ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

無知の涙

2013年01月30日 | 資本と社会の問題
ある事柄から、連想して思い出すことがあります。

かつて、野党第一党だった日本社会党(現 社民党)があった三宅坂の社会文化会館ビルが老朽化のために取り壊されるというニュース。

若い頃、あのビルの地下にある食堂レストランで、青森県出身の友人とビールを飲んだことがありました。

もし県民性というものがあるのならば、青森県人は、とてもユニークな人材が多いのは事実です。

一昨日、二人のユニークな青森県人の話題がニュースになりました。

一人は、大阪女子マラソン2位に入った福士加代子選手(30歳)。

もう一人は、大相撲を引退となった高見盛関(36歳)。

この両者、共に青森県北津軽郡板柳町を郷里とします。

・・この板柳町?

思い出したのは、19歳で連続ピストル射殺犯、その後、獄中作家となり、獄中結婚離婚した死刑囚・永山則夫という人物です。

貧困が生んだ犯罪として、今なお現代社会に突き刺すような問題です。

死刑制度の是非の問題も確かに考えさせられます。

青森県出身の寺山修司氏が、「その変身を信用しない」というコメントをしていたのを思い出しました。

その寺山修司氏に対する永山からの反論文も、確か相当なものでした。

北海道の網走から、青森の板柳へ、そして、金の卵として、東京への集団就職。

彼の転々とする風景は、どこへ行っても、どこに暮しても、幸せになれない「無視される不信に陥る孤独感」でした。

獄中に入っての彼は、読書三昧でした。

文字や言葉を憶えて、作家になった永山です。

その印税を、彼が殺めた被害者遺族に送ります。

人は・・人材、人在です。

人罪(罪人)にもなるし、人財(財人)にもなるのを、永山死刑囚の人生が、それを証明しています。

彼の出世作「無知の涙」・・いまだに、しょっぱい味のする、答えようのないノート文学です。