九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

今、安倍政治への決着を  文科系

2021年10月10日 13時00分31秒 | 国内政治・経済・社会問題

 安倍晋三氏が仕立て上げた菅内閣が退いて、同じく安倍の息もかかった岸田内閣が生まれた。が、菅の退陣にも、30年ぶりとかの宏池会首相誕生にも、安倍長期内閣が犯した数々の失政というよりも確信犯愚行への反動があることも明らかだ。が、安倍とその派閥はまだまだ力を持っている。今息の根を止めておかねば、総選挙の結果次第ではまたまた復活してくるだろう。むしろ、この選挙に野党が勝つためにこそ、自民党最大派閥・清和会の息の根を止めたい。彼らがいかに普通の政治常識から外れた集団であるか、以下二点において描き出してみる。

 まず、この総裁選挙に安倍が「高い見識ある政治家」として鳴り物入りで喧しく推薦し、集票電話を掛けまくった高市早苗の国防論を観る。高市早苗はこういう題名が付いたネット記事を書いている。

『高市早苗氏 経済安全保障と中国の脅威を語る「やられたら報復がある。それが抑止力」山田宏氏との対談にて』

 この内容を、本文の言葉で要約すれば、むしろ「やられる前にやる」ということになる。以下のように。
「日本の科研費を使って、日本で研究をした中国人が中国に帰って、極超音速兵器兵器を開発しています。極超音速兵器は日本では残念ながら迎撃できません」
「ではどうすればいいかということです。もしも早めに発射の兆候がわかれば、敵基地先制無力化をします。これは安倍内閣の積み残し案件で、敵基地先制攻撃と安倍首相はおっしゃっていました。私はむしろ敵基地先制無力化と言ってます。いかに早く相手の基地を無力化するかで、これからは勝負が決まると思っています」
「だから、反対にこちらが仕掛けます。敵基地の無力化をします。このための備えもしなればいけませんが、法的にできないこともあります。サイバー攻撃で相手の基地やシステムを無力化します。これはアクティブディフェンスですが、日本では法律がありません。憲法で通信の秘密にひっかかるというのがあって、安倍内閣でもなかなか議論が進みませんでした。」

 このような論議は、この日本にいてちょっと正気かとも思うが、最近のアメリカ「国防」論の焼き直しにすぎないのである。アメリカがこれを発動した国が近年すでにいくつもあるという、先制的防衛論そのものなのだ。第一がアフガニスタンで、こんな小さな国が結局、アメリカ史上最長の戦乱に襲われたのであった。次が「大量破壊兵器予防」のイラク戦争だ。こういう予防戦争を世界に呼びかけて未遂に終わったのが、ベネズエラやイランである。ただ、対イランでは、同国英雄司令官スレイマニをイラク政府に呼び出させたそのイラク・バクダッド空港においてドローンで粉砕したのだから、このこと自身が国際法上では戦争、開戦行為なのである。

 

 次いでもう一つ、安倍執念の憲法改定に走る思想的根拠となっている文書、「日本会議がめざすもの」をここに改めて紹介したい。以下がその冒頭部分である。

『 日本会議がめざすもの

1美しい伝統の国柄を明日の日本へ
 皇室を敬愛する国民の心は、千古の昔から変わることはありません。この皇室と国民の強い絆は、幾多の歴史の試練を乗り越え、また豊かな日本文化を生み出してきました。多様な価値の共存を認め、人間と自然との共生を実現してきたわが民族は、一方で伝統文化を尊重しながら海外文明を積極的に吸収、同化して活力ある国を創造してきました。

 125代という悠久の歴史を重ねられる連綿とした皇室のご存在は、世界に類例をみないわが国の誇るべき宝というべきでしょう。私たち日本人は、皇室を中心に同じ民族としての一体感をいだき国づくりにいそしんできました。

 しかし、戦後のわが国では、こうした美しい伝統を軽視する風潮が長くつづいたため、特に若い世代になればなるほど、その価値が認識されなくなっています。私たちは、皇室を中心に、同じ歴史、文化、伝統を共有しているという歴史認識こそが、「同じ日本人だ」という同胞感を育み、社会の安定を導き、ひいては国の力を大きくする原動力になると信じています。
(以下略)』

 こういう文章を読まされると、文中の「同胞感」が皆無の僕などは途方に暮れてしまう。『社会の安定を導き、ひいては国の力を大きくする原動力になる』ということがない日本人と宣告されているのだから。こんな思想で政治運営がなされる国は全体主義国家にしかならないという知性、教養さえないのである。安倍晋三氏は、こういう団体を支持する政治集団の最高顧問を務めている。これでは確かに、人文社会系学者の大部分を疎外したくなるはずであって、最近の学術会議人事干渉も必然というもの。これを放置しておけばやがては、戦前の滝川事件、美濃部達吉事件も必至と、そう考えるのが当然という政治思想の持ち主なのだ。

 

 赤木雅子さんは、夫の死を究明するまでとことん戦う姿勢だ。学術会議も「落選理由」を聞くまで引き下がらないだろう。国政を私物化した「桜」の不起訴も小沢一郎の時以上に、追及されていくはずだ。これらすべてが戦われている間は、安倍を半謹慎状態にもできるかもしれない。「国政功労者を祝い励ます会」を「個人選挙後援会・さながら山口県人の会」に換えてしまって、この事件の究明などでは「参加者名簿は破棄しました」「領収書はありません」などと応えつつ国権の最高機関、国会に於いて嘘八百をならべてきたというペテン師である。こんな彼に国会で大きな顔をさせ続けるなどは、日本政治の大恥というものだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする