本日朝刊社説に「再延長国会 法案修正で文民統制を守れ」というのがあった。一言で「大山鳴動、鼠一匹」の内容と言える。
大見出しで「文民統制を守れ」と大音声を発しておいて、中身は実に貧弱な内容だからである。その上、この社説の筆者はこの「大山鳴動、鼠一匹」ぶりを明らかに自覚している。だからこそ、左翼がかったような大見出しを付けたのだ。だからむしろ、「羊頭を掲げて狗肉を売る」の社説と言ったほうがぴったりするなと、僕は笑ってしまった。
まず現情勢と問題点とを語ってみせる。
11月13日に衆院から参院へ送られたから、「参院が60日以内に議決しないときには、衆院3分の2で再可決できる」という憲法条項によって1月12日以降には決定できるから、「成立は、今後よほどのことがない限り、時間の問題になってきた」と国民を脅してみせる。
その上で、重要かつ理解が難しいこの問題について、ご自分らの立場について、こんな断言を敢行してみせている。
「私たちは、対テロ包囲網の構築に向けた国際社会の要請に応え、かつ憲法上の制約を踏み越えないという観点から、海上自衛隊によるインド洋での給油活動は日本が取り得る選択肢の一つだと考えてきた。
ただし、政府案には文民統制を保証するうえで重要な『国会承認』の規定が抜け落ちている」
さて以上の「大山鳴動」、「羊頭」以降に、「鼠1匹」、「狗肉」が打ち出されて来る。
「理解し難いのは、民主党の対応である。(中略)小沢一郎代表が洋上給油を『違憲』と断定し、党内論議にたがをはめてしまった。(中略)自衛隊の派遣条件を国連安保理決議がある場合に限っている点は、自民党のみならず、民主党内にも異論がある」
さていくつか「狗肉」ぶりを揚げてみよう。
①何よりも例によって、拠って立つ大前提が怪しげなのだが、それらに説明が要るなどとはオクビにも出さないというやり口である。曰く、『国際社会の要請』、曰く『憲法上の制約を踏み越えないという観点』? いずれも物凄く論議が必要な命題ではないか。
『国会承認』規定を脱落させたら文民統制も糞もないのであって、これでは「国際社会」も「憲法」もあったもんじゃないというのは自明だ。
ちなみに、こういう「立場」への以下のこんな反論は、常識に属することである。アフガニスタン進行軍は集団的自衛権の行使である。何となれば、国連憲章では二つの武力行使しか認めていないのであって、アメリカもNATOもアフガニスタン進行を「自衛権の行使」と語っているのであるから。日本の「後方支援」もそうでない訳はないということだ。それを「憲法違反ではない」と言い張るために、「(集団的)自衛権の行使ではない」と強弁する日本政府の解釈は国際的にはまったく通用しないものである。そして、こんな反論は百も承知のはずの毎日新聞が、『憲法上の制約を踏み越えないという観点』を貫いて「給油もひとつの選択肢」とは、どの口で語っているのであろうか。
②こういう自公に甘い大前提をご自分らが取って見せた上で、他方民主に対しては「理解し難い」と切って捨てている。それも、民主主流が拠って立つ「違憲」、「国連」をあげつらい、民主内の自民党的少数意見を持ち上げてみせるやり口だ。上に述べたように、「違憲」は事実であり、「国連軽視」も事実であるのに。ここにおいては、毎日新聞VS民主主流のいずれに大義名分があるのかは自明ではないか。
率直に語って、現憲法下での集団的自衛権発動軍隊の支援は、それも国際的にも国内的にもますます孤立したブッシュの米軍中心でありかつ日本を遠く離れた土地での「支援」は、違憲ではないのか?
国連の合意があることが望ましくないのか?
