▼ 原発がなくなったら?
今の時点で事故の終息の気配はないねぇ…。
日本にも米国にも、再臨界は起きていると仮説を立てている学者は何人もいるし、放射能を閉じ込める格納器がどれだけ壊れているのかもわからない。大爆発は起こらないだろうとは言われているけど、不安やね。
それに突然、保安院が事故のレベルをチェルノブイリと同じ7にしたやろ?最初は低い数を言ってたのに、徐々に上げてきて、レベル6をとばして、「7」。イヤな予感がするわ。近くに住む人ほど、精神的にしんどいと思うよ。これから地震の活発期に入ると多くの地震学者が言っているときに、こんな不安を抱えて生きるのイヤや。
原子力がないとやっていけないと思っている人が多いよね。でも、日本は原発を全部止めても、電力に困らないんよね 火力はあまり稼働させてないから、それをフル稼働させると、ほぼ足りる。ちょっと問題なのは、猛暑日の何日かの午後の数時間みたいやね。
お天気予報と一緒にお電気予報をやったらいいんとちゃう?足りなさそうはときは、エアコンの温度を上げたり、冷蔵庫を1時間止めたり、工場は夜間操業にしたり、工夫しだいで乗り切れるやろ。あと、休みにしちゃうとか!シエスタ(昼寝)もいいやん。
おー、シエスタ賛成!あれはいい習慣やな。
でも、ずっと火力に頼ってはいられへんよ。コストは高くなっていくやろし、CO2の排出も増えるし。
エネルギー使い放題の生活はもう止めたほうがいいよ。でも、そんなに窮乏生活をしなくても、いいんよね。保温湯沸かしポットをやめるとか、お米は圧力釜で炊くとか(おいしいよ~)、LED電球に変えていくとか、家の断熱性を高めるとか。
あと自販機をなくすとか。自販機の件は石原慎太郎も言ってるんよ。
初めて意見が一致したわ(笑)。
コンビニも何件もある地域では、24時間をやめて、店ごとに開店時間をずらすとか。その上、非電気冷蔵庫とか非電化製品をいっぱい発明している人も栃木にいるよ。オモロいよ。
代替エネルギーもどんどん出てきているやん。スペインでは風力発電が最大の電力源になり、水力、太陽光と足すと、4割の供給をしているってニュースにでてた。デンマークも原発を全部止めてしまい、風力やバイオマスで2050年には化石燃料(石油、石炭などCO2を排出する燃料)フリーの国を実現しようと政策、科学技術を結集しているんやて。
アイスランドは地熱で全EUの半分の電気を作っているとかもあるね。あと、ドイツやね。
福島の原発事故が起きてから、ドイツではすぐに25万人の反原発デモが起きたのにはビックリしたわ。
ドイツ南部の州選挙では、脱原発を掲げる緑の党が大躍進し、支持率がすんごく高まっているんよね。で、環境相が2022年をめどにすべての原発の稼働を止めるという計画を再度持ちだしたり、エネルギー・水道事業連合の会長が遅くとも23年までに完全に原発から離脱することが好ましいとの見解を示したりしてる。この会長の発言は画期的なものなんやて。ドイツも日本と同じくらい(23%)を原発に頼ってるからね。そのかわり、風力発電とかも盛んなんやけど。
ドイツではあと12年くらいで、脱原発ができると判断したわけや。日本の原発事故が、ドイツの子どもたちの将来を守るんやね。
いろんな国を見ててわかることは、「原子力をやめる」「減らす」って決めることで、新しいアイデアがどんどん出てくること。「いいのが出てきたら乗り換えよう」と言ってる間は、結果的にいつまでも原子力にしがみついちゃうことになりがちってことやな。
そう、やめる決断がまず重要!で、いろんなアイデアはすでに出されているし、実用化されてるものもいっぱいあるやん。
▼ 代替エネルギーいろいろまず、自然エネルギーじゃないものから。
まず、ゴミ発電。ゴミは多くないほうがよいけど、必ず出てきてしまうやん。で、今はそれを焼却して処理してる。どうせ燃やすなら、その熱を使おうというのが、「高効率ごみ発電」。ゴミ焼却場のところにくっつけて、作るんよ。
燃やすのがゴミだから、燃料のコストはゼロ。環境省によると、日本にはゴミ焼却場が1300あって、2007年くらいの時点でゴミ発電を行っているのが300ヶ所、総計1630メガワットやて。来年までに2500メガワットにするのを目標としているらしい。これはもっと増やせるね。
ただ、1日100トンくらいのゴミがないと効率悪くて、だいたい10万人くらい以上の自治体の規模が必要なんよ。これは都会向きやね。
