ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

ちょっといい、意外な話。

2013年05月06日 | 千伝。
京都の喧騒から逃れて、やっと、福井に戻りました。

今日の午後、福井では、日本人になられたドナルド・キーン氏の講演会「私と日本文学}がありました。

この講演内容は、後日・・。

京都の大学に通うのも2年目になりました。

この1年間で、さまざまな同級生にも出会うことが出来ました。

人と人との出会い・・すべてが善となるような御縁でもありません。

不運とも思えるような出会いだって、沢山あります。

ある程度の年齢を重ねれば、お互いの器量とか、バックグランドとか・・それらを隠しながら、明かしながらの付き合いも始まります。

今、通う大学の通信制もそうなのですが、いろんな年齢層、職業の方がおられます。

ここでは、守秘義務も伴うので言えませんが、とても興味深い方も何人かいます。

・・今回、ちょっと印象に残った出来事があったので、書き残して置きます。

大学からホテルに戻って、シャワーを浴びようかと思っていると、九州から来られている同級生の方から電話が入りました。

「学校で財布を失くした」という連絡なのです。

「まだ学校なんです。お金を一万円ほど貸して戴けませんか?」という申し出でした。

彼は、朝早くから学校へ行き予習、夜遅くまで残って課題の復習をしています。

僕より、一回りほど年下ながら、なかなかの好人物です。

この一年間、彼の学習姿勢を見ていますから、勿論、手助けになるような返答をしました。

「タクシーに乗って、私のホテルまで来てください。外で待っています。お金を渡しますから」と。

・・彼は、申し訳けなさそうな顔をして到着しました。

「どこで落としたのかもわからないし、学校の事務局に行っても、落とし物の届けもなかったんです」

財布には、現金もクレジットカードも入っていたようで、がっくりしているはずです。

一緒に夕食を摂ることにしました。

僕の心臓が元気ならば、もっと陽気になるために、四条界隈にあるアイリシュパブへでも飲みに行くのですが、アルコール類は、禁止になっています。

簡単な食事となりました。

食事中に、彼は呟くのです。

「ほんとうに申し訳けないです。でも信用してくださいね。実は、私、弁護士をやっています。必ず明日、返しますから・・」

「弁護士・・?!」

「はい、インターネットで検索されると私のことが出ています」

調べてみると、高齢者虐待犯罪等の講演もされている正真正銘の弁護士でした。

・・翌日。

彼の奥さんが、九州から京都まで飛んで来られて即返金、そして、僕は、たくさんのお土産を頂戴しました。

僕も、社会に貢献できるような人間になりたいなぁ・・と感じた意外な一日でした。

彼には、第二の中坊公平さんのような市民派弁護士になって欲しいなぁ。