格調も「筋」もない、実に情けない社説であると言う他はない。
また、テロ特措法というこの重大問題問題でのこういう『社説』はまるで、「次期総選挙に向けて『毎日』もまたぞろ自公支援を始めたのか?」と告発しても良いぐらいのことだと思う。
大見出しで「文民統制を守れ」と大音声を発しておいて、中身は実に貧弱な内容だからである。その上、この社説の筆者はこの「大山鳴動、鼠一匹」ぶりを明らかに自覚している。だからこそ、左翼がかったような大見出しを付けたのだ。だからむしろ、「羊頭を掲げて狗肉を売る」の社説と言ったほうがぴったりするなと、僕は笑ってしまった。
まず現情勢と問題点とを語ってみせる。
11月13日に衆院から参院へ送られたから、「参院が60日以内に議決しないときには、衆院3分の2で再可決できる」という憲法条項によって1月12日以降には決定できるから、「成立は、今後よほどのことがない限り、時間の問題になってきた」と国民を脅してみせる。
その上で、重要かつ理解が難しいこの問題について、ご自分らの立場について、こんな断言を敢行してみせている。
「私たちは、対テロ包囲網の構築に向けた国際社会の要請に応え、かつ憲法上の制約を踏み越えないという観点から、海上自衛隊によるインド洋での給油活動は日本が取り得る選択肢の一つだと考えてきた。
ただし、政府案には文民統制を保証するうえで重要な『国会承認』の規定が抜け落ちている」
さて以上の「大山鳴動」、「羊頭」以降に、「鼠1匹」、「狗肉」が打ち出されて来る。
「理解し難いのは、民主党の対応である。(中略)小沢一郎代表が洋上給油を『違憲』と断定し、党内論議にたがをはめてしまった。(中略)自衛隊の派遣条件を国連安保理決議がある場合に限っている点は、自民党のみならず、民主党内にも異論がある」
さていくつか「狗肉」ぶりを揚げてみよう。
①何よりも例によって、拠って立つ大前提が怪しげなのだが、それらに説明が要るなどとはオクビにも出さないというやり口である。曰く、『国際社会の要請』、曰く『憲法上の制約を踏み越えないという観点』? いずれも物凄く論議が必要な命題ではないか。
『国会承認』規定を脱落させたら文民統制も糞もないのであって、これでは「国際社会」も「憲法」もあったもんじゃないというのは自明だ。
ちなみに、こういう「立場」への以下のこんな反論は、常識に属することである。アフガニスタン進行軍は集団的自衛権の行使である。何となれば、国連憲章では二つの武力行使しか認めていないのであって、アメリカもNATOもアフガニスタン進行を「自衛権の行使」と語っているのであるから。日本の「後方支援」もそうでない訳はないということだ。それを「憲法違反ではない」と言い張るために、「(集団的)自衛権の行使ではない」と強弁する日本政府の解釈は国際的にはまったく通用しないものである。そして、こんな反論は百も承知のはずの毎日新聞が、『憲法上の制約を踏み越えないという観点』を貫いて「給油もひとつの選択肢」とは、どの口で語っているのであろうか。
②こういう自公に甘い大前提をご自分らが取って見せた上で、他方民主に対しては「理解し難い」と切って捨てている。それも、民主主流が拠って立つ「違憲」、「国連」をあげつらい、民主内の自民党的少数意見を持ち上げてみせるやり口だ。上に述べたように、「違憲」は事実であり、「国連軽視」も事実であるのに。ここにおいては、毎日新聞VS民主主流のいずれに大義名分があるのかは自明ではないか。
率直に語って、現憲法下での集団的自衛権発動軍隊の支援は、それも国際的にも国内的にもますます孤立したブッシュの米軍中心でありかつ日本を遠く離れた土地での「支援」は、違憲ではないのか?
国連の合意があることが望ましくないのか?
格調も「筋」もない、実に情けない社説であると言う他はない。
また、テロ特措法というこの重大問題問題でのこういう『社説』はまるで、「次期総選挙に向けて『毎日』もまたぞろ自公支援を始めたのか?」と告発しても良いぐらいのことだと思う。