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雪の上にけもののごとく屠りたり  長谷川素逝

2007年12月12日 08時46分59秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
ちょっと昔のお話です。
昭和12年、今から丁度、70年前の12月13日。
名古屋市内は提灯行列で沸き立っていました。
中国の首都・南京を攻撃していた日本皇軍が、
見事、南京攻略に成功した日だったのです。
勿論、この戦いで何万という捕虜が無抵抗なまま殺されたことや、
南京市民が殺されたり、強姦された事実は、日本国民には
まったく知らされていませんでした。

この戦争には、俳人も従軍、俳句を残しています。
その一人長谷川素逝の句です。

 雪の上にけもののごとく屠りたり  

日中戦争に従軍した作者。
武漢作戦の際、捕虜が雪の上にうずくまり
手を合わせて命乞いをするのを
未練がましいと獣を屠るように切り殺しました。
日本の軍隊では、捕虜となって原隊に帰っても
銃殺刑が待っていたそうです。

南京攻略作戦の句。

 北風すさびたまとび瓦ふるい落つ

戦友の戦死

 月落ちぬ傷兵いのち終りしとき

戦時下の民衆の姿
 
 酷寒にたうべる草もなき土民

     (俳句抒情辞典より)楽石



コメント (2)
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