・庭づくり
     

 たまたま、どういうわけか 水引(草)が3種類あつまった。従来、近場の山林から掘ってきた赤花のものに加えて、散り白斑入り葉のものと、白花の水引である。開花は今、やや最盛期を過ぎている。赤花は昨年庭に植えたのだが、やたらと実生であっちこっちから芽生えている。種子繁殖の特性がありきわめて発芽率がよろしいらしい。そして、他の品種もなんだか知らないうちにそろっちゃった。単なる野草だが、この植物は遺伝的に、結構、突然変異を起こすものらしい。
 ついでに記す。以前このブログで紹介した 金水引はこの仲間とは異なり、バラ科キンミズヒキ属なのだが、やたらとこの実が衣服にくっつくのだ。あらためて調べると、別名 ひっつき草とも呼ばれているらしい。

     

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<われわれはいまーーー>--吉本隆明の詩⑥

2010年10月24日 05時23分57秒 | 吉本隆明さんはどう考えるか・・・

 随分と間合いがありましたが、今回は吉本隆明の詩シリーズの最終版です。この詩は素直に発想されていてきわめて平易な内容、一見、労働者が描いたようにみえる詩です。日々のこまごまとした暮らしの事象から思惟的に幻想の世界に広がり、深まっていく。日常の感覚から鉛直的に体内感覚へ思考とイマジネーションが展開する、あるいはひとことで生理感覚と言えばいいのかな。わたしとしてはわりかし好きなセンテンスとフレーズのつらなりです。

<われわれはいまーーー>

われわれはいま平穏な日々を生きている
きょう一と月の給料が支払われたということは
すくなくともここ数日の平和である
その先にある日々に小銭がもたされるということも平和である
父が心臓の発作で臥せたり起きたり
ときに電話口にききなれたアクセントを響かせることも
母が老いて寝こんだり起きたりして
ときにその涙を電話口の声にきかせることも
孤独な娘が背たけを毎夜すこしづつふやしてゆくことも
時が流れるようにしずかに平和である

すぎた日の恋唄が
鋭い口をきらりとみせながら
冬の果実のように実のってゆくことも平和である

ところでわたしのこころよ
あるかないかの白い毛髪を
一本一本と道標にたてて
歳ごとに重さをくわえてゆく頭骸のなかで
それは内臓されているか?
もうすこし下の心臓のどっくという轟きのなかに
秘されているか?

またそれは
ひとつの事件の記憶のなかに
ゆきつもどりつして去りがてにしている思想のなかに
白い花を投げ入れるほどの
余裕をもっているか

われわれはいま深い井戸の底にいるようである
わたしのこころはそのなかで一段と無口のようである
<きみ Beispiele 1 は Epoxid harz のことかな>
<ああそうです>
これが日々の職業だ
ああそうだ
すべての生活というものは無言を包括するために
拡大してゆく容器をもっている
彼女がわたしにたのんだ
京葉の漬物とさと芋と人参と豚肉を買うことを
そこでわたしが出掛けた
ひとつの冒険へだ

わたしの手のなかにはすぐ空になるほどの小銭と
ヴィニールのふろしきがあるだけだ
けれどいつかの日かとおなじように今日
わたしあるいはわたしの骨になった幻は
そのようにさりげなく深い拠点から
出発する

「模写と鏡」 (昭和39年) 所収
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煙草の喫煙量を減らすこと!!

