■シンデレラ・ハネムーン / 岩崎宏美 (日本ビクター)
いゃ~、昨夜の忘年会は何か遮二無二盛りあがったというか、政権が交代し、再びバブルの予感も孕む勢いは、そのまんま往年の熱気に近いものまで感じました。
ただし、個人的には酒に酔わない体質という事もあって、そんな夢のような期待には懐疑しか残らないわけですが、それでも二次会で乗り込んだカラオケ大会でのバカ騒ぎは、バブル期を知っている者として、せつなさと懐かしさで泣き笑い???
まあ、そうでもしていないと前途不安な気持は皆、一緒なんでしょう。
しかし、それはそれとして、ノリ優先のカラオケ大会と言えば、ディスコ歌謡はお約束!
特に本日掲載のシングル盤A面曲「シンデレラ・ハネムーン」は定番の中の大定番ですから、下手は下手なりに歌って楽しい気分は最高~~~♪
今更言うまでもありませんが、筒美京平の作編曲はイントロからして、丸っきりドナ・サマーの「Once Upon A Time」ですからねぇ~♪ これぞっ! 和製ミュンヘンディスコの決定版という抜群のグルーヴを提供してくれるバックのカラオケパートも、百点満点でしょう。
中でもリズムギター、ベース、ドラムス&パーカッションの凄さは、筆舌に尽くし難いとは、この事ですっ!
もちろん阿久悠の作詞もホヨヨォ~ンって感じの浮世離れ感は絶品なわけですが、それを歌ってくれる岩崎宏美が清らかで、さらに伸びやかな声質なんですから、企画も含めて、これは絶対的な確信犯と思うばかりです。
ご存じのとおり、彼女はテレビのタレントスカウト番組「スタア誕生」出身なんですが、既に審査員だった松田トシ先生の弟子だったという現実にも、あざとさが無い実力は超一級でありました。
それが最近は例の「すみれ色の涙」「聖母たちのララバイ」等々のメガヒットで、すっかりパラードシンガーみたいな存在になっていますが、個人的にはそれ以前の歌謡ポップス~ソウル歌謡路線の彼女が大好きです。
なにしろ出世作「ロマンス」からして、筒美京平の作編曲はヴァン・マッコイでしたからねぇ~~♪
ということで、あまりにも安易に盛り上がってしまうのは、この「シンデレラ・ハネムーン」が流行っていたリアルタイムの昭和53(1978)年秋という、思えばバブル胎動期の入り口への懐かしさが根底にあるのかもしれません。
今となっては、もっと自戒が必要な事は分かりきっているのですが、その時代を知らない現代のお若い皆様にだって、楽しい気分に浸る権利は確かにあるでしょう。
今度こそ、二度と後腐れの無い、本当の繁栄を望みつつ、一時の享楽に身を任せるのも悪くないと思うのでした。