百島百話 メルヘンと禅 百会倶楽部 百々物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

これから二十年

2013年09月03日 | 百伝。
ふと、来週に「試験」があることを思い出しました。

慌てて、高齢者福祉のテキストを探して、読み始めていると・・愚息が乗った愛車が轟音を鳴り響かせての帰宅です。

・・近所迷惑です。

・・育て方を間違えたのかな?

今、思い出せば、息子が生まれた頃、勤めていた外資系(ドイツ)企業の上役から、ドイツへの駐在勤務の話を打診されました。

当時は、英国から帰国したばかりで、丁重にお断りさせて戴きました。

辞退した理由は、「生まれてきた息子と大きくなるまで、なるべく同じ時間を一緒に過ごしたい」だけのシンプルな事でした。

あれから20年・・ちょっと後悔?

「ドイツで子育て」をしていたならば、もっと賢い息子になったのでは?

英語も日本語さえも巧く使えない大学生なんて・・この先、どうなるんだ?

あれから20年・・家内は、子育て終了宣言後、海外出張にも出かけています。

あれから20年・・ぼくは、京都と金沢と・・そして、百島へと、行ったり来たり。

百島の父が、僕に、よく言っていた言葉を、今は、そのまま、息子に伝えるようにしています。

「おまえは馬鹿なんだから、頭を使うよりも、身体を使って生きろ」・・と。

今の介護の現場・・読み書き、単純な計算も出来ない方が多いのも現実です。

それでも、「ありがとう。ありがとう。ありがとう。いい嫁さん。いい息子さん。いいお子さん・・」と言い続ける優しい気性、ほんとうに稀少な人物もいます。

そういう人間って、少々頭が悪くても、尊敬の念を抱きます。

これから20年・・一年一年、生きているだけで丸儲けだと思わないと、後悔しても何も始まらないのです。

「この世の人生に未練無し」です。