■ラストレター / 西由梨絵 (ポリドール)
いゃ~~、これはないだろうぉ~~!?
と思わず唸ったのが、昭和63(1988)年4月に発売された西由梨絵(にしゆりえ)の掲載盤A面収録「ラストレター」です。
なにしろノッケから思わせぶりなマイナー調のイントロで「わたし 死んでも いいですか」とクール過ぎるセリフが入り、続けてミディアムテンポでマイナスのベクトルが効いたメロディで歌われるのが、どうやら好きな男に振り向いてもらえない女の子(?)が絶望から死の世界への道を選ぼうとする、その気持ちを最後の手紙に託する云々……、なぁ~んていう漆黒の心象風景物語になっているんですから、ジャケ写ポートレートから判断する限りではありますが、愛くるしい面立ちのアイドルソングとしては「あざとさ」が溢れかえっているんじゃ~ないでしょうか!?
これは作詞:秋元康&作曲:山崎稔、そして編曲:竜崎孝路とクレジットされたスタッフの完全なる確信犯でありましょう。もちろんレコード会社や彼女の所属事務所の意向もあったはずです。
等々は、あくまでもサイケおやじの穿った推察かもしれません。
何故ならば、当時のサイケおやじは異郷の地で辛酸を舐めまくっていた頃でしたから、西由梨絵という歌手には全く接する事が叶わず、もちろんテレビ等々で歌う姿、そしてレコードに入れらている音源さえも未知の領域でしたから、お題にした「ラストレター」だって完全に後追いで中古ゲットした纏め売りシングル盤の山の中で邂逅したわけでして……。
結局、先日引っ越し作業を行ったトランクルームに長年格納されていたブツの1枚が、この掲載盤、それも非売品の見本盤だったんですから、リアルタイムのヒット状況なんて、知る由もありません。
ただし、その頃の我が国はバブル期の真っ只中でしたからねぇ~~、ここまで暗い歌が逆説的なヒット狙いで作られたという推察も可能なんでしょうか?
問題は、もしも彼女がテレビ出演していたとしたら、どのような表情でイントロのセリフを語り、本篇を演じていたかという部分で、それがサイケおやじには大きなミステリであります。
ということで、本日から季節は春と思いたい心境ではありますが、油断は禁物!?
コロナ禍はもちろんの事、今年も仕事から出来そうもない自らの身の振り方(?)にしても、先行きは決して明るいとは申せません……。
ラストレターだけは、しばらく御免ですから (^^;)