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どうなる、米中狭間の日本 ②  文科系

2021年10月05日 09時10分30秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 中国に対してアメリカの、今後取り得る「構え」論議を前回に紹介した。今回は、そういうアメリカが、日本に対して最大の牽制をしたある「世界史的」大事件を描写してみたい。このことが日本には最初の一報以外にはほとんど報道されなかっただけに、事は重大なようだ。西欧などからいつも言われるように、日本のこの報道管制は全く、全体主義的と言う他はない。19年の天皇訪中約束は確かにあったのだ。以下に観るように19年以降中国と経済協力だけではない仲にも入って行き始めたはずなのだ。以下三つの旧稿の真ん中に置いた、同じ事件を伝えた外信報道がその証拠になるはずである。しかしながら、その後のアメリカの厳しい反応に「原則」という言葉も理解できないやの安倍がびっくりしてしまった。それで、今回の総裁選における対中ハリネズミ論へと高市を動かすに至った。その上で取った態度が、

「3Aより賢そうだから、岸田に任せてみよう。河野は、我々がうまくやったイージスアショアーの『ちゃぶ台返し』によって反米と観られているよなー・・・」。

 

【 対中で、首相・外務省に重大対立  文科系 2018年10月30日

 今日の新聞を読むと、日本政府部内に標記の一大事が起こっていることが分かる。しかも、事が事、中国に対する今後の政府新方針に関わる対立だから、米中冷戦勃発との関係もあって、今後日本のブロック経済方向絡みで以下のような重大な意味を持たざるをえない対立である。先ずは、新聞報道を要約しておこう。要約する記事は、中日新聞2面の『「日中3原則」で混乱』、『会談で確認?食い違う主張』と見出しされた物だ。

 事は、26日北京における日中首脳会談で確認された今後の3方針に「原則」という概念を使うか否かという対立である。習首相らと「原則」と確認し合ったと国会答弁や官邸フェイスブックなどで外に向かって大きく表明した安倍首相に対して、内閣官房副長官や外務省が「3原則という言い方はしていない」とか「中国側が確認したと言っているわけではない」と叫んでいるから、大事件なのだ。政府部内で一体、何が起こったのか。折しも米中貿易戦争の真っ最中とあっては、米よりの外務省と、対中経済大接近の現状を追認しなおすしかなかった安倍首相という構図も見えてくるのである。さて、その「三原則」とは、このように重大な物ばかりだ。
『競争から協調へ』
『互いに脅威とならない』
『自由で公正な貿易体制を発展』
 どうだろう、これを今後の対中日本外交の原則と呼ぶかどうかは、米中貿易戦争・冷戦開始の間に立った日本の方向をすら示していると言えないか。先ず3番目がトランプアメリカへの批判になることは明らかだし、その上で2番目を宣言し直しているというのでは、アメリカの神経を逆なですることになろうから。確かに、対米追随の外務省が顔色を変える事態なのである。

 さて、これだけの理解では、事の重大さにはまだ半分程度しか迫れていないと思う。このことの全貌をきちんと理解するには、最近の日米関係、日中関係等や、世界史の知識なども必要だ。例えば、①日本の対米輸出よりも対中輸出の方が圧倒的に多くなっている、とか。②アメリカが自由貿易を捨てて、カナダ、メキシコなどを引き連れたブロック経済圏作りに走り始めたが、日中は「自由貿易支持」を表明し続けてきた、とか。③EUも自由貿易支持の立場から、アメリカの姿勢を批判し続けてきた、とか。④そもそも世界恐慌時のブロック経済圏作りとは、世界史においてどんな意味を持っていたか、とか。

 今はこれ以上のことは何も言えない。が、首相を中心において政府部内で重大対立が現れるほどの切羽詰まった局面に日本が立たされている事だけは確かなのである。世界経済第3位の日本は、2位のお隣中国に寄っていくことによって、アメリカの保護主義批判の立場を一層鮮明にするのだろうか。としたら、戦後日本の大転換点にもなる。こんな局面では普通なら、アメリカが安倍を切ることになる。田中角栄や小沢・鳩山がやられたように。(以下)略 】


【 習訪日と、天皇訪中・侵略謝罪へ  文科系 2018年11月11日

 アメリカのオンライン誌「ニュー・イースタン・アウトルック」にウイリアム・エンダールが5日書いた記事に、こんな下りがあった。日本マスコミがまだ伝えていないニュースとして。これも安倍のマスコミ工作なのだろうが、情けないことである。題名のこの部分をそのまま載せておこう。

