うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

「群青」という歌と、嫌な思い出

2008年10月29日 06時13分22秒 | 俳句・短歌、またはエッセイ

 先日につづいて、歌謡曲をとりあげる。「群青」という歌である。谷村新司の中ではそこそこ売れたのだろうか、知る人ぞ知る曲だと思う。これは、後で知ったのだが、つくられたのは映画の製作時の時だそうだ。この歌手は、非常に器用でメロディとともに歌詞のつかいかたは手慣れている。
 多分、国語力の低下と教養不足だろうが、最近の若い歌手には日本語のボキャブラリィ、言葉のつなげかた、比喩、形容詞のもちいかたにおかしいものが多いように感じられる。オーディオ機器の発達で耳に対する音感は広く深く育ってきた。それに伴い作曲者側のサウンドはすぐれて良くなってきたようだが、如何せん、日本語のもつ語感と音律に無知なせいで、何となくちぐはぐで表現力が落ちている。
 挙句の果てには、あり得ない日本語の歌詞を作り平然としている。わたしには滑稽を通り越して暗い気持ちになる。書き言葉ではなく、基本は話し言葉だろうが、メロディだけで引っ張ると残らないよ。

 数年前、マンション建設の造園工事に際し、金沢市の業者と打ち合わせを兼ねて流れて行った浦安市内のカラオケ店で、相手の営業担当がこの「群青」を歌ったのだ。りゅっとしたなりの明るく如才ないその人が、この静かな曲を歌い意外感にうたれて聞き入ったものである。
 なんだ、なんだ・・という思いでいたが、やはりそうか、太平洋戦争の時の特攻隊だな、ふむ、そうすると散華ということか。
 わたしの父は銃後の守りの役目ということで、出征はしていない。農業のかたわら馬喰もしていて、軍馬の調達をしていたようである。そしてわたしは戦後の生まれ、戦争を知らない世代だ。
 厳粛とやるせなさ、吸い込まれるような透明感と、残された者の祈りになんとも言いようのない無常感が漂う。

 ところで、その後、わたしが独立してからだが、その営業担当者とは、電話で、仕事上の思いもよらぬ一方的な激しいやりとりがあって仲違いしてしまう。意味も分からず闇討ちも同然である。世間に鬱屈したことでもあったのだろうか。まあ、そんなもの、当人が好きで歌い客観的に上手であってもその人のキャラクターがそうであるとか、歌詞の内容を熟知しているかは別問題である。

谷村新司 作詞/作曲

空を染めて行く この雪が静かに
海に積もりて 波を凍らせる
空を染めて行く この雪が静かに
海を眠らせ あなたを眠らせる
手折れば散る薄紫の
野辺に咲きたる一輪の
花に似てはかなきは人の命か
せめて海に散れ 思いが届かば
せめて海に咲け 心の冬薔薇

老いた足どりで 思いをめぐらせ
海に向かいて 一人佇めば
我より先に行く 不幸は許せど
残りて悲しみを 抱く身のつらさよ
君を背負い歩いた日の
温もり背中に消えかけて
泣けとごとく群青の海に降る雪
砂に腹這いて 海の声を聞く
待っていておくれ もうすぐ帰るよ

空を染めて行く この雪が静かに
海に積もりて 波を凍らせる
空を染めて行く この雪が静かに
海を眠らせ あなたを眠らせる
     

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (石平)
2020-05-15 19:28:28
「群青」という歌と、嫌な思い出、を読ませていただきました、谷村新司さんを持ち上げたあと、「多分、国語力の低下と教養不足だろうが、」という貴殿の記述がありますが、読み手が谷村さんの批判をしている内容であると間違えてしまう表現があります。書くならば、若者の批判文中に挿入すべきです。貴殿の文章のほうがもっと稚拙ですよ。
返信です。 (うざね博士)
2020-05-16 04:21:04
この文章について、わたしの方が稚拙だそうですが、こういう風に、正式に名も名乗らず批判する方が良くないとおもうのですが・・・。私自身はその営業担当者との苦いやり取りの過去のことをを書いているに過ぎません。谷村新司さんファンなのかどうかわかりませんが、どれほど大東亜戦争についてご存知なのでしょうか。次にコメントをいただけるのであれば、石平氏の日常生活に立脚した発想の内容にしてください。・・・ということですが。

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