2010年10月23日 06時07分03秒 | わたしの日常です。

 この10月になってから煙草の販売価格が高くなった。買いづらくなり、まことに残念な事態だ。
 わたしが吸っているショートホープ(10本入り)1箱が ¥150.から¥220.へと、なんと、5割近い値上がりだ。わたしにとっては大問題だ。
 これでも、喫煙歴48年目になるのだが、頑固一徹、わたしのようなヘビースモーカーにとって大変なことである。わたしは、今はしょうがなくて、一日40本から15本へ本数を減量中の毎日だ。そのあいだ、押し寄せる(?)妙な空腹感と間断時間を置いての喫煙時のクラクラ感に耐えている。
 わたしの場合、好みの銘柄は ハイライト→ショートピース→新生→ショートホープ の順に変化している。嗜好品は、料理の味付けも辛く濃い方だしお酒もそうだが、いづれもキツイ味のもので、煙草の場合もそうだ。
 既にコマーシャルもテレビは禁止になって久しいし、最近、週刊誌にも掲載されていないようだ。煙草の喫煙者を減らすこと、これが世間の世のならいだ。世界的にWHOなどから提唱し、喫煙者や受動副流煙の影響での健康被害を防止するためとされている。なにが世界的かは知らないが、わたしにはそんな立派な生き方を他人に押しつけるほどのことはしていないし、誰でもがその生きて存在していくこと自体に正義や理念があるわけではない! わたしには正しいと言い続ける人に正しい人はいない、と苦い感じを持つのみだ。ただただ、その行為自体を含めた物事の瑕疵や痛みを忘れないように自覚していればいいだけの話である。それが物事の道理だ。
 ところが、今じゃ、多勢に無勢。わたしは、こんな、日本人の牢固とした、相変わらずの影響されやすさに辟易する。
 八つ当たりの意見を続ける。たとえば、日本はアメリカ発の情報や社会情勢に流されやすい。古くは‘イラク核兵器開発疑惑’や‘メタボリックシンドローム’にみられる通りに過ちが多い。熱しやすく冷めやすい、付和雷同型の日本人の国民性。
 ではなぜ?
 現在の自分は、収入減の暮らしがしばらくはつづく。今後もそうかもしれない。であれば、「入るを量って出ずるを為す」の通りだ。なんとも哀しい話だが、わたしの生活上の必要経費として支出を抑えなければならない。しこうして、被害妄想気味にわたしの泣き笑いの日々がつづく。
           
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ナンテンハギという草木

2010年10月22日 05時03分31秒 | ガーデニング・庭づくり
     

 わたしは、金輪際、今までこんな木があるとは知らなかった。これはこの間、栗拾いに行ったら、見つけたもので、濃い紫色の花が咲いていた。花が萩より大きくて、なんだかさやえんどうに似た花弁でぼってりしている。園芸品種かとおもっていたら、どうやら野生種のようだ。なんだか、万葉集とかの詩歌に季節を詠む草花として扱われているような気がする。
 そこで、わたしは花生けにしようかと折って持参したが、ひょっとしたら、これは挿し木できるかもしれない、と時期にもかまわず、今現在、鹿沼土に試している。
 これは、十分にランドスケープや都市の緑地に組み入れ可能な樹木だとおもう。秋の季節の淡い情景を演出、この季節の少ない花々のなかにこの草姿や花色はマッチングするだろう。希望的観測ではあるが、育てるのもやさしそうだ。
 相変わらず画像の出来が良くない。これは花も終わりしなのものです。

ちなみに、WEB上の説明では次のとおり。
・マメ科ソラマメ属の多年草で、学名は Vicia unijuga A. Braun。英名は Two-leaf vetch。別名で「ふたばはぎ(双葉萩)」とも呼ばれます。

※この箇所の文章は後記です。その後このようなデジタル情報内容にあきたらず正確な知識を得るべく、慎重を期して、手持ちの植物事典や図鑑で探したが見つからず、やっと以下の図鑑で見つけた。わたしのばあい、今まで何気なく造園・林業の範囲か自然保護の分野でしか探していなかったのでなるほどと合点がいったもの。本格的には植生や植物誌でしかあたれない植物種のようだ。この本では‘山菜’の項目で記載されていたので採録する。ちなみに言うと、いまだにこの本が斯界では日本最大の詳細な内容を網羅しているようである。
・別名で「アズキナ(小豆菜)」。日当たりのよい山麓の草地などに生える多年草で、2小葉からなる葉はナンテンの葉に似ている。若い茎葉はひたし物、あえ物などにし、飛騨高山ではアズキナとよび、栽培している。同じ属の Vicia nipponica M. も食べられる。 <青葉高>
 園芸植物大事典第2巻-- 総監修 塚本洋太郎--- 1988.10.10初版第一刷発行 小学館

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庭で採れた百合根を食べる

2010年10月21日 05時45分34秒 | ガーデニング・庭づくり

 鬼百合が2,3日前に地上の草茎が枯れて来たので、その後、大きな21.0cmのビニールポットをほじくり球根をとりだす。はたしてどのくらい球根が大きくなっているか、期待していた。うん、このくらいならまずまず、大丈夫だろう。3かけらはある。よしっ、この百合根を食べることにする。これは、たしか二年物だったかな。来年以降に繁殖させるため、新たにむかご(零余子)も播いたし鱗片挿しもおこなった。山百合に負けずとも劣らず、巷では、この鬼百合も大いに食用に供されているらしい。

