■The Lost Lennon Tapes Vol.13 (BAG)
やっぱり、今日のこの日は、辛いですねぇ……。
あの日の突然の悲報から置き去りにされた気持は、拭い去れないものがあります。
そして、もしも存命だったなら、こんな世の中にどのような言葉を発していたか……、思わざるをえないことが度々ですから、少しでも故人の歌や言葉や演奏に触れる機会があるとすれば、例えそれが悪質な商売と分かっていたとしても、サイケおやじは素直になれるのが、とるべき態度!?
例えば本日のご紹介はブート史上でも名高い傑作シリーズとして、アナログ盤時代からLPで出された中でも、サイケおやじが個人的に気に入っている1枚です。
A-1 The Great Wok
A-2 Yer Blues
A-3 I Found Out
A-4 Oh Yoko!
A-5 How?
A-6 Pill
A-7 Out The Blue
A-3 #9 Dream
B-1 Tobias Casuals
B-2 John Henry
B-3 She's A Friend Of Dorothy
B-4 Real Love
B-5 Dear Yoko
B-6 (Just Like) Starting Over
B-7 The Return Of Marice Dupont
内容は上記演目からも既にご推察のとおり、基本的にはデモ録音集なんですが、特に「Real Love」はビートルズのアンソロジープロジェクトから奇跡の新曲として完成(?)された、その大元だと言われていますし、後に本人の未発表曲&没テイク集として纏められた「レノン・アンソロジー」にさえ入れらなかった「She's A Friend Of Dorothy」が、これほどの完成度なのは勿体無い限り!
他にも短い断片ながら、赤裸々な告白の如き歌いっぷり、あるいは試行錯誤や迷いが散見出来るトラックの数々は、殊更ジョン・レノンの人間味を強く感じさせてくれる名盤だと思います。
ちなみに、このシリーズにはビートルズ時代の録音が入ったブツもありますし、本日掲載した「Vol.13」に限らず、各アルバム毎のジャケ写やデザインが実に秀逸なので、おそらくは35枚ほどあるLPは、どれも見つけたら即ゲットをオススメ致します。
また当然ながら現在、ほとんどの音源はCDにシフト発売されていますので、聴くのは比較的容易ですし、あとはヨーコの英断があれば公式発売可能なテイク&バージョンがどっさりという宝物殿でしょう、このシリーズは!
書き遅れましたが、なにしろソースになったのは1988年1月から相当の長期間に全米放送されたものですから、音質もそれなりに問題無く聴けるんですよねぇ。
ということで、何をもっても贖いきれない故人の表現世界は、しかし今となっては同じ時空を生きられた幸せに感謝するばかり……。
心からの冥福を祈念しつつ、本日は朝からこれを聴いていたというわけです。
合掌。