OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

バブルガムの進化に習え

2011-12-13 14:56:51 | Pops

The Train c/w 永遠の灯 / 1910 Fruitgum CO. (Buddah / 日本コロムビア)

そりゃ~、バブルガムロックだって進化していたのがリアルタイムの実相で、つまりは1960年代後半から1970年代前半までがロックの全盛期だった証明でしょう。

と、本日もサイケおやじの独断と偏見に辟易される皆様には申し訳ないんですが、例えば掲載した1910フルーツガム・カンパニーのシングル盤は、これが世に出た1969年初秋のロック界の動向を巧みにつかんだオルガンロックのバブルガム的展開として、実に見事に売れまくったのですから、侮れません。

特にA面の「トレイン / The Train」はアップテンポでイントロからモリモリに盛り上がるオルガンの響きが終始演奏をリードしていくという、なかなかR&Bフィーリングも豊かな仕上がりですし、熱いボーカル&コーラス、しぶといホーンセクションの導入が、これまたジャストミートのファンキーロック♪♪~♪

もちろん世界中で大ヒットしていますし、我国でも同年晩秋から翌年春にかけて、長らくラジオの洋楽番組では人気を集め、些か軽く扱われていた1910フルーツガム・カンパニーが息を吹き返した感もありましたですねぇ~♪

実はそうした流れも、この日本盤シングルのスリーヴ裏に掲載されている解説によれば、デビュー当時のオリジナルメンバーは全員が退団し、新たにパット・ソリアーノ、ドン・クリストファー、リッチー・ゴメス、ジミー・カサッツァ、ジェリー・ロス、ラルフ・コーエンの顔ぶれによる6人組として再スタート!?!?

なぁ~んて、もっともらしい記述があるんですが、既に皆様はご推察でしょうし、サイケおやじも度々述べているように、この1910フルーツガム・カンパニーも本質的には「実態の無いバンド」であり、ジェリー・カセネッツとジェフ・カッツという優れた2人のプロデューサーがセッションミュージシャンを動員して作り上げた企画商品なんですから、さもありなんでしょう。

ただし、1967年に出たデビューのメガヒット「Simon Says」以降は、きっちり巡業用のバンドが仕立て上げられていましたから、前述したオリジナルメンバー脱退の件も、故なき事ではないのでしょう。

というか、これもその解説に記載されていた事なんですが、ジェリー・カセネッツとジェフ・カッツの2人が黒幕のブッダ系バブルガムサウンドは、この頃から第二期に入ったとされるのであれば、それまでのライトタッチのギターサウンドからキーボードを前面に出した音作りにも説得力があります。

それはB面に収録された「永遠の灯 / Eternal Light」が、ちょいとプロコルハルムを想起させられてしまうオルガンインストになっている事にも顕著であって、欧州ゴスペル風のスローな展開から中盤でのラテンロックっぽい流れに入るところは、一概に「バブルガム」とは決めつけられない濃厚さが!?

う~ん、なかなかプログレしていると感じるのは、サイケおやじだけでしょうか。

ご存じのとおり、1910フルーツガム・カンパニーは今や伝説となった、例の1971年のピンク・フロイド来日公演の前座ステージがありますからねぇ~~♪

残念ながらサイケおやじは体験出来ませんでしたが、なにかそうした逸話にも違和感を覚えないのが正直な気持です。

ということで、やりは「バガルガム」と言えども進化の途上の勢いは、それがロック全盛期の中のひとつの要素であり、相対的に売れるレコードや楽曲が素晴らしいのは当然でありました。

もちろん、今だってロックは進化し続けているでしょうし、大衆音楽全般がそうであるように、常にリスナーの好みは変化し続けているのですから、温故知新も含めて、いっそ社会情勢全てがバブルガム志向になったとしたら、少しは生活も楽しくなるような気がしています。

コメント (2)
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