 ちなみに、これは夏にこのブログで公開した、あの草丈のある堂々として鬼百合である。だからといって、わたしにはなんの臆する気持ちもない。
 食べ方としてはこれはきんとんだろうな、家内に料理本で見てもらって作っていただくことにする。日本料理店では高級食材だったかな。
 わたしには、昔々、田舎で食べた山百合のかすかなえぐみとともに、あの上品で甘ったるい記憶だけが残っている。
     

***** ** ****** ** *****

 今までの草花の育成や栽培については、このサイト左側の、 カテゴリー [ガーデニング・庭づくり] などをクリックするとご覧になれます。
 栽培方法などの相談事やご注文に際して、連絡方法は下段のコメント(0)をクリックするか、少々面倒ですがこちらのH・P 有限会社グリーンワークスから入り、お問い合わせフォーム、メール等でお問い合わせください。
        
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今年はフェイジョアの実が小さい・・・

2010年10月20日 05時39分19秒 | オリーブ・フェイジョア栽培日記
暦の上ではこの23日が「霜降」で、次は「立冬」になるのにやはり今年は気候がおかしい。これは8月の猛暑と無降雨、9月中旬に入ると急激な低温と長雨がつづいていたせいだろう。
 当地では1週間から10日ほどは季節の移り変わりが遅れていて、なにそのうちに天候も帳尻を合わせてくるさと高をくくっていたのだが(!)、どうも今年は、植物の生長量的にはやはり取り返せないようだ。夏には開花や花芽分化のものはすこぶるよく育っているのだが(来春の杉の花粉量の多い予想もこの為である)、この時期に肥大する果実の野菜や果樹は高温障害で傷んでいたり、形状が小ぶりになっている。
 主に大事な食料の芋などの根菜類、夏野菜の葉物や主食の米などの収量や味・糖度に影響がでているのだ。こんなことでは、たとえ、松茸などの食材がいっぱい採れたってしようがない。
 そんなわけで、今年はフェイジョアの実も小さい。正常な年の2/3くらいの大きさしかないようだ。

≪撮影: 10月19日午後15時45分≫
     
      
 以上、これはせっかくフェイジョアの果実を所望されている方々への途中の成長の報告です。

※果実の頒布を既に当ブログにて公開していますので、今後とも、逐次フェイジョアの果実の収穫までの情報を画像にて掲載していきます。どうぞ、ご期待ください。

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ギボウシの夏越し

2010年10月19日 05時39分39秒 | ぎぼうし栽培日記

 今年はギボウシの夏越しについて、考えさせられた。わたしなりにここでは、独断であるが、帰納的にまとめてその観察と検討結果の一端を記したい。
 今年は何年ぶりかの異常気象、梅雨明けから8月の猛暑と無降雨、やっと9月中旬に入ると急激な低温と長雨がつづいた。この夏の対策として、わたしの場合、ギボウシ栽培上は大鉢や重要な品種しか堆肥敷きのマルチングを施していない。なお、すべて、鉢・ポット栽培である。
 わたし自身も今年は例年よりは管理に目が行き届いていないことはみとめるのだが、日照と高温の過多の自然現象で生育が止まるのかなと感じている。個体差も考えられるが、これには、生理的な障害があるのではないだろうか。
 影響を受けたとおもわれるその品種名としては、原種の イワギボウシ、 ウナズキギボウシ、 ハチジョウギボウシ、 オオバギボウシ系統の 天竜ギボウシや カーニバル、 ダークグリーン、 それに ブルーキャデット、 青葉種の 徳玉、 自生地が傾斜地の岩場を好むカンザシギボウシ系の ゴールデンティアラである。 
 朝鮮、済州島を自生地とするオトメギボウシ系の ボールドリボン、 スノーキャップ、 ワイドブリムは軒並みにその一時枯れの状況を呈している。栽培品種であり自生地はないとされる交雑種のスジギボウシ系の シルバーストリーク、トウギボウシ系は バーチウッドパーキーズゴールド、 フランシスウィリアムズ、 ドレスブルース。
 フォーチュネイ系は ゴールドスタンダード、 フランシー、 リバーシッド、 アイオナ、 ホィールウィンドになる。スジギボウシ系は シルバーストリーク。ほかには、系統は未分類だが レディギネヴェーレ、 アイランドチャーム、 トワイライト、 スウィートスーザン、 アイランドチャーム、 インビンシブル、 ママミヤ、 ランドマスターなどがある。
 これらの品種群は、ギボウシの生幹部がなくものの見事に地上部が枯れた。わたしとしては、知らないと破棄することになっただろう。
 その後、初秋に入ると小さめながらも再発芽するから株自体が駄目になったわけではないが、来年度の伸び方が弱いかもしれない。ギボウシのなかでも、この品種の特徴はどういうことになるだろう。比較的、陽地よりも日陰や半日陰を適地とするものの品種が多いようにおもわれる。
 ほかに気づいたことは、コバギボウシ(オモトギボウシ)をのぞく原種が開花せず結実しないこと。理由は分からないままである。また原種系ギボウシが遺伝的にその系統が近ければ近いほどその傾向が強いようにおもわれる。その明らかな品種はオトメギボウシ系とかに顕著である。
 また、トクダマ系や寒河江は影響が見られず、タマノカンザシ系の場合はは少なくて ファイヤーアンドアイスの品種のみである。

 夏越しに対して冬越しはどうか。
 昨年の秋からこの冬にかけて、ある事務所の雨のかからない軒内に置いたら紅葉も落葉も遅れた各ギボウシの鉢があったのだが、案の定、今年の芽出しも遅れ花芽はつかず形状も成長量もひときわ小さかったもの。品種に限らず冬の寒さには直にあてるべきと、どうもこれはと、しみじみおもったものだ。これは、つまり、ギボウシという植物にとって、冬越し、野外の冬の寒さは、生育上、必要な条件ということになる。 
    ≪撮影: 10月19日午後15時45分≫
     
 上→下 左→右; 天竜・ワイドブリム・トワイライト・ブリムカップ

 
●今までのギボウシの育成や栽培については、このサイト左側の、 カテゴリー [ギボウシ栽培日記] などをクリックするとご覧になれます。
●ギボウシの販売は当ブログのみでおこなっております。価格面や数量については、お問い合わせするか、カテゴリー [草花ナーセリーWeb直販コーナー] をクリックし日々の書込み履歴をご確認願います。必ず、最新の情報をお確かめください。
●現在、ギボウシは公開販売中です。どうぞ、7/15付けの下の記事をクリックしてご覧ください。そして、購入をご検討ください。
 夏、初秋向けぎぼうしの販売価格です!!---平成22年下半期
 なお、注文を受けてあつらえたのちに、ギボウシ出荷時の際はこのブログ上でご注文品を画像でアップし、実物を確認していただきます。
 また、同じように、今までの忌憚のないお客様の反応や評価についても、 [ギボウシ編---お客様の評価、お問い合わせ] で読むことが出来ますのでお暇な折にのぞいてみてください。
 
 購入の受付けやコメント、お問い合わせに際しての連絡は下段のコメント(0)をクリックするか、少々面倒ですがこちらのH・P 有限会社グリーンワークスから入り、お問い合わせフォームにてのメール等でお願いいたします。
       
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チリ鉱山落盤事故救出事件で思うこと。

2010年10月16日 06時39分16秒 | わたしの日常です。

 このほどの チリ鉱山落盤事故について、たまたま、テレビで見続けていて、思い出したことがある。
 結果は予定を早めて、33人全員救出が一日にて完了した。彼らは35℃で90%の湿度の厳しい条件、69日間も地下 688mに閉じ込められていた。これは生活の場というより生存する環境としても苛酷な条件下である。
 それにつれて、救出時にそれぞれの人のさまざまな人生模様がみられた。なんだか、複雑だが面白い。このなかで、発見されるまでのトンネル内の規律の保ち方について、現場監督の ルイス・ウルスア氏のリーダーぶりにわたしは特に感じることがあった。非常事態に際して、閉鎖空間での現場管理、食料配分や三班交代制などである。そして、それについての重要なことは仲間意識であるようだ。大東亜戦争にみられる国家間の戦争でも、戦場で心をひとつにまとめるには、その目的が圧制からの解放や自由や平等などの観念的な理念や概念でもなくて、まして実は天皇陛下とか国のためというよりも、個人としてこの身近に隣り合った同僚の危機や災難を防ぐ共同の連帯意識がいちばん影響をもつものと思われる。

