OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

小野小百合の素直な登場

2021-03-18 19:32:31 | 歌謡曲

恋の誕生日 / 野中小百合 (ワーナーパイオニア)

結果的にブレイクしなかったがゆえに後年、カルトな人気を集める歌手が殊更アイドル系に多いという実情は皆様ご存知のとおりです。

例えば昭和50(1975)年に本日掲載のシングル盤A面曲「恋の誕生日」をデビュー作とした野中小百合は、所属が大手の渡辺プロだったそうですから、それなりにテレビでも接していた記憶が残っているんですが、歌手としての方向性が、イマイチ定まっていなかったのでしょうか、前述のデビュー曲がアイドル歌謡ポップスでありながら、次作以降は急速に正統派歌謡曲~ポップス演歌みたいな世界へと進み出し、未確認ではありますが、数度の改名を経ながら6年ほどは表舞台で活動していたとか……。

しかし、サイケおやじにとっては、とにかくデビュー曲「恋の誕生日」のインパクトが強く、それは作詞:千家和也&作曲:浜圭介、そして編曲:馬飼野俊一が正に女の子アイドルとしての存在感を強く表出させた裏名曲?

その乙女チックな歌詞の世界とソフトロックな曲メロの相性は素晴らしく、加えて馬飼野俊一のアレンジが色彩優先主義と申しましょうか、恋の芽生えと戸惑いを強いビート感を伴ったフンワリフワフワと弾む様な感覚に纏め上げているんですから、野中小百合も素直な声質で歌っているわけですが、この「素直な声質」という部分がヒット曲の現場的には物足りなさがある事も……。

例によってサイケおやじの大いなる勘違いなんでしょうが、同じ系譜としては麻丘めぐみの様な、「可愛い強引さ」があればなぁ~~、という本音も隠せません。

しかし、それでも野中小百合は、きっちりとアイドル歌謡の路線を守ってくれたシンガーであり、だからこそ既に述べたとおり、アイドルでありながらの正統派歌謡曲の道へ踏み込んだんじゃ~ないでしょうか。

そしてついに昭和52(1977)年、「火遊び志願」という、これまた裏名曲となるフェロモン歌謡シングルを出すのですが、それについては何れ項を改めさせていただきます (^^♪

ということで、前述したとおり、野中小百合は改名してのレコード発売もあったんですが、数年前(?)に発売済みの音源を纏めた復刻CDも発売されており、告白すればサイケおやじは、その時にゲットしておかなかった事を心底後悔している始末……。

それゆえにチマチマと集めたレコードには、尚更の愛着が持てるのでした。

コメント
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