でも、京都府では、宇治市・城陽市・八幡市・久御山町・宇治田原町・井手町の3市3町で作る城南衛生組合でゴミ発電をやっていて、発電能力は4900キロワットになっていると教えてもろた。小さな自治体でも、タグを組めば、できるんよね。
私な、もうずいぶん昔にトイレに入っていて、ふと思いついた画期的な発電があってん。それはな、「下水発電」!どこの家庭からも下水は出るやろ。お風呂に入るし、皿も洗うし、洗濯もする。工場も排水出しているところがかなりある。つまり、水の流れは絶えずある。ダムみたいに巨大施設からドーンと大量に水を落とす水力発電のパワーには負けるけど、どこでも水の流れがあるところで使えるんとちゃうか?と思ってん
。そして、今回、調べてみたら、もう実現されてた!それも東電のグループ会社が川崎市水道局と組んで、2006年から浄水場から出た水を貯水池に落とすところに水車発電機をつけて発電しているんよね。
13地点で1,660キロワットの発電をしているって。山形の鶴岡市でもこれと似たことを2009年から実験的に始めてるんよ。こういうのをマイクロ水力発電っていうんやけど、もちろん下水だけじゃなくて、川でもできる。水車発電や。
今のところ、コストが高いとされているけど、どの代替エネルギーにしても、数が少ないからコストがかかる。本気で全国展開したら、コストも下がるやん。しかも、あちこちでできんねん。
あと下水からは処理場で残った汚泥を燃やして、可燃ガスを作り、それをガスエンジンに入れて、発電するというのもあるわ。これも燃料はタダや。あ、なんか、がめついオバハンぽくなってきたな。
ほな、自然エネルギーのほうにいこか。
一番有名なのは太陽光やね。コストもずいぶんと下がってきたやん。ただ、ソーラーパネルを作るのに、けっこうな電力がいる。どの代替エネルギーにも一長一短があるんよね。
それと補助とかもあるけど、ビンボー人でも付けられるような制度がほしいわ。
次は風力やね。
これは日本の国土に合わないとかゆわれてきたんやけど、すごく進化してきてるんよ
。世界初の方式で、通常のプロペラの代りにフィンを付けた翼により風車を回すというものを秋田の会社が作ってるんよ。回転が遅くて、騒音も少なく、鳥がぶつかる(バードストライク)ことが起こりにくく、風速50mまで耐えられるんやて。
もう何年も前にドイツの風力発電の特集が新聞にあって、地元の風力発電に出資したオバチャンが「風が吹くとお金が入るって思って幸せ」とかゆうてたのを笑ったんやけど、「風が吹くと放射線物質が来る」っていうのと比べたら、どんなにいいか。
米国の環境学者で有名な人が「日本はエネルギー大国だ」とゆうてるのを知って、「は?」と思うたら、それは地熱のことやったんよね。
地面を掘って、温泉の蒸気を集めればいいだけの話やし、アイスランドで日本製のタービンが使われているくらいやから、技術はあるんよ。っていうか、地熱発電設備で世界一のシェアを誇るのは日本の企業なんよね。
温泉とバッティングするってゆう話もあるけどね。でも、地熱でかなりのエネルギーを取り出せば、その残りで温泉も沸かせるんとちがうんかな?現にアイスランドはそうしてるんやし。お湯も家庭へ配っていて、それで暖房もするとか、使い道が多いんよ。
本気で地熱発電すれば、今の電力の30%はまかなえるという計算も出てるんや。
それから、有力やと思ったのは、水上発電やね。これにはいろんなタイプがあるんやけど、日本の国土の面積に対して、海域は12倍もの面積があるんよね。まさに「海は広いな、大きいやわ。波力を使ったものもあるけど、風車をつけて海の上に浮かべるタイプの研究が進んでるんよ。日本風力発電協会は、この浮かべるタイプの発電量が3900万キロワットくらいになると試算してんねん。
これは原子炉30~40基分に相当するんやて。しかも、発電コストは太陽光より安いと考えられてるらしい。なんか、どんどん、力が湧いてきたなぁ。
あと、これはまだ研究段階で、すごく特定のところでしか使えん技術なんやけど、振動発電とゆうのもあるで。振動を圧力にして電気に変えるってもの。原理はようわからんわ。発電量に対してコストが高いのがネック。でも、これがさらに発展して、スタジアムとか、ライブ会場とか、人の集まる駅の通路とかで使えたらいいと思わん?
みんなが踊ったり、ジャンプしたり、どたどた歩くだけで発電するって、オモロいわ。
地熱以外は設備費がそれほどかかるわけじゃないし、地熱発電にしたって、原発と比べたら、そう大したことないやろ?どれか一つに絞るんじゃなくて、できるものを地域の特長にあわせて、どんどんやったらいいんとちゃう?