 わたしは20代半ばで、今の 都営地下鉄新宿線の新設工事に土木作業員で働いたことがあった。その頃は、たしか、亀戸の飯場暮らしである。路線的には深川あたりの江東区内だったと思うが、そこで、スコップで人力で掘削中に人間の頭以上の大きさのコンクリートの欠片が頭上にあたり、ヒヤッとしたことがあり、その時は体に別条はなかった。ヘルメットを着用していて、安全だったのだ。それ以来、わたしは悪運に強いと妙に自信を得たものである。その時分は若くて、大学の学費や生活費を稼ぐためにという目的ではあったのだが、その頃の日常はデスペレートなものであった。とにかくわたしは、ひとり、知人とも故郷とも疎遠になり社会から取り残されたような暮らしをおくっており、明日のことも考えずにいた野放図な頃だ。

 それから、後年、都内の造園会社にいたころ、わたしは会社の部下を連れて秋田から青森へ二泊三日の旅程で慰安、研修旅行を計画した。往き帰りは飛行機で、宿泊先は日本海側の 黄金崎不老ふ死、 酸ケ湯の温泉旅館である。その間の移動は8人乗りのレンタカー、未舗装の悪路を考慮して馬力があり車高のある車を手配した。まだ、世にナビは出回っていない頃、運転担当はわたしだけである。
 目的は 白神山地内のブナ原生林をめぐることで、当時は世界自然遺産に指定される前後の10月下旬、紅葉にはかなり遅かった頃である。秋田県寄りの 十二湖、二日目には 旧弘西林道を走り、昼近くに宿でつくってもらった二個のおにぎりを 暗門の滝を見ながら食べた。それからリンゴ畑を走る アップルロード(広域農道)を経て、東北高速縦貫道路に入り、 十和田湖を周遊して、 奥入瀬渓流を歩き、八甲田山の麓の酸ケ湯に向かった。翌日、帰りは酸ケ湯から黒石市内を過ぎて 弘前城公園に行き、当時発見されたばかりの 三内丸山遺跡を見てから青森空港から夜半に帰京した。

 妙な話、その頃、わたしは仕事でもお客への接待含みでも泊まる際には温泉地、特に秘湯ポイントを好んで旅程表に組んだもの。わたしは過去にあちこちと日本全国へ行ったのだが、そんなこんなが長じて、旅行企画は手馴れたもので、プランを練って、目的地・道路事情・ルート設定や廉価の手段や方法を調べて旅行会社に微調整を指示していた。これでは、職業としての旅行添乗員もできるかなと自負するほどだ。だから、今回も一般のパック旅行とはおもむきが違って、この手造りの旅行は参加者には概して喜ばれたものとおもう。今おもうと、この時も結構、盛りだくさんの内容だ。わたしも入れて参加者は5名か。費用も3割ぐらい安く上げたものとおもう。この時の旅行費用は各自毎月2000円を積み立てておいて、いざという時点では不足分を当時のワンマン社長にお願いして会社で負担してもらっていた。
 問題は 酸ケ湯から 城ヶ倉大橋を経て黒石市内へ向かう国道であった。朝起きると、当地は一面の銀世界であった。初雪か、路面には10cmくらい積もったのだろうか。わたしは驚き、帰りが無事に帰りつけるか恐くなってしまった。若い社員は初心者、ほかはペーパードライバーだし、比較的運転し慣れているのはわたししかいない。しかも、雪道は初めても同然である。なによりも、雪そのものの恐さを知っているものが参加者にいないようにおもえた。この辺の地元では既にスノータイヤにはき替えていたが、わたしの車は、チェインも不備でノーマルである。
 道は、多分、1000m前後の山林の中から下の黒石市内の一般道まで大きく蛇行しながらもすべてなだらかな下り坂である。この高低差を、どう運転するべきか。
 出発前にみんなにこの状況の説明をした。場合によったらここから青森まで定期バスで帰るか、もしこの車で戻るとしたら、歩くぐらいのスピードの超低速運転で行く。それは徐行どころではない、時間はかかってもやむを得ない。エンジンブレーキを効かせてオーバードライブ、ロー、セコンドのみで速度を調整維持し加速はしないしフットブレーキは踏まない。ハザードランプを点滅させて運転する、後続車は必ず先に通す、ハンドル操作は少なめにする。
 事前に、車両の整備状態をチェック、平地で急発進や停止をなんども確認する。そんな心の用意をする。
 このときの所要時間は小一時間だろうか、わたしは全身が汗だくになり緊張した。距離は7.8kmぐらいか。通常の天候であれば10分ていど、景勝地のなかをあっという間に通り過ぎるだろう。結果的に何事もなくうまくいったのだが、道は舗装されていても、山間部のせいか部分的に石ころや砂利が表面にのっている。現地は広い片側一車線、地元の車両が多いなかで、途中は特にわきに寄り大型のバスやトラックに追い越させるのが難しくてハラハラする。さいわいにも横滑りやスリップもなく運転していった。
 わたしは、住んでいる千葉でのわずかな雪道運転の経験と、幼い東北でのかすかな雪国暮らしの記憶を想い起こしていた。特に過去の、歩く時の足裏の感覚を現在のペダルワークの感触に近づけるべく苦心し、雪の路面とタイヤとの接触音や車の細かい動きに神経を配った。
 わたしの性格は、本来はウジウジ思案するタイプ。ですが、その場に臨んでの行動は結構思い切っているらしい。
 話が妙な展開になりましたが、まあ、ということで、おしまいです。

