OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

伊東きよ子のメルヘン歌謡も、たまには良い

2011-12-11 15:14:39 | 歌謡曲

涙のびんづめ / 伊東きよ子 (CBSソニー)

昨夜も宴会、しかも連続掛け持ちで三か所回るという、大変にありがたい恩恵に授かったわけですが、最初に顔を出した会場は若い者メインのパーティとあって、サイケおやじは入っていった瞬間、明らかに自分が浮いているのを感じました……。

う~ん、実際、その場の空気がひんやりと固まったほどですから、とにかくビンゴ大会に提供する商品を置いて、おじゃま虫はサッと退散するのがベストいう判断は正解だったようです。

しかし次に呼んでもらったところでは、これが和みと殺伐の二重奏みたいな、全くバランスを欠いた宴会で、具体的にはその場に居ない嫌な奴を糾弾し、他人の不幸は蜜の味を楽しむが如き進行展開は悲喜こもごも……???

ですから日頃は酒に酔わないサイケおやじも、なんかタガが外れたような無礼講に酔いしれてしまったのは、まあ、いいか♪♪~♪

そんな言い訳が欲しくなり、気の合う盟友と連れだって、久々に隠れ家としている店へ行ってみると、ちょうどそこには弾き語りの女性歌手がステージ出演中とあって、ふんわりフワフワの和みをいただきました。

なにしろ歌ってくれたのが、昭和歌謡フォーク大会というか、本日ご紹介のシングル曲「涙のびんづめ」を含むメルヘンの世界でしたからねぇ~~♪ わかっちゃいるけどやめられないの世界ですよ♪♪~♪

さて、そのオリジナルバージョンを歌っていたのはご存じ、昭和42(1967)年のメガヒット歌謡フォーク「花とおじさん」を代表曲とする伊東きよ子だったんですが、彼女は清涼で穏やかな歌声と共に抜群のリズム感も最高と思うのは、サイケおやじだけでしょうか。

また演歌とは似て非なる、実に個性的なコブシ回しが強烈な持ち味だった事も付け加えておきます。

それは2作目のシングル曲「リンゴの花咲くころ」におけるロックジャズと民謡の化学変化的歌唱法で特に顕著に楽しめるのですが、この昭和44(1969)年に発売された「涙のびんづめ」では、フレンチボサと演歌の不思議な合成が、結果的に元祖ニューミュージックといって過言では無い仕上がりに結実していると思います。

あぁ、流石は寺山修司ならではのメルヘンなせつなさ、それに歌謡曲保守本流の曲メロをつけたのは、すぎやまこういち!

正直、タイガースが演じたとしたら、とんでもない大ヒットになった可能性もあるんじゃないか!? と独断するほど、胸キュンなんですねぇ~♪

もちろん伊東きよ子の諦観漂う節回しの上手さからは独得の情熱が滲み、その儚げな雰囲気の良さは絶品♪♪~♪ フルートやチェンバロ(?)等々で作られたバック演奏とのナチュラルなコラポレーションも聞き逃せません。

ちなみに彼女の芸歴には、前述の「花とおじさん」で一躍スタアになる前、アメリカのフォークグループとして超一流のニュー・クリスティ・ミンストレズにメンバーとして参加していたという伝説がありますから、その実力は天下一品でしょう。

とにかく細かいメロディの表現が上手いのは、既に述べたようにリズム感の素晴らしさゆえと思います。

ということで、今朝は継続発作的に伊東きよ子が聴きたくなり、これを取り出したわけですが、正直に告白すれば、スピーカーに対峙して鑑賞するには、些かの気恥かしさを感じてしまいます。

そこで車の中で流すべく、何かCDを探す所存ではありますが、願わくば引退中の彼女には、もう一度公の場で歌って欲しいと願っています。

現在のように、どん詰まりの社会情勢の中では、伊東きよ子のようなメルヘンが歌えるシンガーが必要なんじゃないでしょうか? 本当にそう思います。

コメント
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