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濾過

2011年12月19日 | 千伝。
1855年生まれのドイツ人、テンニース(テニエス)は、社会が進行するとゲマインシャフト(共同社会)からゲゼルシャフト(利益社会)に形状をかえると説きました。

日本において、戦前まで生きていた「村社会」が、まさにゲマインシャフト(共同社会)でした。

第二次大戦後の半世紀、農村とともに「村社会」は衰退の一途をたどり、農民の子供達は、都会へと大移動し、サラリーマンという姿に変えていきました。

一見、アメリカナイズされたゲゼルの到来かと思えましたが、どっこい会社組織の中に「村社会」が内包されていて、日本特有のゲゼル・ゲマイン折衷の社会様式を醸し出したのです。

エコノミックアニマルと揶揄されるほど、経済効果をあげることが出来たのも、会社の仕事を、あたかも自分の家業のように思う事が出来たからでしょう。

いわば・・会社は、第二の家族でした。

否、なかには、家族より優先した企業戦士さえ出没したのです。

それが・・どうでしょう。

バブル崩壊後、会社の中の「村社会」が葬り去られた感があります。

リストラの嵐のもと、正社員の首は、安価な契約社員やパート、フリーターにすげかえられていきました。

このまま、フリーターの社会構造が進めば、日本の職場から熟練者が少なくなり、マニュアルロボット素人社会に変貌してしまうのでしょう。

明らかに、マイナスの成熟社会です。

ドイツのマイスターのような、名人芸にまで至るような洗練された技術は、是非とも継続させねばいけません。

考えるに、最近の日本は、政治、経済のみならず、治安も軍備も・・節操なく仕入れている感があります。

以前は、諸国の良いとこだけを取捨選別していたにもかかわらず、水際のフィルターが機能不能のように映る現代日本です。