『 中国でも日本でも、マスコミ報道で触れられていなかったのは、安倍総理から習主席に伝えられた天皇の歴史的な申し出だ。日本の情報筋によれば、1930年代の日本による中国侵略を、中国人に正式謝罪するため、明仁天皇が来年4月の退位前に中国訪問を希望していることを安倍首相は伝えた。同時に、天皇は習主席を日本訪問招待した。報道によれば、習主席は天皇の中国訪問決定とは関係無く招待を受けた。天皇のこうした動きを、北京と中国は、象徴にとどまらないものとして受け止めている。』

 なおまた、同記事中の上の記事の前にはこんな内容もあったと報告したい。アメリカに「失恋」した安倍の大慌ての心のうちが見えるようではないか。

『トランプ政権による中国と日本両国に対する貿易戦争の最も重要な結果の一つは、最近の北京における日本の安倍晋三首相と、中国の習近平主席との外交・経済会談だ。東シナ海の係争中の島嶼を巡り、関係が冷却して7年で初めての、日本首相によるそのような会談だっただけではない。アジア最大の経済圏で、新たな政治・経済戦略が始まるかもしれないことを示してもいる。北京を発った数時間後、東京で、安倍首相はインドのナレンドラ・モディ首相をもてなした。これは、新たな多極世界での新たな側面の前兆なのだろうか、それとも単に安倍首相の抜け目のない政治なのだろうか?

 北京での会談を、単なるシャッター・チャンスと見なしているわけではないことを示して、安倍首相は日本企業幹部約1,000人の財界代表団を帯同した。李克強首相が、会談中に、180億ドルの商談がまとまったとを発表した。両国は将来の通貨危機に備え、290億ドルの通貨スワップ再会にも合意した。両指導者は、将来、緊張状態になった場合に、通信するためのホットライン設置にも合意した。安倍首相が習主席を2019年の日本訪問に招待したのも大きな一歩だ。

 中国通貨の信頼性への極めて大きな後押しとなる、日本の外貨準備への中国人民元組み込みに日本が同意したことは、マスコミではさほど報じられていない。中国は、日本銀行による中国政府国債への直接を認めるだろう。』 】

 

【 日中首脳会談、官邸の「嘘」はどうなった?  文科系 2018年12月08日

 10月30日のここで中日新聞記事を元にして扱った標記の重要問題は一体どうなったのだろう。例えば、同月29日、「時事ドットコム」で、こんな管官房長官談話も見つけたのだが。

『 日中首脳会談、「三つの原則」確認している=菅官房長官 2018年10月29日12時30分
 菅義偉官房長官は29日午前の記者会見で、北京で行われた日中首脳会談について「国際スタンダードの上に、競争から協調へ。隣国同士として、互いに脅威とならない。自由で公正な貿易を発展させていく。この三つの原則を確認している」と説明した。菅氏は「これらの原則の重要性は、会談で中国側とも完全に一致している」とも強調した。
 習主席、訪日「真剣に検討」=日中首脳「新たな関係構築」-新3原則を確認
 「三つの原則」をめぐっては、安倍晋三首相がツイッターなどで「確認した」と言及したが、中国側の発表では触れられていない。首相に同行した西村康稔官房副長官は首脳会談後、記者団に「三つの原則という言い方はしていない」と説明し、外務省幹部も「3原則(との言葉)はない」と述べている。(2018/10/29-12:30)』

 この「時事ドットコム」記事でも、やはり大きな疑問、問題が示されている。「競争から協調へ。隣国同士として、互いに脅威とならない。自由で公正な貿易を発展させていく。この三つの原則を確認している」って、本当なのか。特に引っかかるのは、首相官邸と外務省の間にあって、一見して分かる鋭すぎる対立である。
『外務省幹部も「3原則(との言葉)はない」と述べている』
 さて、この問題は意外に大きくって、意外に難しく、激しい米中対立の現今少々奥の深い問題でもあると読んできた。

 そもそも、「原則」という言葉の理解が難しいのである。すべての知識が並列的に並んでいるような思考ではこの言葉は理解できないものであって、この場合ならば「日中問題の他の何事にも優先する(と首脳同士が認め合った)三つの重大確認」という意味である。その三つがこういう表現であれば、日中近年の諍いから観ても、あまりにも唐突過ぎる。
『競争から協調へ。隣国同士として、互いに脅威とならない。自由で公正な貿易を発展させていく』
 これでは、親米べったりでやってきた外務省(やマスコミ)が右往左往したのも無理はないのである。本当にそう確認したのか。あるいは、野党が指摘しているように「内と外とで、国民向けと中国向けとで、言動を使い分ける」ということなのか。(以下略)】

(続く)

 

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