
ハン・ソッキュssi、コ・スssi、パク・シネさん、ユ・ヨンソクssi出演の2014年の作品。
制作時から、ずーっと見たかった作品なんです。
レンタルが始まりました。
とにかく衣装の豪華さ、美しさに目を惹かれます。
形もそうだけど、何と言っても、色の合わせ方が素晴らしいし、刺繍が美しい
チョ・ドルソク=ハン・ソッキュssiは、朝鮮王朝の衣服を扱う部署“尚衣院”で御針匠(オチムジャン)を務めています。
その腕を見込まれ、先王が崩御され3年が経った時、王=ユ・ヨンソクssiの為に新しい“龍袍(ヨンポ)”の製作を命じられました。
彼は貧しい身分出身ではありますが、幼い頃より懸命に修行し、王朝の規則と伝統にのっとった服を作り続けて来たのです。その功績を認められ、近いうちに両班に取り立てられる予定なんだとか。
ここまでの出世は彼にとっても嬉しいし誇らしい事でした。
周囲は、彼が王のお気に入りだということで一目おいてはいるのですが、字の読み書きも出来ないドルソクが両班になると言う事で、少々不満があるのも事実でした。
そんなある日、ドルソクは王妃=パク・シネさんから王の古くなった衣服を直してほしいと言う依頼が来ました。
王はドルソクに、王妃の服も新調するよう命じていたのです。そのお礼に・・・と王妃は考えたと言うわけです。
でも、その時ドルソクは喪が明けたことで一斉に両班たちの衣服を仕立てる命令が下っていましたので、大忙し。
王妃は、女官に任せることにしました。
ところが、うっかり女官がろうそくを倒してしまって、衣服が半分燃えてしまいました。
その服は儀式用のモノで、儀式に間に合わせようと王妃は思っていたのです。
翌日に迫った儀式までに仕上げるなんて、いくらドルソクでも出来ない事でした。
その時、一人の官僚が思い付いたのが、巷で話題の仕立屋ゴンジン=コ・スssi。
彼は伝統と格式を重んじる宮廷とは180度違った自由なセンスの持ち主で、次々に斬新な衣服を仕立てて、注目されていたのです。
当時の官服は、サイズが皆同じだったようです。
体格の違いや着易さなど、ほとんど考慮されてなかったようですね。
ゴンジンは、袖を短くしたり細くしたりして着易さを図ったり、また、女性の上着の丈を短くしたりして、魅力を際立たせる等、年長者には眉をひそめられることもありましたが、とにかく異色のデザイナーでした。
宮廷に呼ばれたゴンジンは、薄い幕を通して垣間見た王妃の美しさに一目で惹かれました。
で、依頼を快く引き受け、王の儀式用の服を一日で仕立て上げたのです。
着た王は、それがいつもの服では無いとすぐに感じました。着やすさを感じ、ゴンジンに狩猟服の仕立ても命じました。
これがねぇ、ドルソクの感覚とは全く違うんですよ。伝統なんて、全然意識に無いのです。
でも、美しい、そして動き易い狩猟服を完成させたのです。
これまた王はたいそう気に入りました。
王妃は礼がしたいと、ドルソクとゴンジンにお茶を振る舞いました。
この時、礼にのっとって王妃に相対そうとするドルソクとは対照的に、ゴンジンは思った事をはばかることなく口にし、王妃と対等に話をするんですねぇ。
王妃が“孫子”を読んでいると気付いたゴンジンは、その理由を問いました。
「刺繍をするばかりが女人ではありません。生きる事は戦いと同じ。でも戦わない事が最善とされています。」
「でも、現実はそうはいきません。」
そう言ったゴンジンは、庶民の言い回しで話を続けるのですが、その言葉がなにせ“庶民”。
思わずドルソクは調子に乗って喋り続けようとするゴンジンを止めました。
王妃は、その明け透けな言い方に最初は戸惑いましたが、楽しくなったようです。こういう経験は、久しぶりだったのでしょう。
実は、王妃は王と婚姻していますが、名ばかりの王妃で。王は一度も彼女の部屋を訪れてはいないのです。
それは周知の事実で、大臣たちは名ばかりの王妃を廃位し、新しく王妃を迎えて一日も早く世継ぎを・・・と口々に訴えてる始末。
でも、王はその訴えに耳を貸そうとしません。
王は王妃に心惹かれているのです。それは結婚前からそうだったようです。
なのに、何故・・・。
実は、先王は彼の兄でした。
幼い頃から、兄は世継ぎ。そして自分は何でもないただの王子。
その身分の差からくる扱いの差は歴然としていました。
ある時、食事に席についていた彼は、大好きなカルビを食べたいと皿の肉を見つめていました。でも、兄はそれを知ってて敢えて弟には食べさせず、自分だけが食べ続けたんですね。
で、少し咀嚼しては吐きだし・・・。
最後に1枚残ったカルビを、弟に食べるよう言って来たようです。
その屈辱感・・・。
兄の妃を選ぶ行事の時、実は今の王妃が候補者の中にいたんです。
一目ぼれだったようです。でも、相手は兄の妃の候補者。
