■恋のパッコンNo.1 / リンリン・ランラン (日本ビクター)
最近はあまり見ないですが、昭和の我国芸能界でひとつのジャンルを占めていたのが、ザ・ピーナッツに代表される双子姉妹の歌謡デュオでした。
それは他にも民謡系のこまどり姉妹、ポップス系のレモンレモンズやザ・バーズ、そしてアイドル系のリリーズ等々、なかなか強い印象を残している人気者が多く、特に本日ご紹介のリンリン・ランランは香港からやって来たという話題性だけでも、最初っから目立ちまくっていた記憶があります。
しかも広く知られるようになったのが、昭和49(1974)年頃から出演したテレビスカウト番組「スター誕生(日本テレビ)」のアシスタントであったというのも、既にスタアの座が約束されていた証明(?)でしょう。
実はリンリン・ランランは、その来日2年ほど前から、ロッカ・シスターズと名乗って活動していた香港生まれのアイドルだったのです。
ただし生粋の中国人ではなく、アメリカ系の血筋も入っていたそうですから、そんなところもウケたポイントかもしれません。
そして待望のデビュー曲「恋のインディアン人形」が同年春に発売されるや、彼女達は瞬時にトップアイドルの仲間入り! もちろん歌の活動ばかりではなく、バラエティ番組やCMでも活躍していた事は言うまでもないでしょう。
サイケおやじの世代の皆様ならば、あの懐かしい「リンリン・ランラン・リュ~エン♪」という某中華料理店のCMソングは刷り込まれているんじゃ~ないでしょうかねぇ~~♪
ちなみにリンリン・ランランは向かって左側が姉のリンリン、右側が妹のランランとされていましたが、そんな事よりも二人が揃ってこその商品価値があった事は言わずもがなでしょう。
さて、そこで掲載したシングル盤A面曲「恋のパッコンNo.1」は、いやはやなんとも、凄いタイトルではありますが、中身はアップテンポのブラスロックとポップソウルが歌謡曲を媒体として化学融合を成し遂げた、これが如何にも昭和49(1974)年末らしい、実に楽しい仕上がりの決定版♪♪~♪
パッコン パッコン 私の~♪
パッコン パッコン この胸~♪
という最初のパートから、アッという間に彼女達の世界に引き込まれる仕掛の上手さは、作詞:さとう大三&作編曲:穂口雄右が流石の仕事と感銘するばかりですよっ!
う~ん、まさに「キャッチー」というキーワードが、ここにあったのが昭和歌謡ポップスの真骨頂と言うべきかもしれません。当然ながら、リンリン・ランランならではの爽やかなユニゾンボーカルとハーモニー&コーラスの微妙なナチュラルフィーリングは、双子姉妹の特権でありますねぇ~~♪
実は今夜は仕事関係先の忘年会に顔を出すんですが、女子社員の誰かが二人でこれを宴会芸にやってくれたら、きっと不景気をブッ飛ばす盛り上がりになると思うんですけどねぇ。
そういう部分でも、今こそ双子姉妹の歌謡デュオは登場が望まれるような気がしています。