『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B00130HI4M&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
アルツハイマー型認知症を発症したフィオナ(ジュリー・クリスティ)は44年連れ添った夫グラント(ゴードン・ピンセント)と離れ介護施設に入居するのだが、30日の面会禁止期間が明けて見舞いに来た彼のことは既に記憶から消え、足の不自由なオーブリー(マイケル・マーフィ)の世話に熱中していた。
愛しあって幸せに暮して来たはずと信じていたグラントは深く傷つくのだが・・・。
認知症の患者を身内にもった経験のある人なら誰でもわかると思うのだが、この病気は基本的に一度始まったら止めることはできない。記憶がどんどん頭の中から消えていき、やがて暗闇が訪れる。長く時間のかかる別離。
ただ健康な人間にわかりにくいのは、症状が一方的に進行しつづけるわけではなく、たまに正気に戻ったり、失くしたはずの記憶が何かの拍子に甦ったり、不規則な波のようなものがあるところである。この波が介護する親族を徒に翻弄するところが、あるいはこの病気の最も苦しい部分かもしれない。
グラントは初め、妻が自分を忘れ他の入居者と恋に堕ちた事実に混乱する。だが妻を責める気にはなれない。自分も若いころ、妻に誠実でなかったことがあったからだ。その罪悪感ゆえに、今、夫として何をすべきかを迷いながら探りつづける。
若くして不幸な病を抱えたヒロインを演じるジュリー・クリスティが実に美しい。ほんとうに夢のように美しい。こんな奥さんならたとえ認知症でも、誰もがすべてを犠牲にしてかしずいてもいいと思うんじゃないか、ってくらい美しい。看護師役のクリステン・トムソンがすごくよかったけど、この人舞台女優なのね。他にはほとんど映画には出ていない。
現実の介護の現場にはもっともっと苦しい物語がいくらでもあるだろう。あえてそういう不幸な面を強調せず、夫婦の愛の物語を淡々と丁寧に描きたかった気持ちは理解できる。けどやっぱちょっと淡々とし過ぎて、正直、若干退屈なとこもありました。トーンはキライじゃないけどねー。
監督のサラ・ポーリーは本業は女優で弱冠27歳。彼女の出世作である『スウィート ヒアアフター』の監督アトム・エゴヤンが製作総指揮にクレジットされているが、シナリオやカメラワーク、構成などにかなり強く影響を感じる。ぐりはエゴヤン好きだけど、だからってエゴヤンもどきも気に入るわけじゃないってことは観てみないとわかんないもんなのね〜。
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アルツハイマー型認知症を発症したフィオナ(ジュリー・クリスティ)は44年連れ添った夫グラント(ゴードン・ピンセント)と離れ介護施設に入居するのだが、30日の面会禁止期間が明けて見舞いに来た彼のことは既に記憶から消え、足の不自由なオーブリー(マイケル・マーフィ)の世話に熱中していた。
愛しあって幸せに暮して来たはずと信じていたグラントは深く傷つくのだが・・・。
認知症の患者を身内にもった経験のある人なら誰でもわかると思うのだが、この病気は基本的に一度始まったら止めることはできない。記憶がどんどん頭の中から消えていき、やがて暗闇が訪れる。長く時間のかかる別離。
ただ健康な人間にわかりにくいのは、症状が一方的に進行しつづけるわけではなく、たまに正気に戻ったり、失くしたはずの記憶が何かの拍子に甦ったり、不規則な波のようなものがあるところである。この波が介護する親族を徒に翻弄するところが、あるいはこの病気の最も苦しい部分かもしれない。
グラントは初め、妻が自分を忘れ他の入居者と恋に堕ちた事実に混乱する。だが妻を責める気にはなれない。自分も若いころ、妻に誠実でなかったことがあったからだ。その罪悪感ゆえに、今、夫として何をすべきかを迷いながら探りつづける。
若くして不幸な病を抱えたヒロインを演じるジュリー・クリスティが実に美しい。ほんとうに夢のように美しい。こんな奥さんならたとえ認知症でも、誰もがすべてを犠牲にしてかしずいてもいいと思うんじゃないか、ってくらい美しい。看護師役のクリステン・トムソンがすごくよかったけど、この人舞台女優なのね。他にはほとんど映画には出ていない。
現実の介護の現場にはもっともっと苦しい物語がいくらでもあるだろう。あえてそういう不幸な面を強調せず、夫婦の愛の物語を淡々と丁寧に描きたかった気持ちは理解できる。けどやっぱちょっと淡々とし過ぎて、正直、若干退屈なとこもありました。トーンはキライじゃないけどねー。
監督のサラ・ポーリーは本業は女優で弱冠27歳。彼女の出世作である『スウィート ヒアアフター』の監督アトム・エゴヤンが製作総指揮にクレジットされているが、シナリオやカメラワーク、構成などにかなり強く影響を感じる。ぐりはエゴヤン好きだけど、だからってエゴヤンもどきも気に入るわけじゃないってことは観てみないとわかんないもんなのね〜。