 追記: 実はわたしは、青森県に数回行っております。その内容をわたしなりに、このグログでも過去にシリーズでアップしています。左のカテゴリー 「下北半島・白神山地を行く」をクリックしてみてください。
          
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<沈黙のための言葉>--吉本隆明の詩⑤

2010年10月14日 05時32分47秒 | 吉本隆明さんはどう考えるか・・・

「 歳月ではなく
れわれを老いさせるのは関係である
人と人との関係ではなくて 物と物との関係ではなくて
男と女との関係ではなくて  
裂けた傷と裂けた傷の関係である」

 ※関係の絶対性の概念をやっとこさつかまえた。やがて、あの有名になってしまった、‘対幻想’、これが <共同幻想論>の重要なスタートになる。で、良かったかな、思いつくままに書きつらねる。

<沈黙のための言葉>

一片の雲が空のなかでちぎれる
風のように遠くで眼に視えない傷が裂ける
老いるということを無くすために
われわれは耐えねばならぬ

歳月ではなく
われわれを老いさせるのは関係である
人と人との関係ではなくて 物と物との関係ではなくて
男と女との関係ではなくて  
裂けた傷と裂けた傷の関係である
われわれは一瞬 こころを通りすぎる刃の痛みがあれば
それを忘れるために こころをもっと奥へ沈める
すると傷は空を通りすぎる
そのようにして肥大してゆくものは
われわれのなかの何であるのか

貌を支配する筋肉と神経を
しだいにひとつの動かないものにしてゆくとき
われわれのこころは遠く底のほうへ下るばかりである
老いた農夫の貌は岩石や土に似てくる
老いた行商人の貌は貨幣に似てくる
老いたブルジョワの貌は牛肉に似てくる
老いた政治家の貌は浮浪者に似てくる
老いた学者の貌は書物に似てくる
だがわれわれのこころの貌は何に似てくるのか?
その広いはてしない空間のなかを
誰が果てまでたどりついたか
そして誰がたどりついたことについて沈黙したか

言葉をつかわないために たれが言葉を所有したか
無数の膨大な波のように われわれは沈黙をきく
それをきくためにわれわれは生きる 
今日も生きる
さけられない運命のように 沈黙の声をきくために

それがこの世界をおおいつくし
やがて<敵>と<味方のような敵>の言葉をおおいつくし
やがて<敵>と<味方のような敵>の生活をおおいつくし
ついに倒すために
この世界の空のなかで一片の雲がちぎれる
われわれはそれに触れずに
われわれの傷を解き放すとき
自然と人間のあいだの裂け目に
しずかに眠ることができるが
きっと永遠に死ぬことを赦されないだろう

「模写と鏡」 (昭和39年) 所収
        
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