wake は目が覚めることだが,もうひとつの意味は,写真のように船が水面に残す波のことで,日本語では「航跡」と訳される.電場,磁場のことを electric field, magnetic field というのに倣えば,wakefield は航跡場である. wakefield ということばはビームが通った跡に加速器に残す電場を指すのに使われる.じつは私は wakefield をメシノタネにしていたこともある.
坂下 昇編訳「ホーソーン短編小説集」岩波文庫(1993) の中に「ウェークフィールド」というタイトルの短編があった.ここではウェークフィールドは人名であって,このウェークフィールドさんは突然失踪し,じつは隣町に下宿し,奥さんがどうするかこっそり観察したりしたあげく,20年後になにごともなかったような顔をして家に戻る.
この短編では,冒頭であらすじが示される.論文で最初に abstract があるのに似ている (あれほどあからさまではないけれど).解説によれば,ポーやボルヘスに称賛されている作品.
Wakefield という地名はあちこちにあるらしいが,小説で地名ではなく人名にしたのはなぜだろうなどと考えるのもおもしろい.この短編小説集の他の作品もそれぞれ毛色が変わっている.解説もおもしろい.失礼ながら,坂下昇さんという名前もおもしろい.
ウェークではなくウェイクのほうが良いとに思うのだけれど.
坂下 昇編訳「ホーソーン短編小説集」岩波文庫(1993) の中に「ウェークフィールド」というタイトルの短編があった.ここではウェークフィールドは人名であって,このウェークフィールドさんは突然失踪し,じつは隣町に下宿し,奥さんがどうするかこっそり観察したりしたあげく,20年後になにごともなかったような顔をして家に戻る.
この短編では,冒頭であらすじが示される.論文で最初に abstract があるのに似ている (あれほどあからさまではないけれど).解説によれば,ポーやボルヘスに称賛されている作品.
Wakefield という地名はあちこちにあるらしいが,小説で地名ではなく人名にしたのはなぜだろうなどと考えるのもおもしろい.この短編小説集の他の作品もそれぞれ毛色が変わっている.解説もおもしろい.失礼ながら,坂下昇さんという名前もおもしろい.
ウェークではなくウェイクのほうが良いとに思うのだけれど.