それに気付いた兄は、せっかくだから、残った候補者から弟の妃を・・・なんて言ったんですね。
カルビと同じだと感じたようです。
だから、王妃に心惹かれてはいるのに、床を共にする事が出来ないでいたのです。
精神的に不安定さを見せる王です。
ゴンジンは、腕を見込まれ、尚衣院に入り、ドルソクの下で働くことになりました。
彼の作る衣装は宮廷の人々の気持ちも虜にしました。
ドルソクは、そんなゴンジンの才能に嫉妬します。でも、一方で彼と切磋琢磨出来る喜びも感じているのです。
ゴンジンの明るい人柄は、ドルソクにとっても癒しとなりました。
ある日、ゴンジンは王妃に呼ばれました。
王の衣装を作ってほしいと頼まれたのです。
ゴンジンは、王妃も、王の為に何かつくってはどうかと言いました。そして、夫婦なんだからと、下着を作る事を提案したのです。その間、自分は王の前で着る王妃の服を仕立てたい・・・と。
ゴンジンは王妃に裁縫を教え始めました。
王妃は、楽しくおしゃべりしながら習いました。
話しの中で、王妃は母の墓に行ってみたいと言いました。
ゴンジンは、その時王が遠方に狩りに出かけているのを知っていたので、その隙を狙って普通の両班の娘に扮し、連れ出しました。王妃は、初めて母の墓に参り、満足しました。
ゴンジンが仕立てた王妃の服は、皆の注目を浴びました。
それまでの服とは全くスタイルが違ったからです

これが美しい
シネさんによく似合ってるんですねぇ。
王は、兵曹判書の娘を側室に迎えました。これが、イ・ユビさん。
彼女は、すぐにでも王妃に成れると思っての入宮でした。だから、衣装も無理やりドルソクに作らせたのです。王妃に負けないくらい華やかなモノを・・・と。
ところが、入ってみると、王は全く自分に関心が無くてね。
でも、それに耐える女性じゃありませんでした。自分から王のところに出かけて行って、服を脱ぎ捨てましたよ

そこに、自分の手で仕立てた下着を持って、王妃がやって来ちゃった・・・
靴を見て、王妃は状況を察し、すぐに引き返しました。
「美しい衣をまとっても行くところがありません。」
そう言う王妃を、ゴンジンは切なそうに見つめていました。
「王宮に入った頃は、王様の傍にいるのが夢でした。夢はありますか?」
と、ゴンジンに尋ねた王妃。目から涙がぽろぽろとこぼれ落ちました。
ゴンジンは、刺繍の入ったハンカチを渡しました。スミレの花の刺繍でした。王妃の母の墓に植えられていたのがスミレでした。
ゴンジンは宮中の王妃の立場を耳にしました。彼女の立ち位置の不安定さを知ったのです。
で、彼は考えました。
王妃を守ろうと思ったのです。
なんと、女官を王の気を引く服装にさせたことで、王の側室になる者が続出。兵曹判書の娘は王が来ない事に苛立ちを見せ始めました。
要するに、兵曹判書の娘だろうと女官だろうと同じ側室にすぎないということを分からせたかったのでしょうかね。
でもね、これは尚衣院を乱し、王宮の秩序を乱していると重臣たちから抗議の声が上がる事態に発展。
結局、ゴンジンが作った服は、処分されてしまったのです。
ゴンジンは、失望し、王宮を去って行きました。
清の皇帝からの使臣がやって来る事になりました。朝鮮王としての承認を得るためです。
それには世継ぎが必要だと、又も重臣たちは騒ぎたて、王妃を廃位し、新たに兵曹判書の娘を王妃に迎えるべきだと言いました。
王は勿論不服です。
王宮の中に自分のモノと言えるモノは何一つない・・・と苛立ちます。王妃さえも・・・。
だからこそ、ドルソクを重用しているのです。彼は初めて自分のモノと言える服を作ってくれた人間だからなのです。
兵書判書は、娘がいよいよ王妃の座に・・・と大喜びし、又もドルソクに衣装を頼みました。
誰よりも美しく仕立てよ・・・という命令が下りました。
ゴンジンも、その噂を耳にしました。
即、王妃に会いに行きました。そして、宴で着る服を自分に作らせてくれと頼んだのです。
王妃は、宴に出る意思はありませんでした。でも、ゴンジンの言葉で気持ちが動いたようです。
「皆が王妃さまにひれ伏すような、王様だけでなく、どんな男も釘づけになるほどの・・・。この世の誰よりも輝かせてみせます。」
ゴンジンは、今回は規則を破るが、自らの手で採寸したいと言いました。
これが後々問題となって来るんですが・・・。
この採寸のシーンが綺麗でね。王妃のどきどき感、ゴンジンの使命感とは別に抑えられないトキメキ感も感じられるんです。
ゴンジンは夜も寝ないで製作に励みます。彼は当時の型紙によるんじゃなく、デザイン画を描いて作って行くと言う方法を用いていました。
その作業場に、ドルソクが。
彼はそのデザイン画を見て、気付きました。王妃の服だ・・・と。
この事が如何に危険な事か、ゴンジンに言いました。忠告しました。ゴンジンだけじゃなくて、王妃にとっても危険だ・・・と。
