■太陽のバカンス / Sheena & The Rokkets (Speedstar)
Sheena & The Rokkets=シナロケのシーナが天国へ召されました……。
昨年の夏頃から重病説の噂が耳に入っていたとはいえ、やはり享年61歳は早すぎる突然の悲報としか言えません。
ご存じのとおり、故人は夫君の鮎川誠と共に結成したシナロケで昭和53(1978)年に公式レコードデビューし、こういう言い方は好きではありませんが、我が国の女性ロックボーカリストとしては最初に売れたひとりとされています。
しかし、これもまた知られているように、シーナにはそれ以前にミュージシャンとしての履歴が無く、如何にもトーシロなボーカルスタイルと強い印象を残すファッションセンス&ルックスがあればこそ、ロックが基本的に持っている分かり易さをアピールするには絶対の存在であったことは確かです。
それはレコードよりもライブの現場における圧倒的なスタア性に殊更顕著であり、イベントに出演すれば、他のバンド以上の盛り上がりを作ってしまうナチュラルな高揚感こそが、シーナの最高の持ち味であったように思います。
それは失礼ながら、何度もシナロケのライブに接したサイケおやじが僭越にも言えることではありませんが、決して歌が上手いとは言い難い彼女のイメージを逆手に活かした鮎川誠のコラボレーションの勝利でもあり、これほど共稼ぎが最良のベクトルを描いていた夫婦は珍しいと羨んでしまいますねぇ~~~。
もちろん鮎川誠についても、所謂スーパーテクニシャンのギタリストではないわけですから、その成果に関しては全くフィーリング優先だと思えば、完全な本物のロックをやれたのがシーナと鮎川誠の神髄と思うばかりです。
さて、そこで本日掲載したのは昨年の夏に大手レコード販売店のタワーレコードが独占企画で出したアナログ盤シングルであり、サイケおやじとしてはジャケットを見た瞬間、いきなりお買い上げモードに入ってしまったという、なかなか素敵なブツであります♪♪~♪
特にシーナの如何にもの佇まいとアンプに直結したレスポールで構えた鮎川誠のツーショットは、シナロケの永遠を表しているに違いないっ!
今となっては、そう思う他はなく、しかし現実的には彼女は冷酷な病魔に侵されていたんですから、涙が滲んでまいります……。
ちなみにA面「太陽のバカンス」は作詞が鮎川誠のサンハウス時代からの仲間である柴山俊之、そして作曲がシーナによるイタリアンツイスト調のハードロック♪♪~♪
故人の冥福を祈りつつ、これから再度、針を落とす所存です。
最後になりましたが、サイケおやじは幸運にもシーナの隣でコーヒーを飲んだことがあります。
まあ、実際は同じ店のフロアの隣のテーブルで通路を挟んで着席していただけなんですが、狭い場所だったことから、素敵な至福の時間を過ごせたというわけです。
ありがとう、シーナ、合掌。