「チリも積もれば山となる」作戦!原発に怯えないですみ、CO2も出なくなって暮らせたら、気持ちよさそうやねぇ。
▼ どうして代替エネルギーが進んでこなかったのか?それにしても、なんで日本は代替エネルギー後進国になってしもうたんかな?
それは一言でゆうと、原発推進が国の政策だったからやろね。たとえば、研究費でも、文科省や電力会社が原子力研究に出しているお金はすんごい額で、代替エネルギー研究なんかにあてられる額は微々たるものや。
それと利権の構造やね。
政府(歴史的には自民党、今の民主党も原発
政府(歴史的には自民党、今の民主党も原発
推進派)と通産省(現・経産省)と経済団体、電力会社がタグを組んでて、お金を回す仕組みができあがってきたんよね。
そこに原発推進派の学者も加わるわけや、今、TVに出ている大方の学者さんたちやね。
原発を稼働するのには動くお金が半端じゃないから、利権もいっぱいあるわけ。経産省や文科省から、電力会社や原子力関係法人への天下りなんてゆうのもすごくある。
原子力関連14法人に計102人が天下りしてるって、国会作成の文書でも出てるんよ
。
「最近の天下り・渡りの実態に関する予備的調査」1月31日)経産省の大物官僚が東電に天下りして、少ししたら副社長に昇格して、高額報酬を得ているケースもあるで。
その場合は、報酬2000万~5000万+退職金という話もある。学者もそう。「斑目(まだらめ)、でたらめ」で有名になった斑目原子力安全委員会委員長は、東工大の研究者だった人。
あと、ゼネコンや原発施設メーカーから、政治家への個人献金もあるやろ?
かなりの額を献金しても、原発建設を1つ受注すれば、おつりがでるやん。そうやって、「原子力ムラ」でお金を回しているんよね。「やめられない、とまらない、原発利権」!
それに電力会社は法律で守られていて、原価に3.5%の利益を乗せて、電気代として利用者に請求できるんよ。
絶対に赤字にならないシステムどころか、原価がかかればかかるほど、利益は大きいってことやねん。原価1000円なら35円のもうけやけど、原価1億ならもうけは3500万。原発とかお金のかかるもののほうが、都合がいいんよ。
そんな商売ありえるん?ほんじゃ、ガンガン流しているCMもその原価に入っていて、私らの電気料金に含まれているわけ?
選べる商品ならいいで。値段や質で買うかどうか、判断するわけやから。ありえへんわ。そうやって、法的にも支えられていて、原発は作られてきたんやね。日本の電気代が高いわけや。
今の民主党の対応も批判されてるけど、歴代、原発推進を進めてきた自民党もともに批判されにゃいかんなぁ。
もちろん、ずっと原発のことをスルーしてきた自分も反省するけどね。そんな間に、原発「安全」神話が作られ、原発依存の体質がすっかり定着してしまったんやな。
「電気使うてるなら、原発に反対すな」とかゆう人もおるけど、これにはちゃんと反論しておきたいわ。消費者が生産者の欠陥商品を批判するのは当たり前や。2000年の雪印集団食中毒事件ときかて、どんだけ批判されたか。誰も買わんようになったやん。で、雪印は解体。
まして、電力会社は選べないやん。「うちは原発の電気なしでいきます」ということも、できひん。
今回の原発事故で、すでに相当の被害がでていて、これからもまだ出続けることを考えたら、「原子力ムラ」の人たちは抵抗すると思うけど、もう諦めてほしいわ。
で、原発廃止を決めて、代替エネルギーに転換することを決定させないと。それは私らが声をあげて、やらんとアカンね。
そんで、電力供給の仕組みも変えんと、代替エネルギーは広まらないんよね。今までは電力会社が「発電・送電・給電」の全部を独占してきたけど、それもバラバラにして、自由にする。
とくに送電、つまり送電線は大事。これを道路と同じく、誰もが使っていいことにしないといかんわ。電気事業法とかも変わるやろな。あとは蓄電技術や。
「電気は溜められない」ってことになっているけど、電気自動車ですでに蓄電の技術はあるんよね。電気自動車のメーカーがさらに蓄電技術をみがいて、自動車じゃなくて、蓄電器だけでも売ってくれると家庭で電気を溜めておくことができるやん。
マイクロ水流発電や風力発電みたいな出力が不安定なものと組み合わせてもいいよね。
小規模でも、あちこちで代替エネルギーで発電する。余ったら、蓄電器に溜めておく
。停電も起こらないですむ。代替エネルギーでの発電を多くの場所でやることで、雇用も増やせる。どうやろ、こんな感じ?
原発はなくせるやん。あとは私らの決意しだい。
どんな社会に住みたいか?将来にどんな世界を残していくかってことやと思うわ。