でも、自分はともかく、王妃にとっては、地位が危うくなっている今ほど危険な事は無いと言うゴンジン。
聞く耳持ちません。
ドルソクは、帰り際、思わず彼のデザイン画を盗んでしまいました。それほど惹きつけられるモノだったんですね。
そして、その絵を元に、兵曹判書の娘の衣装を作り上げたのです。
華やかでした。でも、妓女っぽい・・・
鬘がねぇ・・・。
清の使臣を迎える宴の日。
兵曹判書の娘の登場は、皆の目を惹きました。兵曹判書も満足げに娘の晴れ姿を見つめ、ドルソクに目礼を送りました。
ドルソクも満足していました。
ところがです。
その時、声が響き渡りました。
「王妃さまのお成りー。」
躊躇した門番の代わりに、ゴンジンが大声を挙げたのです。
門が開き、王妃が入って来ました。
これがねぇ・・・。
ホントに美しいのよ
トップの写真の衣装がそれです。
月の光を浴び、神々しいまでに輝く姿です。
この姿に、臣下一同はひれ伏し、清の使臣も立ちあがりました。
それを見て、領議政たち王妃の廃位を狙っていた者たちも、立ちあがらざるを得ませんでした。
そして、王も、その姿に魅了されたのです。清の使臣たちもが頭を下げたのを見て、満足げでした。
彼は常々清に依存する習慣に大きな不満を持っていましたから、これでいくらかは見返した気分になったことでしょう。
立ちあがって、王妃を迎えに座を降りて来ました。
王妃自身も、最初不安げだったのですが、周囲の反応を見て、自信がついたようで、胸を張り、顔をあげて王を見つめながらゆったりと歩きました。
このシーン、ぞくぞくっとする感動に襲われました。
ドルソクは、震えていました。
ゴンジンが満足そうな笑みを浮かべて王妃を見つめているのを知ると、怒りも湧いて来たようです。
王妃の衣装、あれは伝統にのっとったデザインと言うんでしょうかね。
今回、自分は初めて伝統にとらわれない服を作ったと言うのに・・・。ゴンジンのデザインを盗用した罪悪感もあったでしょう。
挫折感、嫉妬、敗北感・・・etc.
ゴンジンは、これを機に、又市井に戻る事にしました。
王妃に別れの挨拶をしました。その時、王妃から下された簪を返しました。
王妃は、好きな人が出来たら渡して・・・と言って下されたんですよね。それって、王妃のことを想っているという意思表示と共に、想いを封じるという事でもあるのでしょうか。
ところがですよ、間が悪い事に、そこに王が来たのです。
初めて王妃と一緒に夜を過ごそうと思ったようで。
でも・・・ホントに間が悪い。
ゴンジンとの仲を邪推してしまいました。
それに、追い打ちをかけるような噂が宮中で飛び交うんですよ。
王は嫉妬に駆られて正常な判断を出来なくなったみたいです。
ドルソクも、敢えてゴンジンを庇う事はしませんでした。自分の身が危ないもんね。
王は、ドルソクに龍袍をゴンジンの作り方に似させて作らせました。そして、それは領議政からの贈り物だということにし、その中に毒針を仕込んだのです。
ゴンジンは捕まえられました。王を殺そうとした・・・という疑いで。
「私が作った衣には、蕨の焼印が押してあります。」
と、ゴンジンは無実を主張。
勿論、龍袍にはありません。他の王妃の衣装にはある筈・・・とゴンジン。
でもね、ドルソクは、焼印を発見したのにもかかわらず、無い・・・と嘘を言ったのです。
で、王妃が直接確かめる・・・と言いだし、焼印を見つけたのですが、その瞬間、ゴンジンが言ってしまいました。
「私一人の仕業です。恐れ多くも王妃様を胸に抱こうと企みました。王妃様は知りません。」
王の言葉から、王妃と自分の噂を元に、自分を罰し、ついでに反対勢力も潰してしまおうと考えていると察したからです。
王妃はそのまま下がるしかありませんでした。
でも、言いました。このままでは私たちは何も変わりません・・・と。
その髪には、先日ゴンジンが返した簪が。
それを見つけたゴンジンは、満足そうでした。心が決まったようです。
ドルソクは言いました。
お前の所為で自分の築いてきたモノが全て壊れそうになった・・・と。
ゴンジンは言いました。その手にふさわしいモノを作ってください・・・と。
ゴンジンの作ったモノは全て消してやると、名前は残さない・・・と、ドルソク。
ゴンジンは処刑されました。
現代、海外に於いて発見されたモノの中に、王妃の清の使臣の宴の席で着た豪華な衣装がありました。でも、その作者はドルソクとなっていました。
宮中には様々な部署があって、王と王妃の衣装を作る部署としての尚衣院の存在が、生き生きと描かれていました。
ハン・ソッキュssi、コ・スssi、良いです

パク・シネさん、韓服がよく似合います

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